「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」8巻発売記念 伏見つかさ先生インタビュー 前編
※このインタビューでは、『俺の妹(8)』に関する内容について一部触れております。『俺の妹(8)』読了後にお読みいただくことを推奨します。
■7巻発売から半年。ようやく新刊発売!
三木一馬さん(アスキー・メディアワークス 電撃文庫副編集長 『俺の妹』担当編集):思い起こせば半年前。7巻が出たときにインタビューしていただいて以来、めっきり音沙汰が無くて、捨てられたのかと思いましたよ……。
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」8巻発売記念インタビュー 伏見つかさ先生と、担当編集の三木一馬さん |
―――そんなことないですよ!?
三木:いや、いいんです。アキバBlogさんはいろんな時事ネタ取り扱わないといけませんし……。寂しいけど頑張ります。
―――せっかく久しぶりの新刊記念インタビューなのに、こんな出だしやめてください(笑)。というか、僕らとしては本が出ないと……。
三木:何で出なかったかというと、伏見さんがアニメにかまけてたからです。(キリッ!
伏見つかさ先生(以下、伏見):え!? ……ほ、本当にすみません。
三木:今もかまけざるを得ないんですが(笑)、かまけたおかげで凄く質の高いアニメができましたので、良かったと思います。ただ最近、萌えニュース板で桐乃のニュースが出た瞬間、3レス目くらいに「オワコン」って書かれたんです。それだけが心残りですね。
一同笑い
伏見:三木さんは最近オワコンという単語によく反応していますよね。この前も「僕ってマルチタスクなんだよね」って言いながら、アフレコ中にメールとブラウザゲームとさらにネットまで同時に見ていて、突然「『三木一馬はオワコン』って書かれてる!」とノートパソコンの画面を見せつけてくるということがありました。
―――(笑) アニメも毎月リリースされていますが、第1巻のキャラコメンタリーに実写の竹達彩奈さんが出ていてビックリしたんですけど、あれは伏見先生のアイディアですか?
伏見:はい。ダメ元で言ってみたら、本当にやることになってびっくりしました。
一同笑い
伏見:予定では一度きりのサプライズで終わるはずだったのですが、プロデューサーが「もう一度やりましょう」と予算を増量してくださいまして、あともう一回、キャラコメには誰かが出てきます。楽しみにしていてください。
アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」
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―――ではまず、アニメの話題からいきましょう! TV未放映回である第12話(TRUE ROUTE)から第14話までが公開されました。
伏見:第13話の見所は、赤城瀬菜の腐女子バレのシーンです。「超腐ってますよー」のところ、変なポーズでしたよね。あれ何なんでしょうね?(笑) 9話の黒猫の邪気眼ポーズといい、アニメスタッフはいつも「俺の妹」に新しい面白さを追加してくだっていて有り難いです。 第14話も瀬菜に注目です。プレゼンシーンでは、作中の資料でガチホモRPGのイラストまで作っていただきました。伊瀬茉莉也さんの演技も毎回素晴らしいので、ぜひ観て欲しいです。14話の脚本を作る際、倉田さんに「伏見さん、この伏せ字ってなんて言ってるの?」って聞かれたんですよ。「はいはい、そこはアナルファックですよ」と正直にお答えしていたら、完成した脚本にそのまま反映されていて焦りました(笑)
―――なぜ、TVオンエア版の第12話[GOOD END]と[TRUE ROUTE] に分岐したのでしょうか?
三木:この小説自体、エロゲーを好きな子が悩みを打ち明ける話だったので、節々にゲームのあるあるネタがいっぱい入っています。その最たるものが第1巻最後の「助ける、助けない」みたいな選択肢だったんですけど、それをアニメーションでもやれないかっていうアイディアがあったのと、スタッフ側からも「もっとアニメを作りたい」という意欲的な意見をいただいたので、じゃあ片方は正式ルートで、もう片方はTV放送が終わるキリの良いところにしようと。内容もちょうど桐乃が海外に渡米するところだったので、そこに当て込んだ形になりました。
―――BADエンドはやらないんですか?
三木:それやるとしたら、桐乃や黒猫が(ピー)とかされるんですよね?
伏見:そういうのはいつもアキバBlogさんで紹介してくださっている『俺の妹』の同人誌でやっていただけると思います(笑)
三木:前にアキバBlogさんで、ランキングのTOP10まで全部『俺の妹』同人誌っていうのありましたね……圧巻でした。
伏見:それについては、私からのコメントは控えさせていただきます(笑)
(版権元の編集者、苦笑い)
三木:映像以外のところで言うと、原作小説の表紙は「桐乃と京介の二人」っていうルールがあって、なかなか他のキャラクターが表紙に出られないんですが、BDジャケットのイラストはもっと自由に、ストーリーのワンシーンを切り取ったような絵になっているので、そういう面も楽しんでいただければと思います。
伏見:今回のアニメでは本当にたくさんの方にお世話になって、感謝の気持ちでいっぱいです。スタッフさんや声優さんにもお礼を言いたいし、観てくれた視聴者のみなさんにもお礼を言いたいです。 これを言うのはちょっと早いのですが、全スタッフの皆様、視聴者の皆様、ありがとうございました! 素晴らしいスタッフに恵まれて、全力で楽しんで盛り上げてくださった視聴者がいて……この一年間で、すでに一生分の幸運を使い切ったような気がしています。もういつ死んでも悔いはありません。
PSP 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない ポータブル」
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■『俺の妹ポータブル』も大ヒット御礼!
―――PSPでゲームも発売されましたが、ファンからの反響はありましたか?
伏見:はい。「お前が全部書けよ」って言われました。
一同笑い
伏見:あと「お前が書いたルートは短い、もっと長く書け」とか。そういう風に言ってくれるってことは面白かったということなので凄く嬉しいんですけど、反面、本当に力不足を感じています。ベストを尽くしたと以前どこかでコメントしたんですけれど、それでも足りていなかったといまは思います。
三木:いや、あれは限られた時間内でベストを絶対尽くしてますから! おかげさまで評判は非常によかったです。バンダイナムコゲームスの二見鷹介プロデューサーが社内で天狗になってますから! ……って、これをいろんなところで言いまくっていたら、「お前が天狗だろ」ってTwitterで言われてもの凄く落ち込みました。
伏見:三木さんは天狗なんかじゃないですよ。どちらかというと鬼です(笑)
―――『俺の妹』編集の三木さんや小原一哲さんもテキストに参加されているとコンプリートガイドに書かれていました。
三木:伏見さんはあやせと加奈子ルートを98%くらい書いていて、僕は麻奈実編を、小原が沙織編を監修しました。シナリオを書くにあたって、僕がさんざん伏見さんに「シナリオ書く暇があったらほかにやることあるでしょ!?」ってお母さんみたいなこと言ってたんですけど、いざ自分が監修する側になると、やっぱり直すね!
伏見:今、かなりソフトに言いましたよね。本当はもっと酷い言い方でした。「お前が書かなくてもユーザーは気にしない」とか……。
一同笑い
三木:そ、そこまでは言ってませんよ……! たぶん……。
伏見:おかげで「見てろよこの野郎!」と発憤することができたので、今にして思えば、すべて計算尽くの激励だったのかもしれません。
―――アニメやゲームなど怒濤のメディアミックス展開で、伏見先生が影響されたこと、感じたことはありますか?
伏見:ゲームのifシナリオは書いていてすごく面白かったので、原作でも似たようなことができないかなと考えています。第9巻は今までとはちょっと違うアクロバティックな内容になると思います。アニメの第1巻にも特典小説を書いたんですが、たとえば桐乃視点だったり黒猫視点だったり未来の話だったり、そういう変則的な話を今後はガンガンやっていきたいです。
三木:ブルーレイ/DVDの第1巻に付属した黒猫視点の小説が面白くて、「ちょ、マジ? あれアニプレックスさんのものなのかよ」って悔しいです(笑)
伏見:あとは、自分より実力が上の方に書き直してもらえるという機会がありました。アニメの脚本家である倉田英之さんや、アンソロジーやコミックなどを担当してくださった漫画家さんたちの事なんですけど、「なんで俺こう書かなかったんだろう」って思うことが何度かありまして、自分はまだまだだなと思い知りました。
メディアミックス自体は上手くいったという評価をいただくことができましたが、それは私以外のすべての皆さんのおかげで、原作者はダメダメでしたね。特に原作小説の刊行ペースが落ちたのは言い訳のできない失態です。この一年間、あとで後悔しないように、ファンに喜んでもらえるようにと色々なことにチャレンジしてきましたが、一区切りがついたいま自分の無力さを痛感しています。ゲームシナリオ、アニメ脚本、舞台脚本、ラジオ脚本、特典映像、読者投稿企画――それぞれについては、楽しんでいただけた、やった甲斐があった、という手応えがあるので、「やらなければよかった」とは思っていません。自分のベストを尽くしましたが、実力不足で、ベストな結果は出せませんでした。これからどうすればリベンジすることができるのか、ずっと考え続けています。
三木:どうですか、この電撃文庫のハンカチ王子は!?
一同笑い
「千葉ウォーカー」に載った、モデル桐乃のお仕事 |
―――ほかにも、様々な企画が『俺の妹』にはありましたよね。
三木:メディアミックス的には、桐乃さんがモデルデビューをして『週刊アスキー』の表紙になったり、『週刊ヤングジャンプ』(集英社)の新増刊「アオハル」にモデルとして登場したり、『千葉ウォーカー』にも女子中学生モデルとしてのインタビューが載りました(お仕事実績)。アニメ以外でも現実世界で桐乃がいろいろ応援していくという、日本を元気づかせるイベントをやっていきたい! この展開はまだまだ続きますので、詳しくは電撃文庫『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』β版公式サイトにて、よろしくお願い致します。
―――そのタレント活動に、新情報があるということもきいたんですが……?
三木:そうなんです。そのうちの一つをご紹介します。アニメでも実際に登場した千葉モノレールさんのご好意で、桐乃と黒猫が車掌になりました! 。千葉駅近辺で、記念切手が発行されますので、よろしければ皆さんチェックしてみてください! 5月14日(土)の10時から、発売開始です!
5月10日発売 「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」8巻
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■またもやアキバBlogにて、初出の重大発表が!
―――そろそろみんなが知りたい電撃文庫『俺の妹』最新刊についてお伺いします。第7巻をあのヒキで終わるのはズルいんじゃないかと! 二人が付き合うってどういう事なのかと、ファンはずっとやきもきしていたと思います。
伏見:本当にお待たせして申し訳ない。
―――謝っちゃった!
伏見:強い引きで終わったのだから、もっと早くお届けするべきでした。半年も待ってくださって本当にありがとうございます! 内容について作者が解説しすぎるのは野暮かなとも思いますので、さらっとだけ。8巻は既刊と色々な意味で対照的なエピソードを扱っています。「妹に彼氏ができたとき、兄はどうするのか」、「兄に彼女ができたとき、妹はどうするのか」、そのあたりに注目していただければと思います。
―――桐乃ファンでいうと、心が痛みますね。心が痛むけど痛む時に「あー僕は桐乃のことが好きなんだ」と自覚します。たぶん京介視点か、桐乃視点か、どちらかに視点を置いて読むことで感想は変わってくると思います。
三木:これは物語のひとつの節目ではあるけど、終わりでありません。今回は『黒猫無双』でしたが、次回は『桐乃無双』かもしれません。その辺は、双方のファンの皆様に幻滅されないよう頑張っていきたいと思いますので、ブログとかで場外乱闘しなくても大丈夫ですので……!
伏見:テーマは置いておいて、8巻の見どころは可愛いヒロインとのイチャイチャシーンです。
三木:おっと伏見さん、第8巻の具体的な内容についてはインタビュー後編で詳しく紹介しましょう! えー、実は今回、もうひとつ仕掛けが施されておりましてですね!
―――はあ、いったいなんでしょう?
三木:この8巻もとある会社さんにパートナーになってもらって、新たな試みを行ったんですよ! その方々をお呼びします! どうぞ! ガラッ!!
ガラッ!! |
二等兵金子さん:MAX FACTORYの二等兵金子と申します。
白虎かなめさん:電撃ホビーマガジンやフィギュアマニアックス乙女組でフィギュア関係のライターをさせていただいている、ライターの白虎かなめと申します。
三木:この二人にご協力いただいて、「第8巻の作中で登場する新ヒロインをいきなりフィギュアにする」というプロジェクトを展開いたします! フィギュアは原型の製作過程があったり本来は製作決定から発売までかなり時間がかかるものなんですが、今回はなるべく早く、ホットなフィギュアを届けるというこのプロジェクト。そのめんどくさ……いや、大変なお仕事に、MAX FACTORYさんがチャレンジしてくれました! 詳細ですが、作中のとある新ヒロインが、あの高クオリティで名高いfigmaとなって、いきなり登場!というわけですね!
―――新ヒロインですか? それは一体、誰なんでしょうかっ!?
三木:詳しくは2回目のインタビューで!!
―――だと思いました!!
ここで『俺の妹』アニメ放送記念 伏見つかさ先生サイン入りアニメポスタープレゼント
■受付メールアドレス:oreimo2@gmail.com
■受付期間:2011年5月6日(金)~2011年5月18日(金)
■ハンドル/ペンネーム (本名ではなく)
■メール件名に必ず「俺の妹サイン入りグッズ希望」とお書きください
■アニメ&原作の『俺の妹』に期待することがあれば教えてください
■ほか、伏見つかさ先生、かんざきひろ先生への応援メッセージがあればお書きください
・当選者への当選お知らせメール 5月末頃予定
・申込は1人1件まで。複数申込は無効。申込多数の場合抽選となります
・当選発表は、当選者への当選お知らせメールをもってかえさせていただきます
・当選お知らせメールの際、お届け先とお名前をご返信ください
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重版再入荷 初版よりもタクサン → また売り切れ
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」 売り切れてる
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」 かーずSP・
アキバBlogが名指しで登場
【関連リンク】
俺の妹がこんなに可愛いわけがない
公式サイト
俺の妹がこんなに可愛いわけがない
- Wikipedia
伏見つかさ氏のブログ 「LUNAR
LIGHT BLOG」
かんざきひろ氏のブログ
「tabgraphics_blog」