岐阜市の大西隆博市議（４７）が１１年度の政務調査費で自己啓発のＣＤ教材に５８万５０００円を支出したのは不当として、同市黒野の整体治療院経営、別処雅樹さん（６３）が２７日、市に全額を返還させるよう住民監査請求した。

　請求などによると、大西市議は１１年９月、自己啓発ＣＤ教材の購入費６５万円のうち、５８万５０００円を資料費名目で政務調査費から支出した。同市議会は政務調査費の運用指針として「個人的な趣味、嗜好（しこう）の雑誌、書籍類の購入は認めない」と定めており、別処さんは「市政の課題とは何の関連性もないもので、個人的事情により購入している」と違法性を指摘している。

　大西市議は毎日新聞の取材に「言葉によってプラス思考を頭に定着させるという興味深い内容だった。精神疾患を持つ人の社会復帰のための手段として、活用できると考え購入した」と正当な支出だったと主張している。【梶原遊】