■ 見せ場はクライマックス、アクション、そして音楽
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これまで「忍たま」は、原作もあれば、アニメも舞台もある。映画ならではのオリジナリティーをだすのが大変そうですが。
―― 田崎
僕は自分のオリジナルを持ち込もうとはあまり考えないタイプなんです。それは過去にわたしが手掛けた仮面ライダーなどでもそうですね。作品の世界に浸れればいい。自分を出そうとはあまり考えていないです。
-- AA
「忍たま」の忍たまらしさは、どこにあると思いますか。
―― 田崎
原作とアニメを見て思ったのは、『戦国時代』のクラブ活動化だなと。戦国時代は通常通りに描くと、多くの人が死んで、傷ついて、という世界になりますよね。でもそうした戦国時代のなかで創意工夫が生まれたり、マイナス面でなくてプラスの面をクラブ活動的に描いていくということがこの「忍たま」には必要だと思いましたし、それをきちんとやり続けているのが原作だと思っています。
明るいテイストで戦国時代を描き、逞しく生きていく子供たち。林遼威くんが演じるきり丸は、家族全員が亡くなっていて土井先生の家に下宿しているんです。そうしたバックグランドを持っていても表に出さずに明るく笑える物語になっているところが「忍たま」の良さであり、らしさだと思っています。
他にもきり丸がお金を稼ぐために“アルバイトする場面”が出て来るんですよ。リアリティは適度にしつつ、こだわるとこところはこだわる。忍術は水遁の術、火遁の術という荒唐無稽な物よりも、いまでいう二重スパイの『袋返しの術』などを忍術として原作では描いているんです。そこは尼子先生がよく調べていらして、まさにリアルを追及しているという部分だと思います
ある方向ではケレン、こちらの方向ではすごくリアル、リアルとケレンの方向が一定じゃないんですね。そうしたことを続けていいるのが、原作の『落第忍者乱太郎』、そして『忍たま乱太郎』のいいところじゃないかな。そこはこの映画でも受け継ごうとしています。
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映画を撮る上での監督ならではのこだわりはありますか?
―― 田崎
映画のこだわりは生きている人間が演じるということでしょうか。今回は、いい役者さんが多く出演しています。こういう方たちが、子供の目線に降りてきて芝居をするのは本当は難しいはずですよね。でも、それをちゃんとやっていただいて感動しました。
-- AA
最後に映像として見せ場をご紹介いただけますか。
―― 田崎
映像としての見せ場はクライマックスでしょうか。キクラゲ城にみんなで乗り込んで行っての戦いのシーンは、見応えがあります。
みなさんは映像に目がいくとは思うのですが、今回は音楽を佐橋俊彦さんがやっておられます。非常に「忍たま」の世界にぴったりの音楽を書いていただきました。クライマックスも、佐橋先生の曲が素晴らしい盛り上げをしていますのでアクションに加えて音楽も注目していただければ嬉しいです。
映画『忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段』
7月6日(土)全国ロードショー
http://www.nin-tama.com
写真:(c)2013「忍たま乱太郎 夏休み宿題大作戦!の段」製作委員会