2007-02-06 22:39:21

日本人のファーストネイム

テーマ:言葉・言語

私の名前(ファーストネイム)は「やすのり」である。

(漢字からはなかなか正しく「やすのり」とは読んでもらえないが・・・)


日本で、いわゆる「姓・名」という形で西洋のfamily nameとfirst nameに

当たるもの(順番は逆だが)によって個人の名前が構成されるように

なったのは、明治以降のことだが、姓においても名においても日本は

その数がものすごく多い(ますます多様化している)ということはたしか

のようだ。


日本人の名前を西洋人が発音する場合、

発音しやすい名前 と 発音しにくい名前 がある。


どちらかと言うと、

男性の名前の方が、女性の名前より発音しにくい

ことが多いようである。

なぜかと言うと、大体、現在の日本人の男性の名前は、

「漢字2文字、それぞれカナにすると2文字で、カナが4文字」

で構成されていることが多い。

たとえば、敏明(としあき)、雅和(まさかず)、博文(ひろぶみ)

のような名前である。

この方が、漢字で見たときの構えも、発音した場合もなにか

「男性らしい」「がっしりした」イメージになるからなのかもしれない。


それに比べて女性は、カナにして2文字か3文字の名前が多く、

むかしは最後に「子」がつく名前が普通だったため、漢字2、3文字、

カナでも3文字というのが多かったが、最近では漢字2文字

カナでも2文字(たとえば、佳奈・里香・美穂など)という名前が

特に多くなっているように思う。


で、なぜ日本人男性の名前が西洋人に発音しにくいかというと、

日本語の場合、(「ん」を除くと)各々のカナにはすべて母音が

含まれているため、文字数が多くなれば多くなるほど、音節

が増えてしまうからである。


たとえば、私の名前、「やすのり」は、

日本人ならば4つのカナの音を均等に、しかも高さをそう変化させずに

「や-す-の-り」と発音することができる。

(私は、親からはそのように呼ばれて育った)


しかし、西洋人はかならず母音のある音節のどこかにアクセント

つけないと、名前を読むことができない。


したがって、私の名前の場合、

カタカナを用いて極端に表記すると、どこにアクセントを置くかで


1. すのり


2. やのり


3. やす


のどれかの形で、発音されることが多い。

(厳密には1.だと、「やあすのー」、2.だと「やすうのー」に近い発音に

なる。「り」にアクセントを置いて、「やすの」というのは、その前の

「やすの」を一気には発音しにくいので、まずありえない)


もっとも日本人でも、2.に近いような形で私の名前を発音する人は

いないわけではないが、「す」につけるアクセントは西洋人の場合より

は弱い。


やはり一番多いのは、3.である。


こう呼ばれると、日本語の感覚としては「やす」が「のり」にくっついて、

それを形容しているような感じになるため、私としてはなんだか

「やすいのり(=安物の海苔)」と呼ばれているようで、

なんかしっくりこないのであるが・・・


省略して「やす」と呼んでもらってもいいのだが、

故レーガン元大統領と「ロン-ヤス」の関係と言われた

某元総理大臣みたいになる・・・



なので、これから子どもをつくられる人で、

子どもが海外に出ても発音してもらいやすい名前をつけよう

と思えば、一番いいのは、

漢字1文字で、それを音読みするような名前であろう。

(たとえば、純(Jun)、翔(Shou)、健(Ken)、藍(Ai)など)


この「漢字1文字タイプ」というのは、男の子でも女の子でも

大丈夫な名前がけっこうあるので、性別がわかる前から

決めておくことができるのも便利である。


こういう名前、けっこう最近増えている気もするのだが、

実際どうなのだろうか?






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