34億4700万円賠償請求 田村森林組合「原木価値失われた」
田村森林組合は19日、東京電力福島第一原発事故で管内の原木林の価値が失われたとして、約34億4700万円の損害賠償を東電に請求した。同組合によると、立木の財物としての価値の賠償を求めるのは県内では初めてという。
同組合は田村市の船引町と常葉町、三春町を管轄する。管内の山林のうち、ナラなど広葉樹は原発事故前、シイタケ栽培などの原木として出荷されていた。
請求では、管内の原木は出荷を制限されており、試験伐採した木の放射性物質が国の基準値(1キログラム当たり50ベクレル)を超えたことなどから、全域で資産価値が失われたと主張。組合員約3400人のうち、同意書を出した1713人の所有する約2977ヘクタールについて請求対象とした。
対象面積は固定資産税の課税明細書などを基に算出した。1ヘクタール当たりの価値は、自然災害で支払われる森林国営保険の広葉樹の標準額を基に約115万円と算定した。
早川英二組合長が東電本店を訪れ、福島原子力補償相談室の向山稔浩副室長に請求書を手渡した。
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