東京電力の広瀬直己社長は19日、東京都内で記者会見を開き、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働が進まない場合の電気料金の再値上げについて「最後の手段だ。絶対に値上げしないと今の段階で申し上げるのは無理」との考えを述べた。
柏崎刈羽原発の運転再開には、地元自治体の了承と原子力規制委員会の安全審査が必要。ただ、新潟県の泉田裕彦知事が再稼働に難色を示し、東電は審査の申請すら出せていない。
広瀬社長は泉田知事との再会談について、「(外遊から22日に)帰国後にお会いできるチャンスがあると期待して、調整してもらう」と述べるにとどめた。
規制委は柏崎刈羽原発の審査を後回しにする方針で、申請できても再稼働には1年以上かかる見通し。広瀬社長は「事実だとすれば困る」と語った。
東電は昨年4月に企業向け、同9月に家庭向け料金を値上げした。利用者の反発は強く、「(再値上げは)できる限り避けたい」(広瀬社長)考えだ。だが、今年度内の再稼働は難しい情勢。こうした中、金融機関の融資継続の判断に影響する平成26年3月期決算の黒字転換を実現するには、再値上げが最有力手段とみられている。