日本人のファーストネイム
テーマ:言葉・言語私の名前(ファーストネイム)は「やすのり」である。
(漢字からはなかなか正しく「やすのり」とは読んでもらえないが・・・)
日本で、いわゆる「姓・名」という形で西洋のfamily nameとfirst nameに
当たるもの(順番は逆だが)によって個人の名前が構成されるように
なったのは、明治以降のことだが、姓においても名においても日本は
その数がものすごく多い(ますます多様化している)ということはたしか
のようだ。
日本人の名前を西洋人が発音する場合、
発音しやすい名前 と 発音しにくい名前 がある。
どちらかと言うと、
男性の名前の方が、女性の名前より発音しにくい
ことが多いようである。
なぜかと言うと、大体、現在の日本人の男性の名前は、
「漢字2文字、それぞれカナにすると2文字で、カナが4文字」
で構成されていることが多い。
たとえば、敏明(としあき)、雅和(まさかず)、博文(ひろぶみ)
のような名前である。
この方が、漢字で見たときの構えも、発音した場合もなにか
「男性らしい」「がっしりした」イメージになるからなのかもしれない。
それに比べて女性は、カナにして2文字か3文字の名前が多く、
むかしは最後に「子」がつく名前が普通だったため、漢字2、3文字、
カナでも3文字というのが多かったが、最近では漢字2文字
カナでも2文字(たとえば、佳奈・里香・美穂など)という名前が
特に多くなっているように思う。
で、なぜ日本人男性の名前が西洋人に発音しにくいかというと、
日本語の場合、(「ん」を除くと)各々のカナにはすべて母音が
含まれているため、文字数が多くなれば多くなるほど、音節
が増えてしまうからである。
たとえば、私の名前、「やすのり」は、
日本人ならば4つのカナの音を均等に、しかも高さをそう変化させずに
「や-す-の-り」と発音することができる。
(私は、親からはそのように呼ばれて育った)
しかし、西洋人はかならず母音のある音節のどこかにアクセントを
つけないと、名前を読むことができない。
したがって、私の名前の場合、
カタカナを用いて極端に表記すると、どこにアクセントを置くかで
1. やあすのり
2. やすうのり
3. やすのおり
のどれかの形で、発音されることが多い。
(厳密には1.だと、「やあすのー」、2.だと「やすうのー」に近い発音に
なる。「り」にアクセントを置いて、「やすのりい」というのは、その前の
「やすの」を一気には発音しにくいので、まずありえない)
もっとも日本人でも、2.に近いような形で私の名前を発音する人は
いないわけではないが、「す」につけるアクセントは西洋人の場合より
は弱い。
やはり一番多いのは、3.である。
こう呼ばれると、日本語の感覚としては「やす」が「のり」にくっついて、
それを形容しているような感じになるため、私としてはなんだか
「やすいのり(=安物の海苔)」と呼ばれているようで、
なんかしっくりこないのであるが・・・
省略して「やす」と呼んでもらってもいいのだが、
故レーガン元大統領と「ロン-ヤス」の関係と言われた
某元総理大臣みたいになる・・・
なので、これから子どもをつくられる人で、
子どもが海外に出ても発音してもらいやすい名前をつけよう
と思えば、一番いいのは、
漢字1文字で、それを音読みするような名前であろう。
(たとえば、純(Jun)、翔(Shou)、健(Ken)、藍(Ai)など)
この「漢字1文字タイプ」というのは、男の子でも女の子でも
大丈夫な名前がけっこうあるので、性別がわかる前から
決めておくことができるのも便利である。
こういう名前、けっこう最近増えている気もするのだが、
実際どうなのだろうか?
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