2013年06月22日

★活動報告 第68回はけの森調査会<もっと知りたい!初夏のチョウ>

第68回はけの森調査会<もっと知りたい!初夏のチョウ>報告

13/06/02(日)9:30〜12:00 
曇り晴れ 気温22℃  参加28名
コース:野川公園入り口〜わき水広場


今年は5月28日に梅雨入りとなり、前日までは雨の予報が出ていたのですが、雨の気配も無く、気持ちの良い初夏の陽気となりました。

草むらの虫s.jpg
アッ、テントウムシ!

土手の草刈りがなされたばかりですが、刈りのこされた草むらには、小さな生きものがいっぱい。ナナホシテントウ成虫やナミテントウの幼虫・サナギ・成虫がいました。

シオカラトンボ♂1560s.jpg シオカラ♀0501s.jpg
シオカラトンボ♂(トンボ科)                  シオカラトンボ♀(トンボ科)      

川ぞいに、おなじみのシオカラトンボが飛んでいました。♀はその色あいからムギワラトンボと呼ばれています。生まれてからしばらくは♂も♀と同じような黄色い体色をしています。♂は成熟するにつれて白っぽい粉におおわれて塩がついているように見えることからシオカラと名がついたようです。

川岸を歩く.jpg
なにかいそうだぞ・・・

川の水量がへっているので、川底を歩けるところもあります。探索(たんさく)しやすけれど、水の量はもっと増えてほしい。

アゲハ×2吸水s.jpg
アゲハ(ナミアゲハ)♂(アゲハチョウ科) 

中洲(なかす)でアゲハ♂が2頭、吸水していました。テングチョウもまわりを飛んでいました。

アシナガバチs.jpg
コアシナガバチ(スズメバチ科)巣作り中 巣の高さ約15mm

草かげのフェンスにコアシナガバチが巣作り中。冬を越した女王が1匹で巣作りをして卵を産み、やがて生まれた働き蜂たちが巣作りや子育てをするようになり、ハチの巣はどんどん大きくなっていきます。

アカシジミ見てるcs.jpg
あそこにいる!

やなぎ橋を渡ったところにあるクリの花が咲きはじめています。この花が咲く頃が平地のゼフィルスの季節。J.W.隊員が葉っぱの茂みの中の小さな赤いチョウを見つけました。アカ?ウラナミ?双眼鏡でよく見るとアカシジミでした。みんなでさがしていると、あそこにもいる!とウラナミアカシジミも2頭見つかりました。

アカシジミ9001s  .jpg
アカシジミ(シジミチョウ科)
ウラナミアカシジミs.jpg
ウラナミアカアカシジミ(シジミチョウ科)

クリの木のアカシジミとウラナミアカシジミは遠すぎて写真に撮れなかったので、別の場所で撮った写真を載せます。その後、わき水広場で両方共採集でき(観察後放す)、間近に見ることができました。

観察園の中s.jpg
ウワー、ケムシがいっぱい!

マイマイガ幼虫×5cs.jpg      ジャコウアゲハ幼虫s.jpg
マイマイガ(ドクガ科)幼虫              ジャコウアゲハ(アゲハチョウ科)幼虫

自然観察園の中に入りました。あちこちの木の幹にマイマイガの幼虫がおどろくほどたくさんいました。このガの幼虫はさまざまな木を食樹としていて、ここ2〜3年大発生です。1令幼虫の毛にだけ毒があるとのことです。
ジャコウアゲハの幼虫も
植栽(しょくさい)してあるウマノスズクサにたくさんいました。

ミドリシジミ♀s.jpg
ミドリシジミ(シジミチョウ科)♀

小金井では、ハンノキがあるここにだけミドリシジミが生息しています。短時間の探索だったので、見ることができたのは数人だったようです。

 ルリシジミcs.jpg
ルリシジミ(シジミチョウ科)

表ばねは水色で、飛んでいる時はヤマトシジミに似て見えますが、裏ばねの黒班(こくはん=黒い点)が少なめで、全体に白っぽい印象です。
平地性ゼフィルスのウラゴマダラシジミもちょっとにていますが、ここにはいません。食樹のイボタノキがあるので、そのうちやって来るかもしれません。

コムラサキ8971s.jpg
コムラサキ(タテハチョウ科)♂

エノキの茂みの中をコムラサキが飛んでいました。コムラサキ幼虫の食樹はヤナギなので、ヤナギのまわりを飛んでいることが多く、また樹液に来ているのを見かけます。

わき水広場草原s.jpg
大きなバッタだ!

わき水広場ではしばらくフリータイム、虫たちのために刈り残してある草むらでバッタやチョウと採ったり、わき水の流れで水の中の生きものを採ったりしました。

水槽見てる.jpg  チョウ判定s.jpg
オニヤンマのヤゴがとれたよ                     これはなんていうチョウ?

つかまえたものを皆で見ながら説明を聞いたあとは、元の場所にもどしました。
上記以外に観察したものは、ミズイロオナガシジミ・モンキチョウ・ヒメウラナミジャノメ・ヤブキリ幼虫・
ヒメギス幼虫・ツチイナゴ・ヨコヅナサシガメヘビトンボのなかま・アリジゴク(ウスバカゲロウ幼虫)・オニヤンマ幼虫×3・カワゲラのなかま幼虫カゲロウのなかま幼虫ホトケドジョウニホンカナヘビ等でした。
たくさんのチョウやいろいろな生きものたちと楽しく過ごした半日でした。

☆写真は、特別隊員T.K.氏にご協力をいただきました。
  
posted by はけの森調査隊 at 09:51

2013年05月31日

★活動報告 2013第2回はけの森ミニ調査会

第2回はけの森ミニ調査会 
2013/5/19実施 はけの森2にて  曇り  気温22℃  参加8名 


遠景.jpg

緑が深くなってきたはけの森緑地2、曇りがちな天気ではありましたが、ときおりチョウも飛び、木のかげや草むらでいろいろなものを観察しました。

ナミテントウ♂♀s.jpg
ナミテントウ♂♀(テントウムシ科)

N.Y.隊員が見つけたナミテントウの♂と♀、上の小さい方が♂です。♂は時々身体をプルプルとふるわせています(♀に精子を送りこんでいる)。これを何度もくりかえしながら、少しずつ葉の上を動いています。このようすがとてもユーモラスで皆でずっと見ていました。

シロダモの葉にs.jpg
シロダモ(クスノキ科)には生きものがいっぱい

シロダモには、テントウムシ類のサナギや成虫、アカスジキンカメムシ幼虫、ヒメミドリウンカ等、いろいろな生きものがいました。

テントウムシ蛹2種8249s.jpg
 シロジュウシホシテントウ蛹8261s.jpg ナミテントウ蛹8255s.jpg
シロジュウシホシテントウ蛹        ナミテントウ蛹

シロジュウシホシテントウ8505s.jpg ナミテントウ8503s.jpg
シロジュウシホシテントウ 5mm 130523羽化  ナミテントウ 7mm  130524羽化

持ち帰って観察を続けていたサナギ2種、黄色っぽいサナギが羽化したので調べたら、シロジュウシホシテントウと判明。片方の羽の白紋が頭の方から1・3・2・1と並んでいるのが特ちょう。
うす茶色の地に白い
斑紋(はんもん)のあるテントウムシは、シロジュウゴホシテントウとかムーアシロホシテントウとか、にたようなテントウムシがいろいろいますが、白紋の数や並び方がちがっています。このなかまは、うどんこ病菌(きん)を食べます。
ナミテントウのサナギからは、とてもきれいな斑紋のものが羽化しました。
ナミテントウは、サナギが同じもようなのにいろいろなもようの成虫が出るのでおもしろい。

ユズリハの中s.jpg
ユズリハ(トウダイグサ科)にもいろいろな小さな生きものがいた

クワワタカイガラムシcs.jpg ヒラタアブのなかま8063s.jpg
クワワタカイガラムシ(カタカイガラムシ科)6mm    ヒラタアブのなかま(ハナアブ科)約11mm

ヤゴ調べs.jpg
イトトンボのヤゴだ

池の生きもの調べ。クロスジギンヤンマの羽化殻が5こありました。5月初め頃に羽化したと思われます。ヤブヤンマ幼虫×3、クロイトトンボ幼虫もいました。

ザリガニだよ.jpg クロスジギンヤンマ羽化殻9760s .jpg
アメリカザリガニ、♂かな♀かな?     クロスジギンヤンマの羽化がら

ガとアリcs.jpg ハナアブ幼虫css.jpg
 アリにおそわれているガ         ハナアブのなかまの幼虫 身体約15mm

S.A.隊員の網に入った不気味に動く物体・・・「何コレ?」。シュノーケルのようになっているシッポ(呼吸管)の先を水面に出して呼吸いるとのこと。ハナアブのなかまには、幼虫が水中で育つ(エサは水中の有機物(ゆうきぶつ=落ちばや虫の死がいなど)ものと、陸上で育つ(エサはアブラムシorカイガラムシなど)ものがあります。
いろいろな生きものそれぞれの「今のようす」をのぞくことができた
半日でした。
    
posted by はけの森調査隊 at 09:56

2013年04月30日

★活動報告 2013第1回ミニ調査会 

第1回はけの森ミニ調査会 
2013/4/14実施 はけの森2にて  晴れ  気温20℃  参加16名 


カラタチ花5808cs.jpg
カラタチ(ミカン科)

寒い日や強風の日が多い4月上旬でしたが、新年度初の調査会は、暖かな調査会日和となりました。カラタチの新芽も伸び、花の香りがほのかにただよっています。

朽木の生きものさがし.jpg
このへんにいそうだけど・・・

緑地のすみに置いてあるくち木の中の生きものさがし、木のくち具合によって、住んでいる生きものがちがいます。つんであった木材が年月を経(へ)てほとんどバラバラになり、まわりの樹木も整理されたので以前より日当たり良くなっているため、あまり生きものがいませんでした。

     シラホシコヤガ繭5717s.jpg        シラホシコヤガ幼虫5714cs.jpg
シラホシコヤガ(ヤガ科)マユ 約10mm    シラホシコヤガ幼虫 約8mm

梅の木の虫さがしs.jpg

梅の木には、この緑地で毎年見られる、シラホシコヤガの幼虫と空マユがありました。幼虫で越冬し5月半ばごろにマユを作ってサナギになります。空きマユはそのまま残っていて、マユの方が目立ちます。
今年の第67回調査会では、野川公園の自然観察園のハンノキにいるのを観察しました。それぞれ少しずつちがう形をしています。
2010.11.19の記事参照

      
ミノムシ3種5790s.jpg
ヒメミノガ・クロツヤミノガの幼虫(2種ともミノガ科)

物置の後ろにたくさんの小さなミノムシがついていました。写真に写っていませんが、下の方にとても小さくて目立たないヒロズミノガ幼虫いました。

   ヒメミノガsp5779s.jpg                        ヒロズミノガ5798s.jpg   
ヒメミノガのなかま 蓑の大きさ8〜10mm   ヒロズミノガ幼 蓑の大きさ約7mm

ヒメミノガはミノに草の細い茎(くき)を何本も平行につけ、クロツヤミノガは、小さな葉や木ノ皮のかけらをピッタリつけ、ヒロズミノガは砂つぶや地衣類(ちいるい)をつけています。

カタツムリ撮ってるs.jpg
あんなところにカタツムリがいるよ!

ミスジマイマイs.jpg アカホシテントウ幼虫5738s.jpg
ミスジマイマイ(オナジマイマイ科) アカホシテントウ(テントウムシ科)幼虫
       
ツマキチョウ6051s.jpg ハラナガバツチバチのなかまss.jpg
ツマキチョウ(シロチョウ科)  ハラナガツチバチ(ツチバチ科)のなかま

まとめs.jpg
陸上の生きもののまとめ 

アカハネムシ5645s.jpg
ヒメアカハネムシ(アカハネムシ科)体長10mm

M.I.隊員が見つけたヒメアカハネムシ、竹を登っていたとのこと。あとで、くち木にのせて撮りました。

クロスジギンヤンマ等ヤゴs.jpg アシブトハナアブs.jpg
クロイトトンボ幼・クロスジギンヤンマ幼・ミズムシ  アシブトハナアブ(ハナアブ科)

水の中にいたものは、クロイトトンボ幼虫×1,クロスジギンヤンマ幼虫×5,ヤブヤンマ幼虫×1、ミズムシ×2,ミジンコたくさん。
小さな生きものをじっくりと観察した、春のはじめらしい調査会でした。

☆今回は、特別隊員のT.K.にたくさんの写真のご協力をいただきました。

   
posted by はけの森調査隊 at 12:07

2013年02月28日

★活動報告 第67回はけの森調査会<冬ごしの生きものはどこにいる?A>

第67回はけの森調査会<冬ごしの生きものはどこにいる?A>
13/02/17(日)9:30〜12:00 晴れ&曇り 気温8℃  参加14名
コース:野川公園入り口〜わき水広場

野川公園入り口なら橋からcs3973.jpg
野川公園入り口付近 130217

とても寒い1日でしたが、あちこちの目立たないところでひっそりと冬ごししている生きものたちを見ながら、楽しく歩きました。

アブラコウモリ3968s.jpg
アブラコウモリ<イエコウモリ>(ヒナコウモリ科)越冬中 頭胴長約5cm

集合場所付近の野鳥観察コーナーの塀(へい)に、コウモリがいました。

アブラコウモリ1292s.jpg アブラコウモリ顔1291s.jpg
アブラコウモリ        撮影N.S.

2/12の下見の際に見つけ、その後時々見に来たようすでは、上のすき間にもぐりこんでいる日もあり、ここで冬眠しているようです。夏の夕方飛んでいるのは時々見かけますが、こんな風にジッとしているのを見たのは初めて、皆の感想は「かわいいねー」。

オオカマキリ卵鞘見てるs.jpg オオカマキリ卵鞘cs.jpg
このへんによくいるのは、ここに出ている3しゅるい・・・   オオカマキリ卵鞘

川ぞいのかれ草の茎にオオカマキリの卵鞘(らんしょう)がありました。
このあたりにはギシギシ(タデ科・ベニシジミ幼虫の食草)がたくさん生えているので、ベニシジミの幼虫さがしをしました。ようやく終令幼虫
1匹を見つけました。

観察園を過ぎて.jpg
何かいるかな?

川ぞいは冷たい風が吹いていましたが、子供たちは元気に虫さがしです

コムラサキ見てるs.jpg   コムラサキ幼虫4111ss.jpg
やっと見つかったね!                       コムラサキ(タテハチョウ科)幼虫 9mm

冬の調査会恒例(こうれい)のコムラサキ幼虫さがし。
この冬は、2012.11.20にちょうど幹を下って来る幼虫に遭遇(そうぐう)したのですが、その後定着場所が見つからずにいました。この日、皆でさがしたところ、隊員のJ.W君(中2)が1匹発見、とても見つかりにくい樹皮(じゅひ)のひだにさかさまにピッタリとくっついて越冬していました。11.20の幼虫と同じでしょうか

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コムラサキ越冬幼虫目覚める
第64回はけの森調査会<冬ごしの生きものはどこにいる?>

コムラサキ越冬幼虫2011   コムラサキ越冬幼虫2010
第58回はけの森調査会(コムラサキ幼虫初発見)

自然観察園3999.jpg
自然観察園

自然観察園にはハンノキがたくさんあり、少ないながら毎年6月にはミドリシジミ成虫が見られます。卵をさがしてみましたが見つかりませんでした。

シラホシコヤガ3981c.jpg シラホシコヤガ繭3985c.jpg
シラホシコヤガ(ヤガ科)幼虫     シラホシコヤガ(ヤガ科)空きマユ

ハンノキの緑白色コケ(地衣類)の間に、シラホシコヤガの幼虫がいました。コケとほとんど一体化しています。シラホシコヤガについては2010年11月・はけの森での記録をご参照ください。
追記(130320) この幼虫によく似ているキスジコヤガ幼虫の記事が載っているサイトもご参照ください:動く地衣類 キスジコヤガの幼虫 

ジョウビタキ♀4047s.jpg
ジョウビタキ♀(ヒタキ科)

ジョウビタキの♀がいました。♂にくらべて全体にうすい色をしていますが、飛ぶとオレンジの部分が目立ちます。中国西部やシベリアから冬鳥として日本にやって来て、春は早めに帰ります。野川公園では、例年に増してたくさんの種類の野鳥が観察されているようです。

ゴマダラチョウ探し@s.jpg ゴマダラチョウ探しA.jpg
おち葉が少ないねえ・・・

エノキのおち葉の裏で越冬しているゴマダラチョウ幼虫さがし。今回は見つかりませんでした。

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第58回調査会(100220実施)で観察したもの 
ゴマダラチョウ 幼虫からサナギへ  ゴマダラチョウ羽化


ホトケドジョウなど3810.jpg
ホトケドジョウ・ガガンボsp幼虫カワニナ・カワエビsp・・フタツメカワゲラ幼虫

わき水広場の流れの中には、いろいろな生きものがました。夏の調査会では、水の中の生きものをゆっくり観察する予定です。



posted by はけの森調査隊 at 10:24

2012年12月27日

★活動報告 2012第4回ミニ調査会

第4回はけの森ミニ調査会 
2012/11/11実施 はけの森2にて  晴れ  気温15℃  参加7名 

はけA121111s.jpg
はけの森緑地2 121111

だいぶ秋めいて、飛び交うものもいないはけの森2ですが、じっくり見ているといろいろな生きものを発見できます。

木の根元調べ.jpg
なにかいそうだよ!

木の根元をさぐると、クモ類がはい出して来たり、また、コガネムシ類の幼虫などもいました。ウメの木には、シラホシコヤガの空マユがついていました。

朽ち木見てる.jpg
これは虫のたまごかなあ? 

昨年〜昨年、カブトムシの幼虫が見つかった場所(丸太積みがボロボロに朽ちている)はもうエサなるようなものがなくなったのか、カブトムシは見つからず、ハサミムシやサシガメのなかまがいました。

コミズムシ2333s.jpg
コミズムシ(ミズムシ科)sp. 約5mm

池の生きもの調べでは、この池では初めてのコミズムシを発見。チョロチョロと元気よく泳ぎ回って、「かわいい、かわいい」とたちまち人気者。このなかまは、風船虫とよばれ、小さな紙切れを入れると、それにつかまって浮き上がって来ると聞いていたので、紙切れを入れて試してみました。はじめ、大きすぎる紙を入れてしまい、少し持ち上げがるところしか観察できずに時間切れとなってしまいましたが、次回見つけたら、もっと小さな紙を入れてゆっくり観察してみようと思っています。
参考 http://kids.tokyo-shoseki.co.jp/kidsap/downloadfr1/htm/err40909/err44132-66.htm

クロイトトンボ若令幼虫2269s.jpg
クロイトトンボ(イトトンボ科)若令幼虫 

クロイトトンボのヤゴも2匹いました。細くてきれいな緑色、とても若いので弱々しい感じです。5月頃羽化します。当日は、オオアオイトトンボのヤゴかと勘違いしてしまいましたが、写真をよく見ると尾鰓(びさい=しっぽ)のもようや頭の形がちがうし、オオアオイトトンボは、卵越冬でした。

ヤゴ調べs.jpg
ヤブヤンマ幼虫とクロスジギンヤンマの幼虫、目の形をくらべてみよう

その他、クロスジギンヤンマのヤゴ×2とヤブヤンマのヤゴ×1、ミズムシなどがいました。クロスジギンヤンマは5月はじめごろに、ヤブヤンマは6月はじめごろの羽化、今は大きさがだいぶちがいます。


posted by はけの森調査隊 at 11:16

2012年09月15日

★活動報告 2012第3回ミニ調査会

第3回はけの森ミニ調査会 
2012/09/09実施 はけの森2にて  晴れ  気温32℃  参加6名 

9月に入っても、相変わらずの残暑、はけの森では、アブラゼミやミンミンゼミが鳴き、何種ものトンボが飛び、時おりチョウも飛んで来ていました。


リスアカネ2142cs.jpg
リスアカネ♂(トンボ科)

この時期(8月〜10月)、緑地の池に毎年居すわっているアカトンボがいます。もちろん、新世代に毎年入れかわっているのですが、同じ竹棒に同じようにとまっています。(リスアカネにについては 2010年9月2011年9月ご参照下さい。)オオアオイトトンボもあちこちにいました。

ナガサキアゲハ♀2020s.jpg アゲハ2令幼虫2112s.jpg
ナガサキアゲハ(アゲハチョウ科)   アゲハ(アゲハチョウ科)2令幼虫

カラタチの茂みにナガサキアゲハがフワリとやって来ました。産卵したように見えたのですが卵は見つからず、アゲハの幼虫2匹を発見。2009.9.10実施の第3回ミニ調査会でもナガサキアゲハ♀を観察しています。

まてーっ!P9090009.jpg
まてーっ!

チョウは、アゲハクロアゲハコミスジ・イチモンジセセリを観察。

キマダラカメムシ終令幼虫2115s.jpg
キマダラカメムシ(カメムシ科)幼虫 15mm カリン

カラタチ・ウメ・カリン等の木に、若令〜終令まで、いろいろな大きさのキマダラカメムシ幼虫を発見。昨年9月にこの緑地ではじめて見かけ、びっくりして調べたところ、東南アジアから帰化したカメムシで、九州にしかいかったのだが、最近は関東地方でも見られるようになったとのことでした。その時はたった1匹しか見当たらなかったのですが、だいぶ増えているようです。

キマダラカメムシ2098s.jpg
キマダラカメムシ成虫 22mm 120913 ウメ

調査会の日は、幼虫しか見あたりませんでしたが、4日後に成虫を発見。幼虫とはずいぶんとちがう形をしています。

コノシメトンボ2028s.jpg
コノシメトンボ♀(トンボ科)

コノシメトンボもリスカネのように、羽の先が黒いので見まちがいやすいのですが、胸のもようがちがい、また♂は胸まで真っ赤になります。(リスアカネは腹だけ)。♀は赤くならず、眉斑(びはん=鼻さきみたいなところにある黒い丸点
)があリ、リスアカネは♂♀両方とも眉斑がありません。

ナツアカネ胸のもよう2037s.jpg リスアカネ胸の模様2036.jpg
ナツアカネ♂(トンボ科)        リスアカ♂(トンボ科)

じっくり胸のもようを観察。この2種は、胸のもようが似ていますが、ナツアカネは羽が全部透明なので、見分けはすぐつきます。

アキアカネ♂胸3253s.jpg
参考:アキアカネ (トンボ科) 中央のスジが先細りに切れる・赤くなるのは腹だけ

アブアラゼミ羽化殻2128s.jpg
アブラゼミ(セミ科)羽化殻 約35mm

毎年とてもたくさんのアブラゼミのぬけがらが見つかります。特に、カヤの木に一番多くついています。

ツクツクボウシ6179s.jpg
ツクツクボウシ(セミ科)羽化殻 約25mm

ツクツクボウシのぬけがらも、数は少ないれど、毎年見つかります。

セミのぬけがら調べ9090004s.jpg
セミの羽化がら調べ 「こんなにしみじみ見たの、はじめて・・・」

緑地内のセミのぬけがらを集め、一見似ている<アブラゼミとミンミンゼミ><ツクツクボウシとヒグラシ(これのみ見本に持参した)>を、検索表(けんさくひょう)を使って見分けました。触角が重要ポイントです。

ヤゴ調べ9090014s.jpg クロスジギン・ヤブヤンマ幼9090017s.jpg

少しだけ池の生きもの観察をしました。クロスジギンヤンマ(左)とヤブヤンマ(右)1匹ずつを観察。見分けのポイントは、目の形。クロスジギンの羽化の時期の方が早いので、大きさに差があります。
今回は、似ている生きもの達の見分け方をじっくり調べることができ、ミニ調査会ならではの半日でした。

posted by はけの森調査隊 at 09:42

2012年08月10日

★活動報告 第66回はけの森調査会<トンボやヤゴはどこにいる?A> 

第66回はけの森調査会<トンボやヤゴはどこにいる?A>
12/07/22(日)9:30〜12:00 晴れ 気温22℃  参加18名
コース:野川公園入り口〜わき水広場

歩きはじめは小雨もようでしたが、じきに雨もやみ、夏にしては涼しめの調査会となりました。子ども達は
元気いっぱい、バッタやチョウをおいかけて、楽しい夏休みの幕あけとなりました。

網でバッタとりcs.jpg
あそこにもいるよ!                             

バッタつかまえた!s.jpg 網に虫入れるs.jpg
なにがとれた?                     にがさないように・・・                 

オンブバッタ♀4549.jpg
オンブバッタ♀(バッタ科)

虫つかまえてる親子s.jpg
つぶさないように、そーっとね!                                                                 

スタッフの話を聞くs.jpg
アブラゼミの羽をよーく見たことありますか・・・?                               

     アブラゼミ羽化したて3431s.jpg         アブラゼミ3459s.jpg
     参考:昨年撮影したもの        参考:昨年撮影したもの

おなじみのアブラゼミ、よく見ると翅脈(しみゃく)の色はみどり色です。羽化したては、羽が白く、翅脈(しみゃく)の色はうすいみどり色、羽が茶色になっても、翅脈(しみゃく)の色はみどり色をしています。

いろいろな虫箱の中s.jpg ノコギリカミキリ手に持つs.jpg
いろいろとれたよ!                          ノコギリカミキリ(カミキリムシ科 ) 

しばらくは上の道を行き、次々にたくさんの生きものを見つけました。ショウリョウバッタ(多)・クルマバッタモドキ・エンマコオロギ・アブラゼミ・オオヒラタシデムシ(幼虫も)・モンシロチョウ・スジグロシロチョウ・モンキチョウ・ヤマトシジミベニシジミヒメウラナミジャノメアオダイショウなど。バッタ類は、この時期幼虫と成虫の両方を見られるものが多い。羽があるか無いかが見分けのポイント。
ノコギリカミキリはM.I.隊員が来る途中はけの森1そばで見つけたもの)

土手を行くs.jpg  川の中親子cs.jpg
草かりされたばかりの土手                                                          

やなぎ橋付近のわき水側溝(そっこう)あたりから下におりて、川の中の生きものさがしです。

網の中見てる2人s.jpg
またエビがとれたよ                                                                               

川の中4人s.jpg 水生昆虫を採る2人s.jpg
                                                                                               
アメリカザリガニs.jpg
オッ、つよいなあ〜              アメリカザリガニ(ザリガニ科) 

コオニヤンマ幼虫3181s.jpg ヒラタドロムシ幼・他3175.jpg
コオニヤンマ(サナエトンボ科)幼虫  シロタニガワカゲロウヒラタドロムシ    

その他水の中には、オニヤンマのヤゴ・カワニナ・ミナミヌマエビ等がいました。

ハグロトンボ♂.jpg
ハグロトンボ(カワトンボ科)

川の中からは、ハグロトンボがあちこちをキラキラと飛んでいるのがよく見えました。

ウスバキトンボ.jpg
ウスバキトンボ(トンボ科)

川べりの草むらには、ウスバキトンボ・キタテハツマグロヒョウモンなどがいました。

ニイニイゼミ羽化s.jpg
ニイニイゼミ(セミ科)羽化                                                                      

終点のわき水広場で、J.W.隊員が羽化中のニイニイゼミを発見。羽化が完了するまでみんなで見守りました。このヤマグワの幹にはニイニイゼミのぬけがらがたくさんついていました。ウスバカゲロウの成虫(幼虫はアリジゴク)が杭にとまっていました。

アブラゼミ・ニイニイゼミのぬけがら.jpg ホトケドジョウ3201S.jpg
ニイニイゼミ・アブラゼミのぬけがら   オニヤンマ幼虫・ホトケドジョウ   

ニイニイゼミシルエットと子供2人s.jpg
                                                                                                           
わき水の流れでは、オニヤンマ幼虫・ホトケドジョウ・フタスジモンカゲロウ幼虫・カワニナなどを観察しました。
はじめて出会った友だちとも仲良く一緒に、いろいろなものをさがしたり採ったり、時間が足りないくらいの調査会でした。

☆写真は、特別隊員のT.K.氏とS.U.君にご協力いただきました。

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2012年06月30日

★活動報告 2012第2回はけの森ミニ調査会

第2回はけの森ミニ調査会 
2012/06/10実施 はけの森2にて  晴れ  気温26℃  参加8名 

前日の
6月9日に関東地方は梅雨入りしましたが、この日は朝から好天に恵まれ、観察日和となりました。

網を持ってs.jpg
クロアゲハ、にげちゃった!

ジャコウアゲハの卵6548s.jpg ジャコウアゲハ若令幼虫0954s.jpg
ジャコウアゲハ(アゲハチョウ科)の卵  ジャコウアゲハ若令幼虫

ウマノスズクサには、ジャコウアゲハの卵や幼虫がたくさんついていました。卵は葉裏や新芽に産みつけらることが多く、数個かたまってついていることもあります。S.I.さん曰く「ルーペで見ると、宝石よりきれいで神秘的!」

カラタチの後にP0008s.jpg
アゲハの幼虫いるかなー? (カラタチの植え込み)

実生の小さな苗だったカラタチは、垣根のようになっています。この日幼虫は見つかりませんでしたが、アゲハやナガサキアゲハなどの幼虫がいることもあるので、通りがかった時はさがしてみてください。

クロアゲハ若令幼虫7331s.jpg クロアゲハ幼虫見てる.jpg
クロアゲハ(アゲハチョウ科)若令幼虫

樹林地(じゅりんち)のナツミカンの葉に、クロアゲハの幼虫がいました。
 
シロテンハナムグリ0964s.jpg
シロテンハナムグリ(コガネムシ科)22mm

M.I.君が見つけたシロテンハナムグリ、樹液(じゅえき)や果実や花などに来ます。幼虫はやわらかくなったくち木や腐葉土(ふようど)の中にいます。

ヤブヤンマ終令幼虫0550s.jpg ヒキガエル幼体0525s.jpg
ヤブヤンマ(ヤンマ科)幼虫       アズマヒキガエル カエルになりたて

池の中にはヤブヤンマの幼虫がいました。翅芽(しが=成虫になったとき羽になる部分)が円筒状(えんとうじょう)にふくれ、色も変わって来ているので、羽化が近い。水草や竹の棒には、ヤブヤンマ×5、クロスジギンヤンマ×3のぬけがらがついていました。また、羽化したばかりで、まだうすい茶色をしたクロイトトンボもいました。緑地の草むらには、オタマジャクシからカエルになったばかりのアズマヒキガエルが無数にピョンピョンとんでいました。

  
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2012年06月11日

★活動報告 第65回はけの森調査会<チョウたちはどこにいる?A>

第65回はけの森調査会<チョウたちはどこにいる?A>
12/05/27(日)9:30〜12:00 晴れ 気温27℃  参加20名
コース:野川公園入り口〜わき水広場

川べりを行くs.jpg

今年は天候不順で、暖かい日があったと思うと急に寒くなり、豪雨・竜巻、明日の天気も予測しにくいような日々でした。生きものの出現も、平年のおよそ2週間くらい遅れているものが多いようです。
この日は天候に恵まれ、緑いっぱいの野川に沿っていろいろな生きものを見ながら歩きました。
ヨコヅナサシガメ9893s.jpg アオサギ6863s.jpg
ヨコヅナサシガメ(サシガメ科)      アオサギ(サギ科)

歩きはじめてすぐ、何本かの木のあちこちに、ヨコヅナサシガメがいました。第64回調査会<冬ごしの生きものはどこにいる?>(120219実施)では、幼虫が集団越冬しているのを見ているので、それらが成虫になったのでしょう。我々を出むかえるように橋のそばにアオサギがたたずんでいました。近年よく見かけるようになった大型のサギです。野川はエサが豊富なようで、サギのなかまがよく来ています。

ヒメウラナミジャノメ0661s.jpg
ヒメウラナミジャノメ(タテハチョウ科)

ヒメウラナミジャノメは今が最盛期、川べりのあちこちを飛んでいました。

見つけた!12059s.jpg ヒメギス幼虫12056.jpg
これはなんだ?             ヒメギス(キリギリス科)幼虫

アオスジアゲハ若令幼虫s.jpg シオカラトンボ♀0484s.jpg
アオスジアゲハ(アゲハチョウ科)若令幼虫   シオカラトンボ(トンボ科)♀

観察センター西側のシロダモにはアオスジアゲハの幼虫、川べりをシオカラトンボが飛び、草原にはバッタのなかまの幼虫たちがたくさんいました。

ナナフシだ!.jpg
かわいいねえ! 

ナナフシモドキの幼虫です。細く弱々しい身体でユルユルと歩いて行きます。

コクワガタと樹液に集まる虫達.jpg
コクワガタ♀といろいろな虫たち

シダレヤナギの上の方にコクワガタ♀を見つけました。高くて良く見えなかったのですが、あとで写真見たらいろいろな小さな虫が写っていてびっくり。
虫の種類を知りたい方は、スタッフN.S.氏が作成したこちらの図解画像をどうぞ。  juekisakaba.pdf


自然観察園入り口s.jpg
自然観察園入り口

自然観察園の中に入りました。

アカシジミcs.jpg コミスジs.jpg
アカシジミ(シジミチョウ科)      コミスジ(タテハチョウ科)

アカボシゴマダラ春型0401s.jpg テングチョウ5918cs.jpg
アカボシゴマダラ(タテチョウ科)春型   テングチョウ(タテチョウ科)

観察園の中には、ちょうど下草におりているアカシジミがいました。フワリと飛んで行く大型の白いチョウは、アカボシゴマダラ。木の上の方にいたテングチョウ。今年はアカボシマダラ・テングチョウの発生が多いようです。

サナギ殻コレクションs.jpg これどこにいたの?.jpg
アカボシゴマダラのサナギがらだよ    これどこにいたの?

終点のわき水広場では、しばらくの間フリータイム、草原や水の中でいろいろな生きものを見つけました。採集したものを集めて説明を聞いたあとは、もとの場所に戻しました。この広場で見たものは、ツマグロヒョウモン・サラサリンガ幼虫・シオカラトンボ・ツチイナゴ幼虫・ベニカミキリオニヤンマ幼虫・カワニナ・サワガニ・など。
その他、コース内では、キタキチョウヤマトシジミ
ウンモンスズメヒゲナガガのなかま・マイマイガ幼虫チャミノガ幼虫オオトビモンシャチホコ幼虫・ムシヒキアブのなかま・オオアメンボなどを観察しました。
昨年の春の第62回調査会<チョウたちどこにいる?>(110605実施)より、チョウの数は少なめでしたが、いろいろな生きものに出会えた楽しい調査会でした。

☆写真は、特別隊員のT.K.氏、S.U.君にご協力いただきました。
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2012年04月17日

★活動報告 2012年度 第1回はけの森ミニ調査会

第1回はけの森ミニ調査会 
2012/04/08実施 はけの森2にて  晴れ  気温14℃  参加12名 

新年度第1回目のミニ調査会です。おだやかに晴れて気持ちの良いお花見日和となりました。はけの森2のソメイヨシノもほぼ満開です。

はけのサクラ4080033.jpg
ソメイヨシノ 120408

   アカボシゴマダラ越冬幼虫0002.jpg    アカボシゴマダラ幼虫8328.jpg
   アカボシゴマダラ越冬幼虫   120408   アカボシゴマダラ5令(終令)幼虫 120415

10時の開門を待つ間に、実生の小さなエノキにひっそりとくっついているアカボシゴマダラの越冬幼虫を見つけました。
この時はまだ越冬中で、たったの15mmだったのですが、1週間後に行って見ると、脱皮して30mmにもなっていて、葉を食べに出かけては、またこの位置にもどっていました。こうして繁殖(はんしょく)していること自体問題のあるチョウ、越冬中は枝に、脱皮後は若葉にまぎれているようすには参ってしまいます。


朽ち木の中の虫さがしs4080015.jpg

まずは、朽(く)ち木のある場所で虫さがし。9年前に積んだトチノキの丸太がだんだんに朽ちて、ボロボロになっています。それぞれにいろいろなものを見つけました下の方の湿った部分にはカブトムシの幼虫が数匹いました。

エグリゴミムシダマシ4080007s.jpg ナメクジの卵4080011s.jpg
エグリゴミムシダマシ(ゴミムシダマシ科) ナメクジ(ナメクジ科)の卵

マクラギヤスデ8453s.jpg オオスズメバチ女王s4080012.jpg
マクラギヤスデ(シロハラヤスデ科)約20mm    スズメバチsp.女王越冬中

丸太積み8459s.jpg
去年積んだ丸太積みと1本だけ残っている9年前の丸太

緑地内には、数カ所に丸太が積んでありますが、朽ち方の度合いによって、いろいろな生きものが棲息(せいそく)しています。次世代用に、昨年春の第1回ミニ調査会(110402実施)では新たに丸太積みを作りました。丸太積みの材は、この緑地内か小金井市内で伐採(ばっさい)されたものです。

シラホシコヤガ幼虫8408s.jpg シラホシコヤガ空繭836s*.jpg
シラホシコヤガ(ヤガ科)幼虫 約8mm  シラホシコヤガ空まゆ 約10mm

皆がいちばんびっくりしたのは、梅の木に居たシラホシコヤガの幼虫です。「コケにしか見えないけど・・・」と、S.A.さんが小枝に移してみると、
クニャっと動いたので、「ア、虫だ」と皆納得。この虫が緑地に棲息していることに気がついたのは、一昨年の第4回ミニ調査会(101106実施)の時です。詳しくは101119付記事をご覧下さい。

ヒメシロモンドクガの卵8401.jpg ヒメシロモンドクガ幼虫s.jpg
ヒメシロモンドクガ(ドクガ科)の卵 梅の木   <参考>ヒメシロモンドクガ幼虫

コゲラの巣穴開けかけ8373s.jpg
コゲラが開けかけた巣穴 120408

「これは何の穴・・・?」とS.N.君。梅の木に直径3.5cmくらいの穴が2つ。「コゲラが掘った穴だよ」「誰かが掘ったのかと思った・・・」
コゲラの巣穴は、木は生きているけど一部分枯れかけたような幹に掘られているのをよく見かけますが、どういうわけか、生の木のこんなに低い所、しかも時々人が通る所に2つも開けかけて、途中であきらめたらしい。
追記 鳥に詳しい方にお訊きしたところ、「若い鳥は、
アリなどを食べやすいので、低い所がいいと最初は考える、だんだん学習して、ベストな場所を選べるようになって行く」とのことです。

池の生きもの調べ4080029.jpg
池の生きものしらべ

池には、ヤブヤンマ幼虫5・クロスジギンヤンマ幼虫4・ミズムシ・アカムシ(ユスリカ幼虫)・ミジンコなどがいました。ヤブヤンマとクロスジギンヤンマの幼虫の見分けのポイントはいくつかありますが、J.W.君いわく「ヤブヤンマの方がいばった顔をしている」そうな。5月のはじめ頃には、クロスジギンヤンマの成虫が池のまわりを飛びます。

ムラサキハナナ4080035.jpg
オオアラセイトウ(ムラサキハナナ) 120408

この日はツマキチョウモンシロチョウも見かけませんでしたが、オオアラセイトウも咲きだし、1〜2週間もすれば、吸蜜や産卵の様子を観ることができるでしょう。

  

        
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2012年02月29日

★活動報告 第64回はけの森調査会<冬ごしの生きものはどこにいる?>

第64回はけの森調査会<冬ごしの生きものはどこにいる?>
12/02/19(日)9:30〜12:00 晴れ 気温8℃  参加18名
コース:野川公園入り口〜わき水広場


もみじ橋を望む7534.jpg
みずき橋をのぞむ 120219

例年になくとても寒い日が続いていましたが、この日は風もなく、おだやかな観察日和となりました。木々の芽吹きや花も例年より遅れ気味で、シダレヤナギはほんの少し赤みをおびているくらいです。

  ウスバフユシャク♂7393s.jpg      クロテンフユシャク♂7494s.jpg
   ウスバフユシャク(シャクガ科)♂    クロテンフユシャク(シャクガ科)♂

集合場所のすぐそばにあるトイレは、いろいろな生きものの冬ごしの場所になっています。フユシャクのなかまは夜活動するものが多く、このあたりで多く見られる上記2種(前羽の長さ約15mm)もかべにジッととまっていました。
参考:ウスバフユシャク近似種比較

ナミテントウ集団越冬@7507cs.jpg
ナミテントウ(テントウムシ科)集団越冬  120219

を見ると、天井とかべのさかいめや外ののき下に、ナミテントウが数匹ずつの集団になってじっとしていました。内と外、全部合わせると100匹以上になります。昨年11月30日に、このトイレのまわりや自動販売機のまわりに600〜700匹位のナミテントウが集まっているのを観察しています。それらのうちの一部が居残ったものかどうかはわかりません。

ヨコヅナサシガメ幼虫7412S.jpg サシガメ見てる.jpg
ヨコヅナサシガメ幼虫サシガメ科集団越冬 120219

野川べり幼虫探し7477s.jpg
川べりでベニシジミの幼虫さがし 120219

木のくぼみで集団越冬しているヨコヅナサシガメの幼虫やトチノキの冬芽を見たりしながら歩き、その後は川べりにおりて、ベニシジミの幼虫さがし。ギシギシやスイバ(タデ科)が食草です。新しい食べあとのある葉の根元(ねもと)ふきんがポイント。ベニシジミは幼虫で越冬し、春早く(3月中旬)に羽化します。この日は見つかりませんでしたが、1年のうちに何度も発生するので、次回調査会でもまたさがしてみましょう。

コムラサキ幼虫見つけ!2911s.jpg コムラサキ越冬幼虫@2962s.jpg
ここにいるよ!        コムラサキ越冬幼虫(タテハチョウ科)@ 120219

コムラサキ越冬幼虫A2977cs.jpg    コムラサキ幼虫cs.jpg
コムラサキ越冬幼虫A 8mm 120219

コムラサキ越冬幼虫は、第58回調査会(201020)ではじめて発見、その後、2011年2月(次の冬)には隊員のJ.W.君、2011年12月(今回の冬)にはスタッフが、同じシダレヤナギの木で確認していますが、皆で一緒に観察するのは58回調査会以来2回目です。はじめに見つけた1匹はスタッフが確認ずみのもの@でしたが、初参加のT.T.さんが新たにもう1匹の幼虫Aを発見、皆大喜び。
(野川公園パークレン
ジャーの方の話によると、数日前にはこの同じ木に3匹いたとのこと

ゴマダラ幼虫さがし3003s.jpg
ゴマダラチョウの越冬幼虫さがし 「ウーン、いないなー」 120219

わき水広場のエノキの大木の根元で、ゴマダラチョウ越冬幼虫をさがしました。第58回調査会(100304)では、ここで1匹見つかりましたが、今回は見つかりませんでした。おち葉の中には、キバラモクメキリガエサキモンキツノカメムシワカバグモなどがいました。

ゴマダラ・オオムラ・アカボシ越冬幼虫3038s.jpg
ゴマダラチョウ・オオムラサキ・アカボシゴマダラの越冬幼虫

特別隊員K.K.氏のご協力により、狭山や小平市であらかじめ採集しておいた幼虫たちを見ながら、K.K.氏のお話を聞きました。おち葉の下でジッと冬越しした幼虫達は、エノキの葉が芽ぶく頃、葉のあるところまで上って行きます。第63回調査会(110717)では、この広場の上空を飛ぶゴマダラチョウやアカボシゴマダラ成虫を観察しています。暖かな日射しに、オオムラサキ幼虫が動き出したので急いで日かげに収納。

水中の生きものさがし3061.jpg 水中の生きもの解説3120s.jpg
水中の生きものさがし          とったものをみんなで観察

わき水広場の流れで、水の中をさぐって見ました。川底のおち葉の中に、オニヤンマ幼虫カワゲラのなかま幼虫ガガンボ幼虫・アメリカザリガニ幼体・ミズムシなどがいました。また、川べりにカワゲラのなかま成虫もいました。

ドングリ見本贈呈3133.jpg
ドングリクラフト贈呈(ぞうてい)式 「これからもずーっときてねー!」
ドングリ見本3153s.jpg

調査会出席回数が9回以上になった隊員M.I.君にドングリクラフトがプレゼントされました。この日出席できなかった隊員のY.K.君とS.N.君にも届けます。
寒さの中でも、いろいろな生きものたちがそれぞれに冬ごししているようすを知るごとができた楽しい調査会でした。
☆この日観察した生きもののいくつかは、このあとの記事で紹介します。

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<感想集>

調査会の後、3人の方からお便りをいただきました。ありがとうございます!了解を得てここに転記します。

★A.N.君より★
今日はどうもありがとうございました。
たくさんの発見があり、とても勉強になりました。
コムラサキの幼虫が見つかったのは嬉しかったです。
ぜひ今度は自分でも探してみます。

★S.A.さんより★
きのうはありがとうございました。
まず、「男女それぞれのトイレに行って」と言われ、なんでわざわざそんな当たり前の事言うんだろう、と思ったら、虫を探せ、という意味だったと、やっと納得。まず、ここで「虫探し」の世界に引き込まれました。
「テントウムシ」などと初めから言わないので、見つけた時のワクワク感が大きかった。あんなところにいるんだ、と冬ごもりのけなげな様子が伝わってきました。
スイバやエノキや枯葉で幼虫を探したので、そのときは気づかなかったけど、あとから、それらがはっきりと見えてきました。自分でもびっくり。

ヨコヅナサシガメやエサキモンキツノカメムシは本で見ていたけど、実物を見ても自分だけでは多分わからなかったと思うので、ぜひ彼らの越冬の様子を見たいと思っていました。
ゴマダラ幼虫なども、見せていただけて、良かったです。(なにせこの冬探しまわっていたので)
 
しまった、と思ったのは、最後にヤゴ(オニヤンマですよね?)が見れたのに、しっかり見なかったこと。どこで、オニヤンマとわかるのか、ちゃんと聞けば実物で説明してもらえたのに、大事な機会を逃してしまいました。
枯葉を水からすくって、いろいろな生物を探すのは、とても素敵だな、と思いました。すぐ何だかわかる実力がすごい。
 
何から何まで物珍しく、ワクワク感一杯の半日でした。
何といってもコムラサキの越冬幼虫を見れたことが最高でした。
空が青く広かったのも、素晴らしかったです。
ありがとうございました。

★T.T.さんより★
先日はお世話になりました。
冬晴れのなか、のんびり日ざしを浴びて、生物の不思議な営みを教えていただき、驚きの連続でした。
冬枯れの林の中、あんなに生物が姿を変えてひそんでいるなんて!!共生しているんですね。
楽しいひとときでした。
一日中、自然の中で過ごしたので、フワフワした気分で帰路につきました。

   
   



  


  
posted by はけの森調査隊 at 14:25

2011年08月15日

★活動報告 第63回はけの森調査会<トンボやヤゴはどこにいる?>

第63回はけの森調査会<トンボやヤゴはどこにいる?>
11/07/17(日)9:30〜12:00 晴れ 気温34℃  参加34名
コース:野川公園入り口〜公園内わき水広場


今年の関東地方のつゆ明けは例年より早めの7月9日、その後は暑い日が続き、この日は今年最高の
34℃となりました。その暑さも何のその、子供たちは元気いっぱい、たくさんの生きものに出会いました。
集合場所の野川公園入り口で皆の集まるのを待っている間に、キアシナガバチナナフシモドキ・キボシアオゴミムシ等、早くもいろいろな虫を観察、水飲み場のまわりの湿った地面でコチャバネセセリが何匹もじっと吸水、クロアゲハも時々吸水に来ていました。


☆写真右下( )内のアルファベットは写真協力いただいた方のイニシャルです。 

みずき橋の下s.jpg
エビがいっぱいいるよ!                                       (TK)

はじめのポイントはみずき橋のあたり。いつもは冷たく感じる水も生ぬるくなっています。

オナガサナエ羽化殻s.jpg オナガサナエ♀s.jpg
オナガサナエ羽化殻       オナガサナエ♀(サナエトンボ科)<参考写真>

ヤゴがいる!」と石の上を指さしておどろいているおとうさん、よく見ると背中がわれていて、成虫が出たあとの殻がそのまま残っていたのでした。サナエトンボのなかまの羽化は直立型といって、岩などにつかまってまっすぐ上に向かって出て来ます。(キイロサナエの羽化参照)サナエトンボのなかまは山ぞいの場所に多く見られ、野川ぞいで見られるのは数種です。オナガサナエの成虫は、今回は見られませんでしたが、ほぼ毎年観察されています。

ハグロトンボ幼虫2435s.jpg ハグロトンボ♂1569ss.jpg
ハグロトンボ幼虫            ハグロトンボ(カワトンボ科)

みずき橋の周辺では、 上記掲載の昆虫の他、オナガサナエのヤゴ・シオカラトンボのヤゴと成虫・カワニナ・ミナミヌマエビ・アメリカザリガニ・モツゴ・タモロコ・ヒラタドロムシ成虫、等々を観察しました。

みずき橋〜さくら橋.jpg
こんどはなにがみつかるかなー?

採った生きものをもとにもどして、いろいろなものを見ながら次の場所へ。

ショウリョウバッタ♂s.jpg
ショウリョウバッタ♂(バッタ科)

草むらのあちこちに、ショウリョウバッタがいました。幼虫が多く、成虫になっているものはまだ少なめです。茶色のタイプもいます。

やなぎ橋西側s.jpg
みてみて!なにかはいってるよ!                     (TK)

2ばんめのポイントは、やなぎ橋のあたり。<はけ>からのわき水が流れ込む水路にそって水辺におります。川のフチに生えている草の根もとを、川底の土や小石も一緒にガサガサさぐるのがコツです。

水の中網@.jpg 水の中網B.jpg
アッ、さかなだ!            ウーン、どこにいるのかなー?

T氏魚網s.jpg 水の中網A.jpg
オッ、これは・・・!          ヨーシ、つかまえたぞ!

さくら橋手前で調べs.jpg
いろいろなものがとれたねー                                                                   (TK)

木かげに集まって、皆が採って来たものを調べました。

コオニヤンマヤゴs(S.U).jpg  コオニヤンマ2588sc.jpg
コオニヤンマ幼虫 約38mm (SU)     コオニヤンマ(サナエトンボ科)撮影110706

コオニヤンマのヤゴは、平べったくて砂泥(すなどろ)の中などにもぐっていることが多く、見つかりにくいヤゴです。S.T.君のあみに入ってびっくり!成虫はオニヤンマににていますが、ズングリした胴体と小さな頭がとくちょう。夏の野川周辺でよく見られます。
この日も、川岸を飛んだり、杭(くい)にとまっていたりしましたが、ネットインはむずかしかったようです。

ヒラタドロムシ幼虫s.jpg   ヒラタドロムシ成虫(S.U).jpg
ヒラタドロムシ(ヒラタドロムシ科)約10mm   ヒラタドロムシ 約8mm     (SU)

石にピッタリとくっついているふしぎな生きもの、ヒラタドロムシの幼虫です。すこしよごれた水の指標生物(しひょうせいぶつ)。幼虫は毎年観察していますが、成虫は初観察。

ネグロセンブリs(T.T.).jpg    ネグロセンブリ成虫.jpg
ネグロセンブリ幼虫(センブリ科) 約15mm(TT)   ネグロセンブリ(参考) 開帳約30mm 

ネグロセンブリはヘビトンボに近い昆虫で、調査隊初観察。幼虫は、とても小さくて他の水生昆虫と見分けにくい。成虫は観察していませんが、参考に、ウェブサイトから拝借した写真を載せます。
やなぎ橋周辺では、上記掲載の昆虫の他、ニンギョウトビケラ幼虫・コガタシマトビケラ幼虫・シロタニガワカゲロウ幼虫・シマアメンボ・タイワンシジミ等を観察しました。

ニイニイゼミ幼虫.(S.U)JPG.JPG ニイニイゼミ羽化s.jpg
 ニイニイゼミ幼虫:柳をのぼっている11:10頃(SU)   羽化していた 12:30頃

3番めのポイントわき水広場へ向かうとちゅう、ヤナギのみきを登って行くニイニイゼミの幼虫を発見。調査会終了後、帰り道に見上げると、すでに羽化していました。

わき水広場の流れs.jpg
サワガニいるかなー                           (TK)

わき水広場の流れは、こんなに暑い日も冷たくて気持ち良い。

ゴマダラチョウ♀3960s.jpg
ゴマダラチョウ♀(タテハチョウ科)

エノキのまわりを飛んでいたゴマダラチョウ、高い枝先にとまりました。タマゴを産みに来たのかもしれません。冬には、この広場に何本かあるエノキのおちばについている幼虫が見つかることがあります。

ニイニイゼミ幼虫穴の中s.jpg オニヤンマ幼虫s.jpg
ニイニイゼミ幼虫            オニヤンマ幼虫 約50mm

地面の穴から顔をのぞかせているニイニイゼミの幼虫もいました。あちこちでニイニイゼミが鳴いていました。この時期はニイニイゼミのシーズン、アブラゼミは1週間位前(7/10ごろ)に羽化がはじまったばかりです。
このわき水の流れの中には、いろいろな大きさのオニヤンマの幼虫がいました。ここは、成虫になるまで3〜5年かかるオニヤンマの大事な生息場所です。

わき水広場集計s.jpg
                                    (TK)

ここで採ったものも皆で観察し、T.T.氏に説明していただいた後、元のところに戻して解散となりました。
ここには、上記掲載の生きものの他、フタスジモンカゲロウ幼虫フタツメカワゲラ幼虫サワガニ、ホトケドジョウ、ガガンボ幼虫アズマヒキガエルなどがいました。
このような豊かな環境(かんきょう)がいつまでも保たれるよう、これからもマナーを守って、生きものたちを調べたり、遊んだり
したいものです。


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2011年06月25日

★活動報告 第62回はけの森調査会<チョウたちはどこにいる?>

第62回はけの森調査会<チョウたちはどこにいる?>
11/06/05(日)9:30〜12:00 くもり 気温25℃  参加23名

今年の関東地方は
早くも5月27日に梅雨入りしました。梅雨の晴れ間のこの日、緑いっぱいの野川にそって歩きながら、チョウをはじめいろいろな生きものに出会いました。
小さい写真は、クリックすると大きくなります。

モンシロチョウ♂夏2115s.jpg サトキマダラヒカゲ8911s.jpg
モンシロチョウ♂(シロチョウ科)   サトキマダラヒカゲ(ジャノメチョウ科)

川ぞいの草むらには、2化目(=今年2回目の羽化)のモンシロチョウがチラホラと飛び、林の中にはサトキマダラヒカゲがいました。

モンシロつかまえた!9862*.jpg
モンシロチョウとったよ!

子どもたちは、虫を追いかけて走りまわり、それぞれにいろいろなチョウやトンボなどを採りました。

アカシジミ1423ss .jpg
アカシジミ (シジミチョウ科)110531下見の日撮影

今回の調査会のいちばんの目的は、この季節にだけ飛ぶ<ゼフィルス>と呼ばれるシジミチョウのなかまの観察です。
観察センター西側のナラガシワの上の方にアカシジミがいるのを参加者のMさんが発見。よく見えないので長竿(ながさお)で採ってみようとしたのですが、残念、あざやかなオレンジ色をきらめかせて木の茂みに入ってしまいました。写真は、下見の時、
同じ場所のミカンの木に舞いおりたところです。

ウラナミアカシジミ1534s.jpg
ウラナミアカシジミ(シジミチョウ科)

自然観察園に入りました。木道を行くと、羽化して間もないようなウラナミアカシジミが、ヒトツバハギの葉の上にジッとまっていました。時々向きを変えたり、枝にぶらさがったり、飛び立つ気配もなく、じっくりと観察する事ができました。

ウラナミアカを撮る9866*.jpg
きれいだねー! (皆でウラナミアカシジミに見とれているところ)

平地性ゼフィルス6種のうち、野川周辺には、ミズイロオナガシジミ・アカシジミ・ウラナミアカシジミ・ミドリシジミが生息しています。ミズイロ・アカ・ウラナミの3種の幼虫の食樹はクヌギやコナラなどで、このあたり一帯どこにでもあり、ミドリシジミの幼虫の食樹ハンノキは、観察園にたくさんあります。ミドリシジミが出るのは一足遅く、クリの花が咲く6月中旬頃です。他の2種オオミドリシジミ(食樹はクヌギ・コナラなど)とウラゴマダラシジミ(食樹はイボタノキ)は、かつて生息していた記録があるので、復活を待つところです。
 

コムラサキを採る9869s.jpg
うまくとれるかなー?

観察園の入り口に植えられている若いシダレヤナギの上の方に、コムラサキのメスがとまっているのが見えました。
去年2月の第58回調査会では、この木で越冬している幼虫を見つけました。
この時幼虫を見つけたW君によると、今年の2月にも、この木で3匹の幼虫が越冬していたとのことです。


コムラサキ♀s.jpg アカボシゴマダラ春型1457s.jpg
コムラサキ(タテハチョウ科)    アカボシゴマダラ春型(タテハチョウ科)

観察園の中では、コムラサキやアカボシゴマダラが高い所を飛んでいました。当日は撮影できなかったので、下見の時に撮影したものを載せます。

ニホンカナヘビ1903s.jpg ニホントカゲ1883s.jpg
ニホンカナヘビ(トカゲ科)幼体     ニホントカゲ(トカゲ科)幼体

野川周辺の草むらには、ニホンカナヘビがたくさんいます。ニホントカゲも、石垣などで時々見かけます。ニホントカゲは成体(せいたい=おとな)になると、シッポの青い部分はなくなり、全体茶色になりますが、ヌラヌラと光っているので、カナヘビと区別がつきます。

川に沿って歩くA9874s.jpg 川に沿って歩く@9872s.jpg
わき水広場へ・・・

採ったもの調べ@1001s.jpg
ヘビトンボの幼虫は、孫太郎虫(まごたろうむし)ってよばれていて・・・

わき水広場に到着です。今までに採ったものを皆で見ました。スタッフの説明を聞いたあとは、それぞれに適った場所へ逃がします。コミスジシオカラトンボナミテントウナナホシテントウヘビトンボのなかまエサキモンキツノカメムシ等々。

シロタニガワカゲロウ1558s.jpg
シロタニガワカゲロウ(タニガワカゲロウ科)12mm

わき水広場では、しばらくの間フリータイム。わき水からの流れのまわりに茂る草には、クモやグンバイムシのなかまなど、小さな生きものがたくさん。
この小川では、シロタニガワカゲロウの幼虫を何度か観察していますが、今回は成虫がシダの葉かげにいました。
よーく見ないと見落としそうな、小さくて弱々しい身体、 幼虫はシッポが3本ですが、成虫は2本でとても長い。フタツメカワゲラの成虫もいました。

採ったもの調べ・サワガニ1023s.jpg
サワガニがいたよ!  まだ小さいね・・・

水の中には、サワガニオニヤンマの幼虫ガガンボの幼虫ニンギョウトビケラの幼虫などがいました。
今回は、陸上のものを中心に観察しましたが、次回第63回調査会(7月17日(日)9:30〜)は、子ども達が大好きな水生昆虫中心の調査会です、野川本流やこのわき水広場の小川で、じっくり水の中の生きものを観察します。

 
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2011年04月21日

★活動報告 2011年度 第1回はけの森ミニ調査会

第1回はけの森ミニ調査会 
11/04/02実施 はけの森2にて  晴れ  気温17℃  参加6名 

今年は春の到来が遅く、緑地のサクラもほんの一分咲きくらいでした。
調査会が始まってすぐ、ウグイスがやって来ました。姿を追っていると、木の茂みの中で ♪ホーホケキョ
♪ と鳴きました。初鳴きかもしれません。

ウグイス地面9750cs.jpg
ウグイス♂ 110402
ウグイス囀s.jpg ウグイス9736ガs.jpg
ウグイスが鳴いた            ガをつかまえたよ

昨年春の第1回ミニ調査会(10/04/03)では、はけの森緑地1で、隊員のM.I.君がウグイスの空き巣を発見しました。近年は、はけの森1で繁殖(はんしょく=子をつくり、子孫(しそん)をふやす)を続けているようです。このウグイスもはけの森1周辺にすみついているものでしょう。

ビロウドツリアブ飛翔9916S.jpg
ビロウドツリアブ(ツリアブ科)約10mm

日当りの良い落ち葉の上にビロウドツリアブがいました。春早めに出現し、5月ごろまで見られるツリアブのなかまで、ホバリングしながら花の蜜を吸います。幼虫はハナバチ類の幼虫やサナギに寄生し、1令幼虫は寄主をさがして歩きやすいようにシミのような形をしていて、2令以降はちがう形になる、という「過変態(かへんたい)」をするとのこと。(この不思議な生態についてはくわしいことがわかりましたら後ほど別の記事にて)

キチョウ9924s.jpg
キタキチョウ♂(シロチョウ科)

成虫越冬のキタキチョウがいました。例年の4月ミニ調査会では、たいていモンシロチョウツマキチョウが飛んでいるのですが、今年は発生が遅(おそ)めです。(小金井初見:モンシロチョウ03/20ツマキチョウ04/10)。ムラサキハナナ(モンシロやツマキ幼虫の食草)もまだあまり咲いていません。
☆今年のモンシロチョウ初見調査については、「my蝶アルバム」様の記事をご参照ください。

朽ち木を探る9681s.jpg カブト幼虫9682.jpg
クワガタはいないかなー                           カブトの幼虫だ

緑地の奥の、くずれかけた丸太積みの中をさぐってみると、カブトムシの幼虫がいました。奥の方にもっといる様子でしたが、そっとしておくことにしました。この丸太みは、2003年秋、この緑地内にあったトチノキを伐採(ばっさい=きりたおす)した際に積んでおいたもので、2009年06/06のミニ調査会Aでは、コクワガタ♀と幼虫が、2010/06/05のミニ調査会Aではコクワガタ♂が見つかっています。また2010/04/03のミニ調査会@では、カリンの丸太積みでコクワガタ♂♀と幼虫が見つかっています。

新しい丸太積み9690.jpg
新しい丸太積み

だいぶくずれているトチノキの丸太積みの横に、新しく丸太積みを作りました。これらの材は市内で伐採されたものです。どんな生きものたちがやって来るでしょう?

顕微鏡を見て描く10433.jpg 観察ノート・ミジンコ9767s.jpg
ミジンコっておもしろいなー!      隊員M.I.君の観察ノート

池で見つかったのは、クロスジギンヤンマの幼虫1匹(いつもはたくさん見つかるのですが)とアカムシ、ミジンコがたくさん。ミジンコを顕微鏡(けんびきょう)で観察しました。


posted by はけの森調査隊 at 21:06

2011年02月28日

★活動報告 第61回はけの森調査会<ワラ巻きの中をしらべよう!>

第61回はけの森調査会<<ワラ巻きの中をしらべよう!>
11/02/19(土)9:30〜12:00  曇 気温7℃  参加5名
はけの森緑地2にて

曇りがちの、とても寒い日でした。
去年秋の第4回ミニ調査会(110106実施)で6本の木に巻いたワラをはずして、中に入っている生きものを調べました。
「ワラ巻き」というのは、本来は「こも(菰)巻き」と呼ばれるもので、秋、
ワラ(藁)でできた「こも」をマツに巻いて、マツカレハの幼虫(マツを食害する)が入るのを待ち、春先には「こも」ごと焼いてしまう、という昔からの虫退治(たいじ)の方法です。庭園のマツに「こも」が巻かれている光景を目にした方も多いでしょう。しかし、一緒に入っているマツカレハの天敵ヤニサシガメをはじめ、大多数を占(し)める他の生きものも焼いてしまうので、現在はだんだん行われなくなってきています。
調査隊では、観察・撮影後、生きものは緑地内にもどしています。

カキのワラ巻きを取る8563s.jpg ワラを袋に入れる8569s.jpg
カキの木に巻いたワラをはずす       そのまま袋に入れる

ナミテントウ8567ks.jpg テントウムシ見つけ8566s.jpg
ワラをはずしところにナミテントウがいた  アッ、テントウムシ!

ワラを広げて見る8603s.jpg
ひろげて虫を調べる

ピンセットで虫を採る8600s.jpg ワラの中クモ越冬巣8557s.jpg
ワラの間にはいろいろな小さな虫がいる  越冬巣から出ようとしているクモ

ワラの中や樹皮(じゅひ)には様々な小さな生きものがいました。クモが一番多くて10種・合計25匹、甲虫は7種・9匹、その他ハチ・ハエ・カのなかまなど。小さくて、似たものも多く、同定(どうてい)するのが難しい。

アリグモ9244S.jpg ワカバグモ8675s.jpg
アリグモのなかま 5mm         ワカバグモ 8mm

ムーアシロホシテントウ8655s.jpg キイロテントウ8630s.jpg
ムーアシロホシテントウ 4mm        キイロテントウ 4.5mm

ベダリアテントウ8660s.jpg チビヒゲナガゾウムシのなかま8705s.jpg
ベダリアテントウ 3.5mm         チビヒゲナガゾウムシのなかま 4mm

イッスンムカデs8636.jpg クチブトゾウムシsp横9150s.jpg
イッスンムカデ 15mm         クチブトゾウムシのなかま 4mm

タイサンボクに一番たくさんの生きものがいました。木によって集まった生きものたちの種類や数に少し差はありますが、調べた本数も少ないので良くはわかりません。生きものたちが好きな種類の木で、樹皮に凸凹があり、はがれかけた部分もあるような木には、よりたくさんの虫が冬ごししているようです。

感想文s.jpg
S.N君(小3)から届いた日記

第46回調査会<冬の生きもの>060211実施でも、はけの森緑地2で、ワラ巻きの中や緑地内の冬ごしの生きものを観察をしました。ご参照ください。
☆観察した生きもののデータや、いく種かの生きものについては後の記事で。
☆ワラ巻き用資材は、東造園様(埼玉県所沢市)よりご寄贈いただきました。

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2010年11月17日

★活動報告 2010第4回はけの森ミニ調査会

2010年度第4回はけの森ミニ調査会報告
10/11/06実施 はけの森2にて  晴れ  気温19℃  参加5名

あたたかな秋日和(あきびより)となり、明るい日ざしの中、オオアオイトトンボが何匹も飛んでいました。この日は、生きもの観察の他、冬ごしの生きもの観察のためのワラ巻き作業と木の実工作をしました。


オオアオイトトンボ♂6986ss.jpg
オオアオイトトンボ♂(アオイトトンボ科)101106

このトンボは、春〜夏〜秋までこの緑地で見られ、9月〜11月頃交尾産卵します。090903付記事「オオアオイトトンボ」参照

ワラ巻いているss.jpg
これでどうだ!

緑地内の6本の木を選んでワラをまきました。ワラまきのコツは、下の方をキッチリ・上の方は少しゆるめにしばることです。上から入っ虫は、上からは出にくいとのこと。

シラホシコヤガ7744s.jpg
シラホシコヤガ(ヤガ科)空まゆ 約10mm 101106

「何コレ?」、隊員のN君がウメの木についているふしぎなものを発見。コケ(地衣類)におおわれたとても小さなマユのようなものがぶらさがっていました。よく見ると、あちこちに同じようなものがついていました。調べたところ、シラホシコヤガという小さなガ(15mm)の空マユだということがわかりました。幼虫で越冬し、6月に羽化するとのこと。(11/17付記事「シラホシコヤガ」参照

ツマグロヒョウモンのサナギs.jpg
ツマグロヒョウモン(タテハチョウ科)のサナギ

N君、今度は別のウメの木で宝石のようにキラキラ光っているものを発見。光っているのはツマグロヒョウモンのサナギの突起(とっき)でした。幼虫は、緑地内のスミレを食べたあと、このウメの木にのぼってサナギになったのでしょう。こんなに高い所(約2m)についていることはあまりないようです。

キーホルダー作り.jpg
ゾウムシ:胴体はツバキ、目はフウセンカズラ  トンボ:羽はななめ切りの枝

輪切(わぎ)りにした木に、木の実や枝で作った虫をはりつけ、キーホルダーの金具をつけました。

ワラ巻きのある緑地.jpg
ワラ巻きのある緑地風景

ワラは、隊員が選んだタイサンボク・アカマツ・ウメ・カキ・カリン・ケヤキの6本にまきました。来年2月19日(土)第61回はけの森調査会で、ワラをはずして中の生きを観察します。どんな生きものが冬越ししているでしょうか?

posted by はけの森調査隊 at 21:07

2010年09月12日

★活動報告 2010第3回はけの森ミニ調査会

2010年度第3回はけの森ミニ調査会
10/09/04実施 はけの森2にて  晴れ  気温35℃  参加9名

9月に入っても猛暑が続いています。はけの森2では、あちこちでツクツクボウシやアブラゼミが鳴き、黒いアゲハ類(ナガサキアゲハ・クロアゲハ)が木々の間をぬって飛び、草刈をしたばかりの明るい所には、ツマグロヒョウモン♀が来ていました。

ツクツクボウシs.jpg
ツクツクボウシ(セミ科)100904

ツクツク抜け殻935s.jpg アブラゼミ抜け殻s.jpg
ツクツクボウシぬけがら         アブラゼミぬけがら

ぬけがら調べをするときは、触角(しょっかく)も重要なポイント。触角がきちんとついているものを選び、折れないように気をつけて保存しましょう。

カバフスジドロバチs.jpg ナガサキ1令幼s.jpg
カバフスジドロバチ(スズメバチ科) ナガサキアゲハ1令幼虫(アゲハチョウ科)

ハチ宿では、カバフスジドロバチがちょうど竹筒(たけづつ)のフタをぬりあげているところで、そばの竹筒の材をけずりとって材料にまぜているようす。
カラタチの大きな木には、ナガサキアゲハの幼虫が4ひき、カラタチコーナーのカラタチには、アゲハの幼虫や卵がいくつもついていました。

オオアオイトトンボ♀s.jpg リスアカネs.jpg
オオアオイトトンボ♀(アオイトトンボ科) リスアカネ♂(トンボ科)

オオアオイトトンボは、水草のかげや木の枝の中などの間をフワリと飛び、おなじみのリスアカネは緑地のあちこちにとまっていました。去年までは2〜3匹だったのですが、今年は数が増えています。

ヤゴ等観察s.jpg
ちがう種類のヤゴはいないかなー?

池の中には、クロスジギンヤンマ幼虫、アメリカザリガニがいました。たった1匹見つかったシオカラトンボ(あるいはオオシオカラトンボ)の幼虫は、調べる前にクロスジギンヤンマ幼虫に食べられてしまいました。

クロスジギンヤゴs.jpg
クロスジギンヤンマ幼虫

今年の春〜夏に生まれた幼虫です。全部で25ひきいました。池の水草には、オオアオイトトンボの羽化がらがたくさん、リスアカネの羽化がらも10コくらいついていました。
 
☆今回も、写真については特別隊員T.K氏にご協力いただきました。

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2010年07月23日

★活動報告 第60回はけの森調査会<箱メガネを作ろう!>

第60回はけの森調査会<箱メガネを作ろう!>
10/7/18(日)9:30〜12:00  晴 気温32℃  参加21名
野川公園入口〜わき水広場


前日の17日に梅雨(つゆ)が明け、夏の日ざしがまぶしい朝となりました。はじめに箱めがねを作り、そのあとは、野川にそって川の中や岸べの生きものを見ながらわき水広場まで、楽しい半日を過ごしました。

オニヤンマ交尾As.jpg オニヤンマ交尾正面ss.jpg
オニヤンマ(オニヤンマ科)交尾 野川公園入口  正面から見たところ

調査会が始まる前の9時10分頃、上空にオニヤンマのカップルが飛んできて高い木の枝先にとまりました。高い所にとまっていたので、よく見えなかった人もいるかもしれません。野川公園を代表するトンボです。

箱メガネができたよs.jpg 箱メガネで見るA.jpg
できた!                何がいるかなー?

空きペットボトル利用の箱メガネ作りはかんたんです。ペットボトルの上と下を切り取り(カッターで少し切れ目を入れ、ハサミで切ると切りやすい)、上のフチをビニールテープで巻き(ギザギザをカバーするため)、下をラップ(なるべく巾広の)でつつみワゴムで止める。持ちあるき用に、ヒモをつけると便利。

水生昆虫の話.jpg
水の中には、いろいろな生きものがいます。石の下にくっついたりしていますよ。

川の中@7180029s.jpg
やなぎ橋付近

ここは浅瀬(あさせ)になっていて、観察しやすく、冷たいわき水も流れこんでいます(写真右側のところが流れ込み口)
  
川の中B7180023s.jpg 川の中A7180026*sjpg.jpg
遠くに見えるのはさくら橋

ニイニイゼミ殻5921s.jpg ヒラタドロムシ幼たてs.jpg
ニイニイゼミのぬけがら         ヒラタドロムシの幼虫

やなぎ橋付近では、水の中:ハグロトンボ幼虫・アメンボ・メダカ・カワエビのなかま・ヒルのなかまなど、陸上:ニイニイゼミ(ぬけがらも)・ハグロトンボ・シオカラトンボなどを観察しました。見つけた生きものは、例年にくらべ(野川夏マップA等を参照)少なめでした。

わき水@s.jpg
わき水広場の流れ

わき水Cs.jpg わき水As.jpg
入ってるかなー?         うもれてしまいそうーー!

わき水Ds.jpg 生きもの見てるs.jpg
小さーい虫みつけた!          ガガンボの幼虫って大きいんだねー

わき水ひろばの流れには、オニヤンマの幼虫フタツメカワゲラの幼虫・フタスジモンカゲロウの幼虫・ホトケドジョウ・ガガンボの幼虫などがいました。箱メガネは、どこでも簡単に作れるので、いろいろな場所でためしてみてください。
☆観察したもののいく種かは、後の記事で紹介します。

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2010年06月23日

★活動報告 2010第2回はけの森ミニ調査会

2010年度第2回はけの森ミニ調査会
10/06/05実施 はけの森2にて  晴れ  気温24℃  参加11


緑地は初夏らしい緑につつまれています。
隊員も初参加の友達も、元気にチョウをおいかけたり、地面や枯れ葉の中、池の中をじっくり観察しました。
希望者は、自家用ハチ宿(
5/30実施の第59回調査会参照)を作りました。

網もって走る6050006s.jpg
アッ、モンシロチョウだ(あとでしらべたらスジグロシロチョウでした)

ハグロトンボ♂未成熟s.jpg
ハグロトンボ未成熟(カワトンボ科)100605

ハグロトンボが出はじめるころです。羽化して日数のたっていない(金緑色がうすい)♂がいました。きれいな川にすむトンボで、夏の野川べりを歩くとたくさん見られます。緑地(野川から200m位)にも時々飛んできます。

地面の虫P6050005s.jpg 何か居る?6050007.jpg
このあなはなんだ?           ようちゅうみたいなのがいるよ

コクワガタ♀5388s.jpg
コクワガタ♀(クワガタムシ科)100605

前回の第1回ミニ調査会(4/12)で、幼虫や成虫♂♀を見つけましたが、今回は別の場所で♀1匹を見つけました。ピカピカの新成虫です。

フタモンアシナガバチの空巣5403s.jpg
ムモンホソアシナガバチ(スズメバチ科)空き巣

T.Y.隊員が見つけたハチの空き巣=地面に落ちていました。去年のもののようです。アシナガバチのなかまは10数種いて、成虫は似(に)たような形をしていますが、それぞれのとくちょうを知れば見分けられます。巣の形もそれぞれにとくちょうがあります。ムモンホソアシナガバチの巣は草の茎(くき)などに、茎にそった方向につくられます。
参考 アシナガバチの巣の見分け方

池P6050016s.jpg

リニューアル後はじめての池調査です。何かいるでしょうか?

オオアオイト5591s.jpg
オオアオイトトンボ若令幼虫(アオイトトンボ科)エラ(シッポ)までふくめ20mm

池には、オオアオイトトンボのヤゴがたくさんいました。水を入れてから2ヶ月たったばかりなのびっくりです。
オオアオイトンボは、秋に池のフチの木の枝に卵を産みつけます。卵のまま越冬して、春、木の上で孵化(ふか)した幼虫(前幼虫)は、水中に落ちるとか土の上に落ちてジャンプして水に入るとのこと(確かめたいものです)。去年の秋、池のフチのセンダンの若木に産卵していたので、その卵が孵化して育ったのでしょう。ボウフラやアカムシも発生しているのでエサもあります。
また、クロスジギンヤンマ♀を見た隊員もいます。6/3に池のスイレンの茎に産卵に来ているのをスタッフが見ています。そのうち、クロスジギンヤンマのヤゴも見つかることでしょう。

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2010年06月15日

★活動報告 第59回はけの森調査会<ハチ宿を作ろう!>の感想集

なかつがわs.jpg いしいs.jpg

       おかむらs.jpg                    こやまs.jpg

       かわうちs.jpg                    やまざきs.jpg

感想書いてる5300041*.jpg
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2010年06月14日

★活動報告 第59回はけの森調査会<ハチ宿を作ろう!>

第59回はけの森調査会<ハチ宿を作ろう!>
10/05/30(土)9:30〜12:00  曇 気温16℃  参加17名
はけの森緑地2

この日のテーマは、ハチ宿観察とハチ宿作りです。
ハチ(特にカリバチ)の研究家田仲義弘(たなかよしひろ)氏の熱のこもったお話はとてもエキサイティング、皆夢中で観察したり工作したり、雨上がりの肌寒さはいつの間にかふき飛んでいました。

ハチ宿見てるs.jpg
これはヒメハキリバチの巣、こっちのは・・

竹筒のフタs.jpg

このハチ宿は、昨年11月かぶと山公共緑地(小金井市本町)から移設されたものですが、何種ものハチが巣を作っています。種類によってフタの材料がちがい、また竹筒の太さもそれぞれに選んでいます。

竹の中を見るs.jpg

竹をわって中のようすを見ました。きちんと1匹づつのへやが作られています。

オフオド前蛹.jpg
オオフタオビドロバチ(スズメバチ科)前蛹(ぜんよう)

このオオフタオビドロバチはもうすぐサナギになり、その後羽化します。わった竹は元通りに合わせてテープで巻き、元の場所にもどしておけば大丈夫。

iPadで説明s.jpg 資料見ながらs.jpg
これはますいのハリをさしているところ    出口の方向はどうやって知るのでしょう?

先生ご持参の最新IT機器iPadには、貴重(きちょう)なデータがぎっしり、 めずらしいハチの生態(せいたい)写真に皆から感嘆(かんたん)の声。カリバチの検索表(けんさくひょう)で、観察したハチの名をたしかめたり、クイズにもちょうせん。

竹を選ぶs.jpg

太さのちがう篠竹(しのだけ)を何本かえらんで、いよいよハチ宿作りです。

竹を切る親子s.jpg 竹を切るs.jpg
しっかりおさえていてね         工作でノコギリは使いなれてるよ

節(ふし)と節の間を切ると、両側からハチが利用できます。

竹の束ね方1s.jpg

10本くらい切れたら、シュロなわでたばねます。

自家用ハチ宿s.jpg
観察用のハチ宿完成

雨のかからない、直射日光(ちょくしゃにっこう)のあたらない、風通しの良いところにおきましょう。これからの季節、いろいろなハチがやってきます。夏休みの自由研究にしても良いですね。カリバチはギュッとつかんだりしないかぎり人を刺(さ)しません。安心して観察してください。

☆今回も、写真については特別隊員T.K氏にご協力いただきました。
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2010年04月11日

★活動報告 第1回はけの森ミニ調査会

第1回はけの森ミニ調査会
10/04/03実施 はけの森2にて  晴れ&くもり  気温14℃  参加10名

はけサクラ.jpg はけスジグロ.jpg

サクラは満開(まんかい)、カントウタンポポもさきはじめ、久しぶりの春らしい陽気となりました。まだ新学期ははじまっていませんでしたが、進級したり新1年生になった子どもたちは元気に緑地の生きもの観察をしました。

捕虫網.jpg
チョウチョだ!

この日何頭か飛んでいた白いチョウは、皆スジグロシロチョウでした。去年この緑地のムラサキハナナにいたツマキチョウの幼虫を観察のため育てていたのですが、それがサナギとなり冬を越し、4月2日にメスが羽化したので、これも皆で見ました。

朽ち木.jpg ムカデだ.jpg
何かいそうだよ                                     ムカデだ!              

くち木やその下の土の中をしらべました。トビズムカデ・ヤスデのなかま・ハサミムシのなかま・アリのなかまなどが見つかりました。

ホウノキの朽ち木.jpg 調べる.jpg
木はボロボロになってるけど・・・    かいたいなー、でももどそうね

去年の6月6日第2回ミニ調査会では、トチノキの古丸太にコクワガタなどがいましたが、ここには何もいなくて、別の場所でコクワガタ幼虫×4・成虫♂♀を見つけました。

はけ1の池.jpg
ウーン、おち葉ばっかりだなー

はけの森2の池は修理したばかりなので、市の許可(きょか)を得て、ふだんは入れないはけの森1に入らせてもらい、おち葉でいっぱいの池のそうじ&生きものさがしをしました。

☆今回の調査会で観察したものはこの後の記事で紹介します。

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2010年02月28日

★活動報告 第58回はけの森調査会<オサムシをさがそう>

第58回はけの森調査会<オサムシをさがそう>
10/02/20(土)9:30〜12:00実施  晴れ 気温10.5℃  参加17名
野川公園入口〜わき水広場

野川もみじ橋.jpg
みずき橋付近

 前日までは、雪や雨まじりのとても寒い日が続きましたが、ようやく寒さもやわらぎ、気持ちの良い観察日和となりました。シダレヤナギは早くも緑色にけむりはじめています。

落ち葉の下の虫探し.jpg
あ、何かいる!

さっそくおち葉の下の虫さがし。上の方のおち葉はかわいていますが、下の方の葉は、しめってくずれかけたり、カビのようなものがついたりしています。おち葉だまりには、葉を食べる虫、その虫を食べる虫、葉を分解(ぶんかい)する菌(きん)など、たくさんの生きものがすんでいて、みんな自然界の循環(じゅんかん)の重要(じゅうよう)な役目をになっています。ムカデやヤスデのなかま、カメムシのなかまなどが見つかりました。

エノキ・幼虫探しs.jpg
ゴマダラチョウの幼虫いるかな?(エノキの下で)

野川本流.jpg 虫見てるs.jpg
石のウラも見てみよう

川には、ニンギョウトビケラの幼虫シロタニガワカゲロウの幼虫、カワエビなどがいました。

コムラサキ見てるs.jpg
コムラサキの幼虫

5月の調査会では、このあたりのシダレヤナギのまわりをコムラサキが飛んでいたね。幼虫はヤナギの幹(みき)のヒダの間で冬をこしているんだよ。1cmにもならないくらい小さいんだけど、この若い木だったら見つかるもしれない、さがしてみよう」という特別参加のK.K.氏のお話が終わるか終わらないうちに、「いたっ」というJ.W.くん(小5)の声。「どこどこ?」もうみんな夢中。

わき水広場1.jpg わき水広場2.jpg
わき水広場の流れ            川の中のおち葉も生きもののすみか

終点のわき水広場では、水の中や木のかげや、思い思いの場所で生きもの探索(たんさく)。オニヤンマの幼虫フタツメカワゲラの幼虫ゴマダラチョウの幼虫エサキモンキツノカメムシなどを見つけました。

ファーブル.jpg
ピント合わせがちょっとむつかしいね

集めた小さな生きものたちを、ファーブル=実体顕微鏡(じったいけんびきょう)で見ました。 

朽ち木.jpg
の根っこは手でくずせるよ

くち木の中にもいろいろな生きものがひそんでいます。ボロボロになった根っこの中には甲虫の幼虫がいました。

まとめ.jpg  ゴマダラ幼虫見てる.jpg

オサムシは見つかりませんでしたが、土の中、水の中、たくさんの生きもののようすを見ることができ、楽しい半日でした。
観察した生きものについては、この後の記事で紹介します。

☆掲載写真の約半数は、特別参加のT.K.氏が撮影して下さったものです。
     
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2009年11月10日

★活動報告 2009第5回はけの森ミニ調査会

第5回はけの森ミニ調査会
09/11/7実施 はけの森緑地2にて 晴れ 気温20℃  参加10名

11月にしては暖かな午後となりました。
緑地には、2つ目のハチ宿ができていました。これは、先頃閉園(へいえん)になったかぶと山公共緑地にあったものです。入り口がドロなどでふさがれている竹づつがたくさんあり、これは、カリバチたちに利用されている証拠(しょうこ)、来年の羽化が楽しみです。

ハチ宿s.jpg
はけの森2の蜂宿A

下の写真は、はけの森緑地緑地2に開園時から置かれている蜂宿@に来ているハチたち、夏の様子です。

オオハキリバチs.jpg    オオフタオビドロバチs.jpg
オオハキリバチ             オオフタオビドロバチ(ドロでフタをしている)

いろいろな木の実と葉っぱの組み合わせクイズをした後は、リース作り。それぞれに好きなものをかざり、楽しげなリースができあがりました。

リース1.jpg 03.jpg リース2.jpg
めずらしい実もついてるよ            ヒイラギと白バラがポイント!

観察したもの:クロアゲハ4令幼虫・アブのなかま・クロスジギンヤンマ幼虫・ザリガニ・モロコのなかま等

posted by はけの森調査隊 at 21:56

2009年10月08日

★活動報告 2009第4回はけの森ミニ調査会

第4回はけの森ミニ調査会
09/10/03実施 はけの森緑地2にて 曇 気温23℃  参加スタッフ3名

午前中の雨が上がって、曇りがちの緑地はすっかり秋の気配です。
池の主リスアカネの姿は見かけませんでした。
運動会等の行事が重なったためか参加者が無く、スタッフのみの調査会となりました。カラタチコーナーに、アゲハ類の幼虫が多数見られ、それらをじっくり観察しました。


カラタチの実s.jpg

カラタチの実(ミカン科)

緑地には、背の高いカラタチが1本ある。実はとても良い香りがする。
カラタチコーナーはこの種を一列に植えてできた場所。


ナガサキ幼虫.jpg

ナガサキアゲハ終令幼虫(アゲハチョウ科)


アゲハ幼虫たちについてはこのあとの記事で紹介します。
posted by はけの森調査隊 at 11:04

2009年09月09日

★活動報告 2009年度第3回はけの森ミニ調査会

第3回はけの森ミニ調査会
09/09/05実施 はけの森緑地2にて 晴れ  気温29℃  参加8名

新学期も始まり、秋を感じさせる日差しになりました。少し前に木々の枝おろしや草刈りがなされたようで、緑地全体が明るくなっています。
チョウがたくさん飛び、いろいろな生きものとゆっくり遊んだ午後でした。


リスアカネcs.jpg
リスアカネ(トンボ科)

夏の終わり頃〜秋、はけの森緑地の主のように池の竹棒にとまっています。この日は3匹見つかりました。オオアオイトトンボも何匹かいました。

アオダイショウ2s.jpg
アオダイショウ(ヘビ科)

スタッフの一人がアオダイショウを見つけました。見上げると、幹(みき)の洞(うろ=穴のようなところ)の中をのぞいては、上へ上へとのぼって行きます。上の方の洞に頭を入れたちょうどその時、パサッと何かが落ちました。

ヤモリs.jpg
ニホンヤモリ(ヤモリ科)

ヘビにねらわれたのはヤモリでした。この緑地には、たくさんのヤモリがすんでいます。「ぼくんちにもいるよ」と2人の男子。いい家に住んでますね!

ヤモリ手の上s.jpg

池の生きもの調べs.jpg

虫探しs.jpg

<観察したもの>
アゲハ成&幼・クロアゲハ♂・ナガサキアゲハ♀カラスアゲハ幼・アゲハのなかま卵・モンシロチョウ・ツマグロヒョウモン♂&♀・ヒメジャノメ・ヒカゲチョウ・サトキマダラヒカゲ・リスアカネ×3・オオアオイトトンボ×3・クロスジギンヤンマ幼×3・ヤブヤンマ幼×2・コオロギのなかま・ジグモ・ジョロウグモ・アオダイショウ・ヤモリ他
この日観察したもののうち、いく種かは後の記事で紹介します
posted by はけの森調査隊 at 09:35

2009年07月27日

★活動報告 第57回はけの森調査会<オニヤンマ・タイコウチをさがそう>

第57回はけの森調査会<オニヤンマ・タイコウチをさがそう>
09/07/22(水)実施 野川公園入口〜わき水広場 小雨のちくもり 気温28℃ 参加8名

野川風景出発.jpg

早朝からの雨がなかなか止まず、実施があやぶまれていたのですが、9時頃にはほとんど雨も上がったので、実施することになりました。(中止と思って参加されなかった方ごめんなさい)
けむるような雨の中を出発。川岸はオオブタクサとアレチウリ(どちらも帰化植物)におおわれています。ニイニイゼミアブラゼミが鳴いていました。

ベニシジミs.jpg

草むらには、ショウリョウバッタやオンブバッタなどバッタのなかまがたくさん見られ、ベニシジミがジッと雨やどり。
じきに雨も止み、チョウやトンボも飛びはじめました。

やなぎ橋付近s.jpg
エビがいっぱいー!

水の中の生きものをさぐる第一ポイント、やなぎばし付近。ミナミヌマエビ等の川エビのなかま、アメリカザリガニ、マシジミ、シロタニガワカゲロウなどが網に入りました。

柳の下s.jpg

さくらばしを過ぎたあたりです。立ちならぶヤナギやサクラの幹(みき)には、セミのぬけがらやガの幼虫などいろいろな生きものがコッソリとついています。

わき水広場s.jpg

終点のわき水広場まで来ました。ここは、わき水からのきれいな流れが2本あり、野川へそそいでいます。オニヤンマの幼虫シロタニガワカゲロウ、フタツメカワゲラ、ホトケドジョウ、サワガニなど、たくさんの生きものが見つかりました。オニヤンマが飛ぶのも見られました。

わき水s.jpg
サワガニはいないかなー

日蝕.jpg    日蝕観てるs.jpg

この日はちょうど日蝕(にっしょく)の日でした。あいにくの曇り空だったのですが、蝕のピーク(11時12分58秒)を過ぎた11時30分頃、雲の向こうに白い三日月のような太陽を見ることができ、一同感激の一瞬(しゅん)でした。

タイコウチは見つかりませんでしたが、様々な生きものをじっくり観察できた半日でした。観察したうちのいくつかの生きものは、このあとの記事で紹介します。

posted by はけの森調査隊 at 20:49

2009年06月30日

★活動報告2009年度 第2回はけの森ミニ調査会

第2回はけの森ミニ調査会
09/06/06実施 はけの森緑地2にて 晴れ&曇り 気温23℃ 参加7名

午前中降ったり止んだりしていた雨は、調査会がはじまる頃にすっかり上がりました。飛んでいるものは少なめでしたが、落ち葉や朽ち木の中でいろいろなものが見つかりました。

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「なかなか出てこないなー。」「この枝をつかってみよう!」

5年前に切りたおされて緑地のすみに積(つ)んであったトチノキの丸太が、ちょうど良く朽(く)ちてきて、いろいろな生きものたちの住みかになっています。木のまわりを調べていると、コクワガタのメスがほんのちょっと顔を出していました。そっとみんなでほりだしてみました。

コクワガタ♀.jpg
コクワガタ♀(クワガタムシ科)

去年成虫になってそのまま木の中で越冬し、ちょうど出て来たところでしょう。
コクワガタ幼虫S.jpg  トチノキ丸太S.jpg
コクワガタ幼虫も見つかりました    2003年秋:トチノキの丸太積み     

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アズマヒキガエル

朽ち木の奥の方にアズマヒキガエルがジッとしていました。今年生まれた黒い小さな子ガエルたちは、落ち葉の上や木の根元ではねていました。

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ヤブヤンマ♂羽化がら(体長約50mm)

梅の木の幹(みき)についていました。この緑地では、毎年夏にはヤブヤンマの飛ぶのが見られ、池のフチの湿った場所に産卵しているメスを見かけることもあります。名前の通り、木に囲まれた暗めの池で発生します。

ヤゴ観察.jpg

池にはオオアオイトトンボ幼虫11匹(バケツに入れなかったものもあるのでそれ以上)や、アメリカザリガニ幼体1匹などがいました。オオアオイトトンボ成虫は身体が金緑色のきれいなイトトンボで、夏〜秋、この緑地の木陰などでひっそりとしているのを見かけます。

posted by はけの森調査隊 at 10:04

2009年06月04日

★活動報告 第56回はけの森調査会<コムラサキをさがそう>

野川風景.jpg エノキのところs .jpg

第56回はけの森調査会<コムラサキをさがそう>09/05/31実施
天気 曇 気温23℃ 参加18名 野川公園入口〜わき水広場


歩きはじめは、小雨のパラつくこともありましたが、その後は、曇りがちながら、むし暑ささえ感じられる虫日和(びより)となりました。

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コマルハナバチ♂              ミズイロオナガシジミ

集合場所・野川公園入口付近では、年に一度この季節にだけ見られるミズイロオナガシジミがコナラやアカシデのまわりを飛び、花盛りのネズミモチには、モンシロチョウやスジグロシロチョウ、ベニシジミ、コマルハナバチをはじめいろいろなハナバチ・ハナアブ、小さな虫たち、などたくんさんの虫が入れかわり立ちかわり吸蜜(きゅうみつ)に来ていました。

今回のテーマとなっているコムラサキは、シダレヤナギのまわりを飛んでいるのを4〜5回ほど見ることができました。近くで見られなかったのはちょっと残念でしたが、調査隊で初めて観察した2005年以来、このヤナギ並木で毎年見られるのはうれしいことです。今回は、チョウにご造詣(ぞうけい)の深いK(こむらさき?)氏も同行してくださり、おかげで参加された皆さんのチョウに対する興味はますます深まったのではないでしょうか?

わき水広場2s .jpg  わき水広場1s .jpg

野川沿いを、いろいろな生きものを採ったり見たりレクチャーを受けたりしながら歩き、終点はわき水広場。ここはわき水からのきれいな流れがあり、水生昆虫の観察に良い場所です。

調査隊初観察のゲンジホタルやクロスジヘビトンボの幼虫などなど、もっと観察を続けたいような活気にあふれた調査会でした。観察したうちのいくつかの生きものは、このあとの記事で紹介します。

 
posted by はけの森調査隊 at 11:17

2009年04月06日

★活動報告 2009年度はけの森ミニ調査会@ 

はけサクラs.jpg はけミニ1-1.jpg

はけの森ミニ調査会1 
09/04/04実施 はけの森緑地2にて 天気 晴れ 気温17℃ 参加13名

ソメイヨシノは満開、カントウタンポポが咲きはじめました。例年にくらべ虫の気配の少ない4月ミニ調査会でしたが、落ち葉の中・朽ち木や石の下などを熱心に探索、それぞれにいろいろなものを見つけました。後半は池の中の生きもの調べと、池掃除をしました。

<観察したもの>

陸上:
キイロテントウ・アシブトハナアブ・ヨトウガの幼虫・不明昆虫のサナギ・
ギンメッキゴミグモ・マクラギヤスデ・ムカデのなかま

水中:
ヤブヤンマの幼虫×2・ユスリカの幼虫(アカムシ)多数・ハナアブの幼虫・
ザリガニの幼体×2・ヒキガエルの幼体(オタマジャクシ)多数

顕微鏡s.jpg   不明昆虫のサナギs.jpg
    「かわいいね〜」     朽木の皮の下にいた不明昆虫のサナ(腹側)
                 体長約10mm


posted by はけの森調査隊 at 21:08

2009年02月23日

★活動報告 第55回はけの森調査会<野川冬マップA>

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第55回はけの森調査会<野川冬マップ2>
09/02/21実施 天気 晴 気温10℃ 参加10名

良く晴れた、寒い1日でした。
野川に沿って歩きながら、
隊員も初めての参加者も、元気にいろいろな生きものを観察しました。

葉を落とした木々には、いくつものミノムシやガのマユ、
建物の壁や廂(ひさし)のすみには冬越ししている昆虫や、何かの卵や抜け殻、
降り積もった落ち葉の中には昆虫やクモ、土壌生物、
水の中にはカゲロウ・トンボの幼虫など。
目立たない所でそれぞれに冬越ししている生きものたちを探し、
その様子をじっくりと観察するのは、夏とはまた違った面白さがあります。
  
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 公園入口付近 (もみじばし)     エノキ          わき水広場手前(くぬぎばし)
posted by はけの森調査隊 at 11:23