【球宴】雄星、負けん気１回無失点！花巻東０封リレー

６回から登板し１イニング無失点の菊池

　◆マツダオールスターゲーム２０１３第１戦　全パ１―１全セ（１９日・札幌ドーム）　札幌ドームが「大谷劇場」と化した。日本ハムの二刀流ルーキー・大谷が５回から登板し、プロ最速タイの１５７キロをマークして１回を無失点。６回の左翼守備では二塁へノーステップ送球を披露。打撃では無安打に終わったが、１９歳ながら存在感を発揮した。試合は１―１で引き分け、全パが通算７８勝７３敗１０分け。ＭＶＰは３回無失点の巨人・沢村が受賞した。第２戦は２０日午後６時５分から神宮球場で行われる。

　雄星の負けん気が最高潮に達した。６回２死二塁、巨人・阿部の外角高め１４２キロ直球を投げ込んだ。打球は二塁に転がる。チェンジだ。球宴デビューは１イニングを無安打無失点。「大谷のプレーだったり、みんなに助けてもらいながら、楽しく投げられた」。全１３球中１２球で直球勝負を挑んだ。ベンチに戻ると、花巻東の３学年下の後輩をグラブタッチで迎えた。

　登板前、ブルペンでは大谷と並んで投球練習をした。「２度とないかもしれないと、楽しみながら投げた。ああいう直球を投げたいと、ほれぼれした」。６回、その１９歳からバトンを引き継いだ。先頭の西岡をストレートの四球で歩かせ、１死二塁のピンチを招いた。バレンティンとの勝負では、左翼・大谷へ強烈な打球が飛んだ。大谷は捕球後、二塁へレーザービームで送球。「打って、投げて、本当にすごい選手。あらためていい後輩だなと思った」。マウンドから、底知れぬ能力を実感した。

　同じベンチから初めて見つめたマー君の投球にも目を見張った。「中２日で常時１５０キロを超えるなんて…。あと３日あるので、一言でも二言でも話ができたら」。ひと夏の貴重な経験は、真のエースになるための糧にする。