【アイドル第3世代が語る「現在の私達」 《聞き手・吉田豪》】
──まずはアイドル知識のない『スピリッツ』の読者の人に向けて、自分たちがどういうグループなのかの説明をお願いします!
ゆりゃ Cheeky Paredeです。チキパ(※Cheeky Paredeの略称)はライブが命で、宇宙ナンバーワンを目指してる小生意気で攻撃的なアイドルグループ…ってことなんですけど、根は真面目っていうのは内緒にしといてください(笑)。
──続きましてエビ中(※私立恵比寿中学の略称)。
ぁぃぁぃ はい、私立恵比寿中学です。メンバーもファンの方も永遠に中学生で、年齢から12歳を引けば中学何年生になるので、大人から子供までみんな中学生っていうのをコンセプトにしていて、キレのないダンスと不安定な歌唱力っていうのが一応キャッチコピーなのかな? ライブを学芸会、ファンのみなさんをエビ中ファミリーと呼ばせていただいていて、ライブの日を登校日って言ったり学校っぽい感じになってるんですけど、いろんな楽曲もあるし、なんでもやってます。
──さくら学院と私立恵比寿中学は同じ学校をコンセプトにしたグループですけど、だいぶ校風が違いますよね。
ぁぃぁぃ 全然違います!
最愛 違いますね(笑)。
ぁぃぁぃ エビ中は私立と言いながら公立っぽいから。
──むしろ、さ学(※さくら学院の略称)のほうが私立っぽくて。
ぁぃぁぃ ホントですよね、名前だけ私立です!
──さ学はどんなグループですか?
最愛 さくら学院は成長期限定ユニットで、いまは小学5年生から中学3年生の12人で活動中なんですけど、ファンのみなさんのことを父兄さんって呼んだり、ブログのことを学級日誌っていって、手書きでブログを書いていて、学校生活をテーマにして活動中です。
──いまのアイドル界では珍しい“聖域”みたいなグループですよね。
最愛 そうなんですか?
──ライブも座って観るシステムだし、完全に別世界ですよ。
ゆりゃ そうなんだ!
──そういうおとなしいグループをやりながら、BABYMETALみたいな激しいユニットもやってるわけじゃないですか。
最愛 はい。全然違うから、いつも「え、同じ人?」って言われるんですよ。
──BABYMETALは相当反響も大きくなってきて。
最愛 ありがとうございます。うれしいです。でも、どんどん曲が激しくなってくるんですよ。だから首が痛いんですけど、最近鍛えられてきて強くなってきました。
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廣田あいか(私立恵比寿中学)
──だんだんヘッドバンギング慣れしてきたわけですね。
ゆりゃ ヘドバンはチキパもやってるんです!
ぁぃぁぃ エビ中もヘドバンやってます。
ゆりゃ おぉっ! ヘドバン仲間だ!
最愛 イェーイ!
──今回は学校内でお互いバトルを繰り広げる写真も撮ったわけですけど、みなさんあんまり他のグループと闘う気持ちはないんですか?
全員 全然ないです!
──でも、チキパはかなり攻撃的なグループじゃないですか。
ゆりゃ …そっ、そうですよ! かわいいからって負けませんよ! ライブは攻撃的だし、ライブは負けません!
──そう言いながらも一番ガッツいてましたよね(笑)。
ゆりゃ もう…だって、めっちゃかわいいんですもん!
──撮影中も「かわいい」を連発してましたけど。
ゆりゃ もう超かわいいです! いまも、ここにいていいのかなって思っています。なんか申し訳ないです…。
ぁぃぁぃ 私こそここにいていいのかなって感じです。
ゆりゃ もうめっちゃアイドルですよ! かわいい!
最愛 でも、たぶんどんどん仲良くなっていったら、私のことは絶対アイドルなんて思わないと思いますよ。
ゆりゃ えっ?
最愛 全然アイドルらしくないんですよ。
──そうなんですか?
ぁぃぁぃ 私のほうがアイドルらしくないと思います。
ゆりゃ それはない!
──その謙遜合戦がわからないですけど(笑)。
ぁぃぁぃ 私なんて中身は男の子みたいですから。
最愛 私も中はオヤジです。
──そこはあんまり知られてないですよね。
最愛 そうですよね。人見知りじゃないんですけど、かわいい子の前にいると恥ずかしくてしゃべれなくなっちゃうんですよ。さっき撮影で手をつないだときドキドキしました。
ぁぃぁぃ ドキドキしたー! 手汗とか感じられちゃったらどうしようって思いました。
ゆりゃ そうそう、手どうやってつなごうかな、みたいな。
──ヲタの人が握手でテンション上がる気持ちがわかるわけですね。
ゆりゃ すっごいわかりました。これで愛が深まっちゃいましたね。絶対に手は洗わないです! 闘ってるときも目が合うと恥ずかしくて、思わず逸らしちゃうっていうか。
ぁぃぁぃ そうそう!
ゆりゃ かわいすぎて10秒も目合わせてられないです。
ぁぃぁぃ すごい緊張しました。真剣な表情しなきゃいけないのに口角が上がっちゃって。
ゆりゃ そう! 自然とニヤけちゃって。
──完全にニヤけてましたよね(笑)。
ゆりゃ バレてました? 結構必死に隠してたんですけど。
最愛 やっぱりニヤけちゃうんですよ。気をつけてたんですけど、ずっと見つめられてたらヤケドしちゃいます。
──天使のコスチュームに関しては最愛ちゃんは慣れてますよね。
最愛 はい。フレッツ光のCMでやらせていただいて。
ゆりゃ 私、初めて天使になりました。
ぁぃぁぃ 私も初めてでした。
ゆりゃ でもふたりは天使ってわかるじゃないですか、イメージ的にもかわいいし。友梨耶はいつも服装も歌い方とかも悪魔って感じだから貴重な経験をさせていただいて。
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菊地最愛(さくら学院)
──意外と似合ってましたよ。
ぁぃぁぃ かわいかったー!
ゆりゃ え、うれしい! じゃあ、これからはちょっと清楚キャラでいきたいなって思います(笑)。
ゆりゃ でも、最愛ちゃんすごい知ってるよね、アイドルさんの曲。撮影中にかけてくださった曲を全部知ってて歌ってたからすごいなと思って。
ぁぃぁぃ うん、ずっと口ずさんでた。
──他のグループの曲にもちゃんと反応して。みなさんアイドル好きですよね。
ぁぃぁぃ 大好きです!
最愛 大好き!
ゆりゃ チキパはアイドル好きな子が多くて、よくこの2グループの話はしてます。「この子がかわいい、この子もかわいい」って。“チィキィ”って“生意気”っていう意味だから、嫌なヤツみたいに思われがちなんですけど、でもホントにアイドル大好きで。
──あいつらには負けたくないとかじゃないんですね。
ゆりゃ ないですね。ジャンルが全然違うから、チキパはチキパらしくいこうよ、みたいな。結構みんなそうういうポジティブな考え方です。チキパは『アイドルグランプリ』っていって対バンライブをやってるんですけど、この前チームしゃちほこ(※私立恵比寿中学の姉妹グループ)さんと一緒にやって。だから今度一緒にやりたいなって思います。
ぁぃぁぃ そうですよね、やりたーい! しゃちほこちゃんがやって、「エビ中じゃないの?」ってみんなすごい残念がってたんです。私たちやりたいのにって。
ゆりゃ それをしゃちほこさんから聞いてて、どっちもうれしい、みたいな。そこで戦意喪失しちゃいました。
──全然攻撃性ないですよね(笑)。エビ中はどうですか?
ぁぃぁぃ エビ中もみんなアイドルさんが好きで、ふつうにチキパさんだとか、BABYMETALさんとかのMVとか流して楽屋で聴いてたりする感じで、昨日ちょうど友達と手紙交換してて、「MOAMETALが大好きでヤバい」みたいなこと書いて。
最愛 うそーっ!
ぁぃぁぃ それで今日ここに来たら最愛ちゃんが一緒でキャーッて思って。すごいビックリしました!
最愛 すごーい! ありがとうございます。
ゆりゃ 友梨耶も今日たまたまふたりとも推しメンなんで、超うれしくて。今日の撮影は幸せでした。
──最愛ちゃんはふたりから大人気ですけど、中身はオッサンなのに申し訳ないな、みたいな感じがあるんですか?
最愛 そりゃそうですよ。さっきから話してますけど、まだ自分を出せてないんですよ。いまはちゃんと座って一応清楚なキャラでやってるつもりなんですけど、さくら学院だと一番おちゃらけてるかなって。
ゆりゃ おちゃらけたとこ見たい!
ぁぃぁぃ 見たい見たーい!
──せっかくですから出していきますか。
最愛 はい、この座談会中に! どんどん仲良くなっていろいろ知りたい。
ぁぃぁぃ ね、ホント。
──中身はオッサンな仲間でもあるわけですからね。
最愛 そうですね。私、スルメ大好き。
ゆりゃ 私も大好き!
ぁぃぁぃ 大好き! イェーイ!
──相手のグループのうらやましいところとかあります?
ゆりゃ めっちゃかわいいところ! チキパにはないかわいらしさっていうか、キラキラ感っていうか。チキパはガツガツしているので。ふたりともかわいいオーラが出てて。チキパがここにいたら、みんな鼻血出すんじゃないかなって。
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鈴木友梨耶(Cheeky Parade)
──テンション上がりすぎて(笑)。
ゆりゃ あと、ふたりとも学園系じゃないですか。それもうらやましくて。エビ中さんとかさくら学院さんとか、ずっとアイドルで学園をやってるからうらやましがってます。
ぁぃぁぃ でも、エビ中はちょっと不思議なことをしたりして、チキパさんは衣装が私のタイプなんですよ。だから着たいなとか思って。私の好きなブランドさんのお洋服だったりして、だからメジャーデビューしたときからかわいいなかわいいなって思ってて。MVとかもすごいオシャレで、憧れな感じで。
──エビ中はオシャレとかかわいいとかは…。
ぁぃぁぃ ないんです! 気にしてないと思うんですよ、オシャレとかかわいいは。
──笑い取るとかそっちにいってる感じですよね。
ぁぃぁぃ そのとおりだと思います。さくら学院さんは同じ学校の感じなのに正反対で、ないものねだりっていうんですかね、エビ中はエビ中でやってて楽しいし新しい発見もあるんですけど、私がさくら学院さんにいたら絶対おかしいと思うんですけど(笑)。でも、エビ中もたまにはそういうのもやってみたいなと思ったりします。見ててかわいくて、エビ中もこういうのできたらなって。
──メンバーみんなで天使の格好したりとか。
ぁぃぁぃ ホントにそういうことがないんですよ、メンバー全員ヴァンパイアなんですから! 正反対ですもん(笑)。
最愛 さくら学院はこないだ制服が新しく替わって、キャメルのブレザーで紺のスカートになったんですけど、まだ1回しか替わったことがないんですよ。カラフルな衣装とかかわいい衣装を見てると、自分の個性に合わせてもらって作ってもらった衣装も着てみたいなって思います。
ぁぃぁぃ でもホント制服かわいいなって思います。2010年の東京アイドルフェスティバルのときに楽屋が一緒だったんですよ。そのときにさくら学院さんすっごいきれいで、校章とか入ってる制服で、エビ中はトータル1000円のそこらへんで買ってきた衣装だったんですよ。ファンの方も着てきちゃったりするぐらい身近に買える…。
スタッフ 校長はあれ3990円だって言ってた。靴とか入れたら。
ぁぃぁぃ それでも3990円で。たぶん見える部分は1000円という衣装だったんですけど、みんなすごいきれいな制服でいいなって言ってたのを思い出しました。
スタッフ でも、制服お下がりだよね。
最愛 お下がりなんですよ。いま一番小さい山出愛子ちゃんって子がいるんですけど、その子がまだ古い制服のときに入ってくれてたら、最愛のお下がりとか着れてたんですよ。
ゆりゃ チキパは逆に制服はあまり着ないですね。だから、かわいいお洋服とか清楚なお洋服とか着てみたいです。衣装取り替えっことかおもしろくない?
ぁぃぁぃ やってみたい! 出てきたら人が違う、みたいな。
──いいですね、この3人でチェンジ。
ゆりゃ はい。
最愛 最愛の制服、小さいから破れちゃうかも(笑)。
──ちなみに、このふたりに私はここは勝ってるみたいなアピールポイントはありますか?
ゆりゃ 勝ってるところですか? ちょっと待ってください…あ、大人っぽさ!
──まあ年齢的にそうですよね(笑)。
ゆりゃ そうです。それしか出てこなかった(笑)。
──ぁぃぁぃはどうですか?
ぁぃぁぃ なんかあったかな…うーん…ふたりともお人形さんみたいじゃないですか。私、ぬいぐるみみたいなんです。わかりますか? その違い。人間って感じ、ふたりは。そこは勝ってる…わけでもないんですけど。
──別ジャンルってことですね。最愛ちゃんはどうですか?
最愛 最愛は身長の低さなら勝てます。
──コンパクトさは圧勝ですね。
最愛 それしかありません!
──3人が考えるアイドルってどういうものですか?
ゆりゃ チキパはアイドルにも憧れられるアイドルを目指してます。
最愛 すごい!
──最初から衣装もカッコよかったですもんね。
ゆりゃ そうなんですよ。でも、みんなかわいいからチキパがキャーキャー言っちゃってて。
ぁぃぁぃ エビ中はみんなチキパさんに憧れてると思います。衣装とかすべてかわいくて、絶対同世代の子が一番憧れるアイドルさんだよね、みたいな感じで。学校の子とかが好きそうっていうか、そういう感じでみんなでいいなって話をしてたんですよ。エビ中は怖がられちゃうこととかしてるんで、チキパさんかわいいなって言ってます。
ゆりゃ うれしいです!
ぁぃぁぃ 私はアイドルって、誰かを笑顔にできたらそれがアイドルなんじゃないかなと思ってて。だから私はパンダから笑顔をもらってるのでパンダは私にとってアイドルだし、誰でもアイドルになれると思ってて。そこに咲いてる花に元気をもらったら、その花もアイドルだなって最近は思ってます。
ゆりゃ・
最愛 すごーい!
──最愛ちゃんどうですか?
最愛 最愛にとってアイドルは、勇気をくれるっていうか。さっきぁぃぁぃちゃんが言ったみたいに笑顔になれるんですよ。最愛はいま℃-uteの鈴木愛理ちゃんにハマッてるんですけど、愛理ちゃんを見てると癒されるというか、嫌なことすべて忘れるっていうか、自分のことを笑顔に戻してくれると思うんですよ。だからやっぱりアイドルは勇気とか幸せを届けられる存在なんじゃないかなって思います。
ぁぃぁぃ 私も愛理ちゃん好きですー。
最愛 かわいいですよねー!
ゆりゃ 頭もいいし歌もうまいし踊れるし。
ぁぃぁぃ トークもおもしろくてメイキングとか大好きなんですよ。
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撮影で手をつないでドキドキの3人
──『スピリッツ』の表紙もやってましたしね。
最愛 買いました!
──買った! 偉いですね。
最愛 愛理ちゃんのために!
──いまアイドルがこれだけ増えてるなかで生き残っていくのも大変でしょうけど、皆さんいろいろ考えてますか?
ゆりゃ ホントに何事にも全力で、やれることをやっていくしかないと思ってます。
ぁぃぁぃ とにかく私は自分を出していって、代わりがいない人になりたいなと思ってます。
──それに関しては、だいぶいい線いってますよね。
ぁぃぁぃ ありがとうございます!
最愛 最愛としてもさくら学院としても、ほかのアイドルさんをライバルとかじゃなくて、一緒に頑張っていくっていうか、共に成長していく仲だと思ってるんですよ。だから負けてるところもあると思うんですけど、そういうことにこだわるんじゃなくて、さくら学院はさくら学院らしく、最愛は最愛らしくやっていけば、新しいお客さんにも自分たちを知ってもらえるんじゃないかなって思ってます。
ゆりゃ しっかりしてるなぁ!
──ちゃんとしてますね。さっき動画を撮ってたとき、最愛ちゃんは告知のフレーズが一切覚えられなくておもしろかったですけど(笑)。不安そうに胸を手で押さえて。
ゆりゃ うわ、かわいい!
ぁぃぁぃ そういうとこがかわいいです!
──新しいお客さんに知ってもらうって意味では、『スピリッツ』の表紙なんて相当なチャンスですよ!
ぁぃぁぃ ビックリしました!
──なぜこのメンバーが『スピリッツ』の表紙にっていう。アイドル誌でもやらないチャレンジですよ。
ぁぃぁぃ ホントですよね。
ゆりゃ まだこのふたりだったらわかるんですけど、「え、友梨耶も?」みたいな。ウチ、もっとかわいい子いますって思って、マネージャーさんに「ホントに友梨耶ですか?」って3回ぐらい確認しました。
ぁぃぁぃ エビ中でも私はどちらかというとサブカル界な感じで、美形な子は山ほどエビ中にいるのになぜ私がって思ってビックリしました。
──ぁぃぁぃはバラエティ担当的な感じですからね。
ぁぃぁぃ はい、どちらかというとそういう感じなのに。
最愛 私も先生から「『スピリッツ』を最愛でお願いするよ」って言われたとき、寝てたんですよ。最愛は最近お昼寝にハマッてて…。
──お昼寝にハマッてるんですか!
ゆりゃ・
ぁぃぁぃ かわいい!
最愛 だから電話で飛び起きて出て、表紙をやるって理解してなかったんですよ。中のグラビアをやらせてもらえるんだろうなって思ってたら、さっき表紙って聞いてビックリしました。
ゆりゃ え、さっき聞いたんだ!
最愛 すみません(笑)。
──表紙、巻頭ですよ!
最愛 ビックリしました。
ゆりゃ ビックリだよね。
──コンビニに自分たちの顔が並びますよ!
ぁぃぁぃ キャーッ!
ゆりゃ めっちゃ芸能人みたい!
ぁぃぁぃ それはすごいです!
最愛 すごーい!
──これから仲良くなってメールアドレス交換ぐらいは出来そうですか?
ぁぃぁぃ したいしたい!
ゆりゃ したい! あとでしよ。
最愛 毎日メールしちゃったらごめんなさい。
ぁぃぁぃ いや全然。うれしくてうれしくて。
──この出会いがつながっていけばいいですね。
ゆりゃ 楽しそう。
──どんどん交流してください。
全員 はい!
──最後に何か言い残したことがあれば。
ゆりゃ この3グループはチェックしておかないと時代に乗り遅れちゃうぞ!
──最後に軽く攻撃的なことを(笑)。
ゆりゃ はい、ちょっと言っとかないと(笑)。
【私立恵比寿中学・廣田あいかソロインタビュー】
──ぁぃぁぃはアイドル好きとして有名ですよね。
ぁぃぁぃ 私はアイドルさんが大好きなんで今日はうれしいです!
──ふつうにアイドルイベントの最前とかで観てますからね。
ぁぃぁぃ はい、行ったこと何度もあります。
──タワレコのインストアイベントとかふつうにいますもんね。
ぁぃぁぃ はい! しず風&絆〜KIZUNA〜さんとか。
──ボクが行ったときもいましたよ!
ぁぃぁぃ フフフ。アイドルさんを見て新しい発見とかあって、私もこうやってみようかなとか、そういういろんな刺激をいただいたりしてます。
──たとえば、どんなところをいいなと思ったりしました?
ぁぃぁぃ PASSPO☆の根岸愛さんがすごい大好きで、ブログとかでも学べるところがいろいろあって。あいぽんさんの心が好きなんですよ、優しくて。だからすごいリスペクトしてますし、ももクロちゃんではあーりんが大好きなんですけど、あーりんのカッコいいところと体調管理がすごいところを私は尊敬していて。
──体調管理まで見てる人、あんまりいないですよ!
ぁぃぁぃ フフフ、あーりんはほとんど休んでなくて。私、もともと身体が弱かったんですよ。だから絶対健康に気をつけようと思ったのはあーりんリスペクトで思ったんです。
──あーりんは一番若いわりに一番プロ意識もありますからね。
ぁぃぁぃ はい、ホントにすごくて。かわいいところもカッコいいところも好きなんですけど、そういうしっかりしたところがすごい素敵だなと思って好きです。でんぱ組.incの最上もがさんのブログとかもすごい素敵で好きで、よく読ませていただいています。
──彼女はかなり感情をちゃんと出すタイプですね。ファンに対してもキッチリと怒るし。
ぁぃぁぃ そうなんですよ。なかなかそういうアイドルさんっていないじゃないですか。だから素敵だなって。逆にそういうのが全部出せるのもそうだし、ひとつひとつの質問とかに答えてるときがすごい説得力があるというか、ためになるのでよく読んでます。あんなに真剣に答えてくれてすごいなって思って。
──でんぱ組.incはベースが引きこもりだったりするから、質問とか相談にもちゃんと向き合うんですよね。
ぁぃぁぃ すごいなと思います。
──でも、タイプは全然違うじゃないですか。
ぁぃぁぃ はい。ただ私、この声で勘違いされるんですけど本当はすごいサバサバしてて男の子っぽい性格なんですよ。だから、やっぱり女の子らしいアイドルさんに惹かれるっていうのはあります。アイドルアイドルしている方が好きだなって。
──そういう意味で、さくら学院は完璧ですよね。
ぁぃぁぃ はい。私とは正反対っていうか、エビ中とは正反対の正統派なグループだから、今日こうして一緒に仕事できて、すごいビックリしたしうれしかったです。昔は東京アイドルフェスティバルとかで楽屋が一緒だったんですけど、お話とかはなくて、ホントに別世界だったので。
──声で勘違いされるってことですけど、たしかに声のインパクトがありすぎちゃいますよね。
ぁぃぁぃ はい、よく言われますね。それが唯一得だなと思うところで。それで覚えていただけるのが自分ではラッキーだなと思います。
──どこに出てもまず引っ掛かりますからね。
ぁぃぁぃ エヘヘ、はい。
──声がコンプレックスになったことはありました?
ぁぃぁぃ どうだろう? 変だとか言われたりしますけど、私は最初は変とか思わなかったんですよ。お姉ちゃんもお母さんもこういう声なんです。家ではみんなこの声で生活してるから、アイドルの世界に入ってきて周りから「おかしい」とか「不思議な声だね」って言っていただいて、そうなんだって感じで。でも、しゃべるとだいたい覚えていただけるから、いろいろ言われたりもあるけど、自分ではラッキーだったなって思います。
──いろいろ言われたりはしたけれど。
ぁぃぁぃ 握手会とかでも「変わってるね」とか言われるんですけど、それも悪いふうに思わないで、覚えてもらえたんだって感じるほうだったので、よかったなって思うし。共演してくださった方がだいたいみなさん真似してくださるのがうれしくて。
──真似したくなりますからね。
ぁぃぁぃ それはホントにうれしいです、ウフフ。
──これだけアイドルグループが増えて、個性をどう出していくかみたいになってるわけですけど、ぁぃぁぃ的にはかわいいアイドルがいっぱい増えて単純にうれしいって感じなんですか?
ぁぃぁぃ はい、うれしいです! しかもいろんなタイプのアイドルさんがいて、こっちもすごいワクワクしてます。だから東京アイドルフェスティバルとか私にとってすごい素敵なお祭りで、廊下ですれ違うたびにキャッて感じで。
──食堂のあたりの交流とかすごくいいですよね。普段接点ない人たちが一緒に写真撮ったりして。
ぁぃぁぃ そうなんですよ! 「ご飯、何にしますか?」とか聞いていただいたりして、あれはすごい楽しいです。今年は出られないのが悲しいんですけど。
──あのピースフルな空間はボクも大好きです。でも、たとえば対バンイベントとかだと闘いモードにならなきゃいけない場面もあるわけじゃないですか。
ぁぃぁぃ そうですね。最近は東京女子流さんとやらせていただいたんですけど、闘いモードというよりも、お互いのグループの距離が縮まった気がして。女子流さんは、大人っぽくてエビ中メンバーみんな女子流さんのファンで、大好きで。同い年ぐらいなのに全然お姉さんな感じだったから、話しかけるのもちょっと緊張しちゃう感じだったんですけど、優しく話しかけていただいて。
──話したら全然お姉さんじゃないですよね(笑)。
ぁぃぁぃ ウフフフ。それで仲良くなれた感じがしたのですごいうれしかったです。
──ボクがちょっと前に取材したとき、「最近は音楽的にも大人っぽくなってますけど、自分たちが大人になったと思うところはどこですか?」って聞いたら、「あんまり鬼ごっこしなくなった」って言ってました(笑)。
ぁぃぁぃ キャーッ、かわいい!
──それは確実に子供だよっていう(笑)。
ぁぃぁぃ エビ中はいまでもしてます、鬼ごっこ。
──してますか!
ぁぃぁぃ 広いとこだと鬼ごっこします。エビ中はホントに子供です。ほかのアイドルさんは大人っぽいのに。でも、それがおもしろいとこでもあると思うので。
──また、そういうところを伸ばす事務所じゃないですか。
ぁぃぁぃ ももクロちゃんも結構楽しそうな感じですからね。
──完全にそうですよね。素でギャーギャー騒いでる感じをそのまま表に出しましょうっていう。
ぁぃぁぃ はい。
──ももクロの妹分的な紹介をされることが多いですけど、資質はだいぶ違う感じがしますよね。
ぁぃぁぃ 最初は「妹分」だったんですけど、最近どんどん「妹分的存在」になって、紹介のされ方が変わってきて「妹分」じゃなくなってきちゃったのが自分たちでも疑問だったんですけど。
──ちょっと曖昧な感じに(笑)。
ぁぃぁぃ そうなんです! 「妹分的存在」をすごい主張していて、それはなんの意味があるのか私たちにもわからないんですけど。だから大丈夫かなって。
──妹分が増えすぎたせいなんですかね。
ぁぃぁぃ はい、名古屋の妹分も大阪の妹分もいるので。でも、ももクロちゃんはももクロちゃんで、エビ中はエビ中でちょっと違う感じはありますよね。曲とかもだし、ももクロちゃんはお話とかおもしろくて上手なんですけど、エビ中はグダグダしちゃうのが悩みで、どちらかというとメンバー全員が人見知りなので、『ゆび祭り』とかそういうイベントに行くと端っこでポツンみたいな感じだったんですよ。そういう感じなので、そこは全然違うな、と。
──『ゆび祭り』では、そんな人たちがヴィジュアル系バンドみたいな髪&メイクで、積極的に周りと馴染めないようなことをやりにいったじゃないですか。
ぁぃぁぃ はい、ホントに。でも、すごい楽しかったです。あのときあの格好だったので、アイドリング!!!さんに「ダンサーさんだと思いました」って言われたぐらい、私たち浮いてて。しかも休憩時間にカツラを外してなきゃいけなくて、みんな顔だけすごいのに、頭はカツラのネットを被ったままでご飯とか食べなきゃいけなくて、そのとき一気に気がちっちゃくなった感じがしてすごいつらかったんです。
──でも、あのカツラをつけてるとちょっと強気になれる。
ぁぃぁぃ はい、「カツラつけたらおまえらはロックスターだから、そういう気持ちでやってこい」みたいな感じで言われてたんですけど、休憩時間に型が崩れちゃいけなくて外してたときは、みんなキューッてちっちゃくなって。しかも顔が怖いから、かわいいアイドルさんには話しかけられないし。
──「ホントすみません!」みたいな感じで。
ぁぃぁぃ はい、ホントに。だから楽屋でもみんな端っこにキューッて固まって静かにしてる感じで。
──AKBヲタの方たちが集まってる場に、なんの説明もなく現れて、みんなキョトンとしてましたからね。
ぁぃぁぃ それで1曲で帰るっていう。私、ああいう感じは結構好きなんですよ。あのときはみんな勝負だって感じで、なぜか会場入りもリムジンで。
──そこもロックスターらしく(笑)。
ぁぃぁぃ はい。人生初リムジンで、みんなワーキャーしたかったんですけど、「あなたたちはロックスターだから」って言われて。一応エビ中でビデオカメラ回してたから、絶対にワーキャーしちゃいけなくて、いつも乗ってますよ的な感じでやれとかいろいろあったので、みんな興奮したいけどできないしっていう感じで。でも、すごい思い出です。
──そういう余計なこと仕掛けるのも事務所の方向性ですよね。
ぁぃぁぃ そうですよね、エビ中は結構そういうのが多いです。
──ほかのアイドルを見て、ああいうちゃんとしたかわいいのをやりたいなって思うこともあるんですか?
ぁぃぁぃ メンバーのなかにはそういう子もいるんですよ。白塗りとかも正直そんなにって思ってる子もいるんですけど、私はそういうのをやりたいほうなんです。やってるとまた違う自分に変われる気がして気持ちがよくて。ああいうのをやると自分が大きくなれた気がしてすっごい気持ちがいいので、メイクとか好きです。ほかのグループさんは絶対できないから、欲張りしてる気分になるので。
──さくら学院が、あれをやるかっていったら絶対やらないですからね。
ぁぃぁぃ 絶対やらないですからね。そういう部分では私は得だと思います。
──たぶん得なキャラだと思うんですよ。いい目立ち方をしてるというか。
ぁぃぁぃ フフフ。ありがとうございます。
──そうじゃないと、この年齢で『タモリ倶楽部』には出られないじゃないですか。
ぁぃぁぃ エヘヘ。でも『タモリ倶楽部』は電車好きっていうのもあって。まさか出させてもらえるとは思わなかったんですけど、お世話になっちゃいました。
──ボクも3回ぐらい出てるんですよ。
ぁぃぁぃ そうなんですか? 私も一応3回なんですよ。
──この年齢差で並ばれた! そういう仕事も楽しいですか?
ぁぃぁぃ すごい好きです。いろいろ発見とかワクワクすることもあるし、共演者さんがいろいろ教えてくださるので、お話とか聞くのも楽しいです。
──タモリさんとカメラ回ってないときの雑談とか全部おもしろいですよね。
ぁぃぁぃ はい、すっごい優しくて。私、中学生だから「学校の給食に牛乳はまだ出るの?」とか「どんなメニューが出るの?」とか、給食についてお話しました。
──ボクが10年以上前に初めて出たときに、タモリさんの雑談待ちで撮影が中断したときがあって。
ぁぃぁぃ え、そんなのあるんですか?
──タモリさんが隣のみうらじゅんさんとホントにどうでもいい話してて、オチも何もない話をずっと聞かされてるのをカメラが待ってたのが印象深いです。
ぁぃぁぃ エヘヘ。でもすごい優しくておもしろい話をいっぱいしてくださって、すごい楽しかったです。
──いろいろやって自分には何が向いてるとか見えてきました?
ぁぃぁぃ やっぱり私は自分を表現するのが好きなんです。だから歌ってるときとかダンスしてたり、あと絵を描いたりするときは自信満々にいける感じがするというか、自分で自信がみなぎるんです、できるかもって。だけど演技とかはすごい得意とは思ってなくて、まだまだ勉強していかなきゃなって思いがいっぱいあるところなので、そういうときはちょっと不安になったりもするんですけど、楽しんで頑張ってます。
──基本、自分に自信はあるタイプですか?
ぁぃぁぃ 行くぞって思ったときにスイッチが入るので、自信がないほうではないと思います。やるとなったら、なんでもやり切らなきゃっていうのがあるので。自分のなかで、もうどうでもいいやって投げ出したくなったりするんです、学校のテストとか。でも、やっぱりやり切らないと最終的にモヤモヤするのは自分だから、なんでもやり切りたいタイプです。
──ホントに中身は男寄りというか。
ぁぃぁぃ フフフ、そうですね。みんなにフニュフニュしてる感じに思われるんですけど、結構男前だと思ってます。でもエビ中は基本、女の子っぽい子があまりいなくて。
──そうなんですか?
ぁぃぁぃ そうです。みんなサバサバしてるというか、女の子らしい子を考えるのが難しい感じはします。かわいいですけど、みんなしっかりしてるなって思います。
──この仕事やってて最終目標的なものって何かあります?
ぁぃぁぃ 叶えたい夢とか目標がいっぱいありすぎて、ひと言ではなかなかまとめられないですけど、将来の夢といったら誰かひとりでも笑顔にできる人っていうのをいつも言ってて。ただ笑顔にできるとかそういうことではなくて。私、甲本ヒロトさんをリスペクトしてるんですけど、ヒロトさんが松本人志さんを見て笑顔になれたって。だから松本人志さんもリスペクトしてるんですけど。
──『ごっつええ感じ』について歌った『日曜日よりの使者』の話ですよね。
ぁぃぁぃ そうなんです。あのお話がすごい素敵だなと思って。私も松本人志さんみたいにそんなことができる人になりたいなっていうのが一番の将来の目標で、もうダメだと思った人を、まだ頑張れるって思わせられるような人間になりたいなって。そのためにできることっていうのが、いまやってる歌だったりダンスだったりとかなので、そういうのをもっともっとがんばって、いつかそれに届くようにって頑張ってるところです。
──ヒロトさんを好きになったきっかけはなんだったんですか?
ぁぃぁぃ 両親がブルーハーツさんが大好きで、ちっちゃいときから聴いてたので。ライブとかもメチャクチャじゃないですか。私ああいうのがすごい大好きで、『放課後ゲタ箱ロッケンロールMX』はそういう気分でやってるので私も大好きな曲のひとつなんです。インタビューとか歌の歌詞とか全部勉強できて、すごいいろいろ感じたりできるところが好きです。
──現代の数少ないロックスターですよね。
ぁぃぁぃ はい。すごいカッコいいなって思います。
──影響を受けてたんですね。
ぁぃぁぃ はい。
──ちなみにお父さんおいくつですか?
ぁぃぁぃ 40歳です。
──おぉっ、年下ですね。
ぁぃぁぃ そうなんですか!
──アイドル好きな人からすると「こういう曲をやりたい」みたいなものってあります?
ぁぃぁぃ いろいろ挑戦させていただいてて、次にアルバム出すんですけど、それでもまた新しいタイプの曲をいっぱいやってるんですよ。個人としては将来歌をやっていきたいなって目標があるんですけど、エビ中としては、エビ中っていままでメチャクチャなことをしてきてると思って。でも、どこまでメチャクチャになれるかっていったらまだわからないので、自分たちがどこまでできるのかっていう。
──メチャクチャを極めてみたい(笑)。
ぁぃぁぃ ここまで来たらどこまでできるんだろうなっていうのはあります。最近正統派になりつつあるんですよ、楽曲とかも。
──そうですね、『手をつなごう』とか。
ぁぃぁぃ ふつうに感動的な曲なんですよ。どんどんふつうの感じになってきて、昔はティッシュティーッシュみたいな感じだったんですけど、そういう曲もすごい素敵だし、違う自分になれるのは楽しいなと思ってるので、おもしろいことをやってみたいなって思います。
──「やっとこういうちゃんとした曲が来た!」っていう(笑)。
ぁぃぁぃ 私も正統派の曲もうれしいので、やったぁっていうのはあるんですけど、でもメチャクチャなのも久し振りにやりたいなと思います。
──幅はあったほうがいいですよね。
ぁぃぁぃ はい。いろんな種類がやりたいと思ってるので。
──いろんなアイドル見た人が「もっとメチャクチャやりたい」って結論に至るのもおもしろいですね。
ぁぃぁぃ ヘヘヘヘ、どこまでいけるんだろうっていうのがあります。私どこまでいけるんだろうって。上限を感じたいっていつも思って。
──限界を設けたくないというか、もっといけるんじゃないかっていう。
ぁぃぁぃ はい、もっといけるんじゃないかっていうのもあるし、もっといきたいっていうのもあって。だから新しいことに挑戦したいです。それを求めてる感じがしますね。
──ちなみに遠い先の話でしょうけど、もしソロでやるんだったらこういうのやりたいみたいなのはありますか?
ぁぃぁぃ 私は絢香さんがすごい大好きなので、ちっちゃい頃から本当に音痴で、ママに「聴いてらんないよ」って言われてたけど、我慢して聴いてもらいながらやってて(笑)。でも、やっぱりちっちゃいときから歌ってるのはそういうバラードが多いので。いまの私が歌ったらあれですけど、もっと成長してヒロトさんとか松本さんみたいになれるぐらいのところに自分がたどり着いていたら…。
──そのクラスにたどり着いたらバラードを(笑)。
ぁぃぁぃ たどり着かなくてもいいんですが、バラードは歌いたいと思ってるんです。それでリスペクトしてるその夢が叶ったらなっていうのが自分のなかでは一番大きい目標です。
──ちなみにヒロトさん、坂井真紀さんの曲とか作ってるのは知ってます?
ぁぃぁぃ 知らないです!
──いいですよ。
ぁぃぁぃ へぇーっ、聴いてみます。ヒロトさん好きで私も歌ったりします。
──でも、ソロでやるなら絢香。
ぁぃぁぃ そうですね。私は絢香さんの曲に助けてもらっているので。
──まだ弱かった頃ですか?
ぁぃぁぃ そうですね。曲に元気づけられたことが何度もあるので、自分はそっち側の人になりたいなって。
* * *
【さくら学院・菊地最愛ソロインタビュー】
──ブログとかライブとか見てて、すごいしっかりしてるイメージがあったんですよ。
最愛 えっ! 誤解ですね。でも、最近はしっかりしないといけないって意識があります。先輩になってきて、新しい子が入ってくると中3の4人だけじゃ支えられないこととかあるじゃないですか。それを自分らしく助けていこうと思って、トークのところとか、みんなを笑顔にするところとかは力を合わせて頑張るようにしてます。
──先輩らしくアドバイスとかしてるんですか?
最愛 いや、先輩らしくないです、たぶん(笑)。みんなから見たら先輩っていうより同い年みたいな目線で、ふつうに相談とかもしてくれるし、ちょうどいい立場にいるんじゃないかなって思います。
──そんなにプレッシャーもなく。
最愛 そんなにプレッシャーもないです。中3になったらたぶんもっと頑張ります!
──さ学のなかでは一番いろんなユニットやってますよね。
最愛 そうですね。いま活動してないですけど、Twinklestars(バトン部)とかも。
──素晴らしいですよね、あれ。大好きです!
最愛 そうなんですか!
──トゥインクルスターズも好きだし、ミニパティ(クッキング部)もいいし。
最愛 BABYMETALもあって、いまいろいろ活動中です。
──どれが一番自分に合ってると思います?
最愛 どれも楽しくて。さくら学院って、いつも新しいことにチャレンジさせてもらってるんですよ。公開授業っていうのをやってるんですけど、特別講師の方をお招きして、宇宙の話とか、歌のこととか、自分たちの知らなかった世界に気づけたので、ミニパティもBABYMETALもTwinklestarsも新しい自分が発見できた場所です。
──どれもちゃんとハマってますよね。
最愛 ありがとうございます。
──ちゃんとしてそうなのは誤解ってことでしたけど、実際どんな人なんですか?
最愛 たぶん顔と合わない性格だと思います。
──小さくておとなしそうなイメージですよね。
最愛 清楚キャラだと思われてるかもしれないですけど、慣れると結構うるさくて。友達を誰よりも早く作るタイプで、授業でも積極的に手を上げるほうなんですよ。
──あんまり物怖じしないんですか?
最愛 物怖じしませんね。
──そりゃメタルの大物と対談しようがロックフェスに出ようが、意外となんとかなりそうですね。その性格、この仕事に向いてるんじゃないですか?
最愛 ホントですか? でも最愛、もしこの仕事が続けられなかったら薬剤師になりたいんです。勉強とかしないでなりたいんですけど。
──勉強しなきゃ無理だと思いますよ(笑)。
最愛 そうですよね。いろいろ調合するのが好きなんですよ。だからよくファミレスとかに行くと、とりあえずジュースを調合したり、あと横のほうにケチャップとか塩とか置いてあるじゃないですか。あれをいろいろ混ぜてみたりするのが好きなので。
──そういう好奇心というか、イタズラ心というか、なんかやりたくなる。
最愛 やりたくなります。それで食べてみるんです。不味いんですけど。
──努力しないで薬剤師になれないんだったら、この仕事でやっていこう、と。
最愛 はい、やっていきたいです。
──やってて悩むことはありますか?
最愛 結構小心者なんですよ。物怖じはしないんですけど、つらいことがあったらすぐ泣いちゃうタイプで。最愛のベッドの上にハンモックみたいなのがあって、その上に人形がいっぱい敷き詰められてるんですよ。そこの人形に相談したり遊んだりして元気になります…。でも、なんかやっぱり小心者ですごい悩むほうです。
──どういうことで悩んだりします?
最愛 昔は身長ですごい悩んでたんですけど。
──なんでこんなに小さいんだろうって。
最愛 うん、でも最近諦めてるんで。
──この小ささは絶対武器ですよ!
最愛 じゃあ、このままちっちゃいままでいます。大きくならなくてもいいや。
──でも、そこは悩んでたんですね。
最愛 最初は悩んでて。でも、もういいです。あとは最近だと生徒会長の堀内まり菜ちゃんから結構メールが来るんですけど、最愛にも相談してきてくれることとかあるんですよ。そういうところで真剣にどういうところを頑張っていけるかとか考えて、そこで悩んだりします。
──ちなみに小さくて悩んでたときは牛乳を飲んだりとかいろいろやってたんですか?
最愛 最初は牛乳飲んでたんですけど、骨が太くなるだけって聞いて。
──そうなんですか!
最愛 だから小魚を食べるようにしてます。
──その影響はあんまりない感じですか?
最愛 ないですね。寝るのが一番だと思います。
──それはよくいいますね。寝てないんですか?
最愛 いつも早く寝たいんですけど、帰って勉強しないと気が済まないので、寝るのが遅くなっちゃうんです。
──成長ホルモン出る時間がありますからね。
最愛 そうなんですよ。
スタッフ 昼寝してるじゃん。
最愛 そう、最近昼寝が大きくなってます。
──昼寝の時間はたぶん成長ホルモン出ないと思いますよ(笑)。
最愛 でも、こないだ昼寝したら朝でした。
──趣味は昼寝。
最愛 昼寝です。楽しいです!
──それ意外に何か趣味はあります? 花は趣味なんですか?
最愛 お花は趣味っていうか、ちっちゃい頃から『あらいぐまラスカル』の歌とか聴いててお花のこととか知ってたし、『花の子ルンルン』をちょっとだけ知ってたんですよ。その曲を聴いてたのでお花に興味があって。
──それは親御さんが聴かせてたんですか?
最愛 いや、ケーブルテレビとかで観てて。ママもふつうに歌ってくれるし。お花のことに興味を持ったのは、歩いててタンポポが咲いてたんです。学校に行くときに見てるんですけど、時間が経つと綿毛になって、そこから飛んでいく姿を見て、自分もこういうふうになれたらいいなと思って。
──いいこと言ってるじゃないですか!
最愛 そういうことがあったから、花の子モアモア(ブログ)でいま花のこと勉強中です。
──なるほど。私も飛んで行きたい。
最愛 成長して飛んで行きたいです。
──そんな詩的な表現が出てくるとは思わなかったです。
最愛 やった! カッコいい?
──カッコいいかどうかはともかくとして、アイドルとして完璧な表現ですね。アイドルらしいと言われることは多いですか?
最愛 たぶん見かけはアイドルらしいって言ってもらいます。中身はオッサンって言われます。
──その中身のオッサンぶりがそんなに伝わってなかったんで。
最愛 そうですよね、緊張しちゃうんですよ。
──人見知りしてる限りはアイドルに見える(笑)。
最愛 そうですね。静かにしてるあいだは(笑)。緊張してお腹痛くなっちゃうんですよ。初めての東京アイドルフェスティバルのときとか、お腹痛くてもう死にそうでした。
──そこもアイドルらしいですよ! 今日は緊張しました?
最愛 緊張して全然しゃべれなかったです。あと顔が引きつっちゃったりしてたので、次に会ったときもっとしゃべりたいなって思います。
──素もなかなか出せず。
最愛 はい。だから悲しいです。もっと出せばよかった。
──しょうがないですよ。あんまりこういう機会もないじゃないですか。よそのグループの人とこうやって仕事するのって初めてですか?
最愛 東京アイドルフェスティバルのコラボユニットとか以外は初めてです。ゆりゃちゃんとぁぃぁぃちゃんに次またイベントとかで会えるのが楽しみです。
* * *
【Cheeky Parade・鈴木友梨耶ソロインタビュー】
──記事のメインは座談会なので、単独取材は雑談みたいな感じで。
ゆりゃ 雑談大好きです! しゃべるの大好きなんで。
──休憩中にギターずっと弾いてましたけど、練習中なんですよね?
ゆりゃ そうなんです。ずっとギターやりたくて、今回チャレンジする機会があったので。
──ビートルズのカヴァーとかやってるみたいですけど。
ゆりゃ あ、ブログ読んでくださってるんですか? ありがとうございます。
──無茶苦茶聴きたいですよ、それ。アイドルが歌うビートルズなんていいに決まってるじゃないですか。
ゆりゃ ホントですか? コードを覚えたんで、ちょっと遊んでみよっかって感じでビートルズさんの曲をちょっと弾いたんですけど。でも…。
──なんですか?
ゆりゃ 簡単でした(あっさりと)。
──ダハハハハ! そうでしたか(笑)。
ゆりゃ 生意気なこと言ってみました(笑)。
──全然大丈夫です。そういう役割ですからね。グループ自体が生意気キャラなわけですけど、無理してキャラを作ってる部分はあるんですか?
ゆりゃ おっと! ライブが小生意気なんです。
──普段のトークとかは?
ゆりゃ …がっ、頑張ってないですよ、そんな。
──ナチュラルに生意気な話が出てくる。
ゆりゃ はい。
──まあ、生意気を求められますもんね。
ゆりゃ そうなんです…。特に私に求められるんですよね。
──なんでまた?
ゆりゃ 度胸があるからだと思います。
──みんな集まった場で前に出ていける人間ってそんなにいないじゃないですか。その担当になってるんですか?
ゆりゃ はい、爆発物担当みたいな。
──それはいまのところ問題はなく。
ゆりゃ そうですね、なんとか。でも、言ってるときすっごいビクビクしてます。
──ダハハハハ! しょうがないですよね、雑誌とかスポーツ紙の見出しになるようなこと言わなきゃいけないわけじゃないですか。
ゆりゃ そうなんですよ。小生意気なところは兼ね備えつつ、横に天使と悪魔がいるんですけど、天使が邪魔してくるんですよ、「そんなこと言ったらダメだよ」って。「いや、でも言わないとあかんでしょ」みたいな。
──天使が「炎上するよ!」みたいな忠告を(笑)。
ゆりゃ そうなんです。
──実際、実生活でもお姉ちゃん(メンバーの鈴木真梨耶の姉)なわけだから、お姉ちゃんって冷静なものを持ってなきゃいけないわけじゃないですか。妹は自由にやれても。お母さんとの板挟みになりながら、いろいろ調整する側ですもんね。
ゆりゃ ホントは甘えたいんですよ。でも妹もいるし、しかもチキパはみんな根が真面目だから。
──そうなんですか、小生意気集団なはずが。
ゆりゃ そうなんです…小生意気です…。
──小生意気だけど根は真面目なんですね(笑)。
ゆりゃ そうなんですよ…。
──お姉ちゃんだしあんまり出さないようにしてるけど、実はか弱い感じじゃないですか。
ゆりゃ そうなんですよ。友梨耶、お風呂でこっそり泣くんです。
──人前では涙を見せない。
ゆりゃ 見せない。ちょっと失敗したなと思うと、メンバーの前では泣かないし、家族の前でも泣かないし、お風呂でひとりで泣いてて、たまに妹に見つかって。
──家にメンバーがいるのもしんどいですよね。お風呂で泣くのはどういうときですか?
ゆりゃ 仕事がうまくいかなかったときとか、こうやって言えばよかったのになって後悔したときとか。
──泣けば忘れます?
ゆりゃ いや忘れないです。ホントに泣き虫だから、「泣いても絶対に頑張るしかないって答えにたどり着くのになー」って笑い泣きしたこともあります。
──逃げるかやるかしかないですからね。
ゆりゃ はい。でも意外って言われます。ホントは甘えるの好きなんですけど、恥ずかしくてできないんですよ。たまに我慢できないときもありますけど、人前で泣いちゃうときとか。
──グループでも甘えられる相手がいないわけですね。
ゆりゃ そうですね、しっかりしなきゃって気持ちはあります。だからちょっと先陣切っていかなきゃなって。
──「お姉ちゃんの私がやらなきゃいけない」と。
ゆりゃ はい、そういう気持ちはあります。
──ガンガンぶち込みましょうよ、「ビートルズなんてチョロい」とか。パンクバンドみたいじゃないですか。
ゆりゃ でも、ギターちょっと苦戦してます。今度お仕事でギター弾ける役をいただいたので。それでいま頑張ってるんです。
──ギターに興味はあったんですか?
ゆりゃ 昔からやりたいと思っていたんですけど、ギターって高いしすぐにできるもんじゃないから。レッスンも通わなきゃいけないし、なかなか手を出せずにいたら、今回、機会をいただいたので、これは絶対に特技にしてやるぞって気持ちで頑張っています。
──アイドルブームの中でチキパはどういう存在だと思ってますか?
ゆりゃ チキパは小生意気で攻撃的なアイドルではあるんですけど、アイドルの枠を乗り越えてやっていきたいです。かわいいだけじゃないんだぞっていう。
──いろいろ本音もぶちまけますよっていう。
ゆりゃ はい。飾らないアイドルになりたいです。
──いまアイドルの数がこれだけ増えて、アイドルの枠に収まらないアイドルも増えてるじゃないですか。
ゆりゃ そうなんですよ! ライバルが多いですね。ただ、やっぱり“小生意気”っていうコンセプトなので、自由になんでもできちゃうんですよ。「小生意気なんで」って言えばテヘペロで済んじゃうんです。
──言いにくい本音も言えちゃう感じの。
ゆりゃ チィキィなんで。あくまでもキャラですよってことで、やりやすいです(笑)。
──グループでの役割は特攻隊長的な感じに自然となったんですか?
ゆりゃ もともと怖いもの知らずというか、会社の偉い人にもティッシュ破いて顔に被せて「おはようございまーす!」ってやっちゃったりとか、みんなが「ちょっと!」とか言うような人にも入っていっちゃうんで、もともと度胸はあったんですよ。怖いもの知らずです。でも、オバケはダメなんですよ。
──ギャップ萌えですよ、それ。
ゆりゃ オバケとかゴキブリとかはダメです。
──小生意気な子がそういう弱いとこ見せるって、男が惚れるポイントですよ。
ゆりゃ おっ、やったぁ!
──この仕事やってて、どういうところで悩みますか?
ゆりゃ 歌が大好きなんですよ。だからうまく歌えないとすごい悩みます。チキパの曲って結構激しいので、ふつうに歌うぶんには気持ちよく歌えても、ライブで踊りながらだと息が切れちゃったりとかして、もっとちゃんと歌いたいのにって思ったり。でも、いまは女優さんもやりたいし、歌手もやりたいし踊りたいしっていろいろ考えています。とりあえずなんでもチャンスにはつかむ!って気持ちでアイドルのオーディションを受けてアイドルになったんですけど、最初はアイドルってわかんなかったし、アイドルってぶりっ子だからちょっとなって自分のなかで思ってて。
──本音も出しちゃいけないし、みたいな。
ゆりゃ でも実際アイドルになってみたら全然違って、なんでもありで。むしろアイドルって一番いいんじゃないかって思うところがあって。
──自分に何が向いてるかわかりやすい商売ですよね、いろいろ試すことができて。
ゆりゃ アイドルは自分のやりたいように好きにできるし、なんでもチャレンジできるから、一番自分に合っていると思います。あと小生意気ってキャラも、「これ言っていいのかな?」っていう、手探りでやってるんで悩みますね(笑)。
──一瞬頭の中に浮かんだものを自粛することも結構あるんですか?
ゆりゃ ありますあります! あと小生意気なことが浮かばなくて、素の感じでいると「あ、これじゃ使われない! 全然チィキィじゃない!」みたいな。
──いろんなアイドルが出るような場では無理して噛みつくわけですか?
ゆりゃ はい。そのとき心の中では「ごめんなさい…」って思いながら。
──ダハハハハ! 今日もたぶん座談会でそういう役割を求められますよね。
ゆりゃ うわーっ! じゃあ頑張らなきゃ。今日たまたまなんですけど、友梨耶はエビ中さんではぁぃぁぃさん推しで、さくら学院では最愛さん推しなんです。
──え、今日は自分の意思で来たんですか?
ゆりゃ 違います、偶然です! だからビックリしました。ゆり得です。
──ダハハハハ! 今日はただがっつきに来ただけ、みたいな。
ゆりゃ めっちゃうれしいんです。チキパもアイドル好きなメンバーが多くて、今日の話したらうらやましいって言われて。「え、友梨耶なんですか?」って自分で聞いちゃいましたもん。だけど今日、一緒にお話するふたりもすごいかわいいじゃないですか。ふたりとも天使なんで。だから生意気なこと言うのは無理です!
──ガツガツいくのって、それが向いてる場、向いてない場がありますからね。自分より年下のアイドル相手にそれやったら。
ゆりゃ ただの怖いお姉さんでしかないですよ。
──先輩に咬みつくとかならきれいにできるわけじゃないですか。
ゆりゃ ガブガブッと。チィキィは助けがあってできるものなんですよ。あと、友梨耶はかわいって言われないんですよ。
──アイドルになった以上、かわいいって言われたいですか?
ゆりゃ かわいいって言われたら誰でもうれしいですよ。だけど、たまに「かわいいね」って言われたりすると、もう恥ずかしくて「いやいやいや…もっとかわいい子いますから」ってなっちゃいます。
──もともとそんなに自信なかったんですか?
ゆりゃ 自分をかわいいと思ったことがなくて…。抵抗はあったんですけど、アイドルは昔からかわいくて好きだったんですよ。
──アイドル好きな人がアイドルグループに入るって、たまらない状況じゃないですか。
ゆりゃ はい、イェーイ! 楽しいですよ。かわいい子いっぱいいるし。
──それで自分のコンプレックス刺激されたりはしないですか?
ゆりゃ されますけど、でも、そういうのがあってこそ、もっとかわいくなれるのかなって。そういうのをバネにして。
──少しでもそこに近づけるように。
ゆりゃ はい!