【球宴】マー君、中２日でも２回１６球完全！

ＭＶＰの沢村（左）に話しかける敢闘賞の田中

　◆マツダオールスターゲーム２０１３第１戦　全パ１―１全セ（１９日・札幌ドーム）　札幌ドームが「大谷劇場」と化した。日本ハムの二刀流ルーキー・大谷が５回から登板し、プロ最速タイの１５７キロをマークして１回を無失点。６回の左翼守備では二塁へノーステップ送球を披露。打撃では無安打に終わったが、１９歳ながら存在感を発揮した。試合は１―１で引き分け、全パが通算７８勝７３敗１０分け。ＭＶＰは３回無失点の巨人・沢村が受賞した。第２戦は２０日午後６時５分から神宮球場で行われる。

　これが、前半戦を無敗で終えた田中の実力だった。初回２死。バレンティンへの初球に自己最速タイの１５５キロをマーク。一邪飛に抑え、セの本塁打キングとの力勝負に圧勝した。「オールスターで、こんなにパーフェクトに抑えたことはない。無事に終わることしか考えてなかったけど、逆に良かったんじゃないですか」。２イニング、打者６人をわずか１６球で料理。ＭＶＰは同世代の沢村に譲ったが、敢闘選手賞を受賞した。

　余裕の完全投球だった。２回にはブランコを１４３キロのＳＦＦ（スプリットフィンガードファストボール）で空振り三振。「武器であるスプリットを（１球も）投げないのもどうかと思ったので」。ともに３０発を超える２人の強打者を手玉に取った。

　中２日の強行登板。１６日のオリックス戦（京セラＤ）で１０５球を投げたばかりだった。当初は１５日の同カードに中５日で登板するプランもあったが、星野監督は「そうすると中３日になるけど、確実に（中６日で万全の状態にする）と思った。（ＭＶＰよりも）もっと大きな賞を取ってほしい」。球宴よりチームの後半戦、球団初優勝を最優先し、中２日の登板にゴーサインを出した。

　札幌入りした１８日、母校・駒大苫小牧に足を延ばした。２０日に南北海道大会の準決勝が行われる。「育ててもらった地で、応援してもらった地。僕も頑張っている姿を見せたい」。６年ぶりの甲子園を目指す後輩の背中も押した。「オールスター期間中もしっかり練習しないと、足をすくわれかねない。オン、オフをつけていきたい」。後半戦も、連勝が止まる気配はない。