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【プロ野球】

マー君 マエケンを圧倒 熱い88年組対決

2013年7月20日 紙面から

◇マツダオールスターゲーム2013 第1戦 全セ1−1全パ

全パ−全セ 第1戦に先発、2イニングを完璧に抑えた楽天・田中=札幌ドームで(潟沼義樹撮影)

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 本能がムキ出しになった。開幕13連勝の絶対エースが真っ向勝負で北の大地を揺るがした。楽天・田中がセの猛者を力で抑え込む。2イニングを6人でピシャリ。直球は自己最速タイの155キロをマークし、敢闘賞のオマケも付いた。

 「まさかこれだけ投げることができるとは…。ビックリしました。ベンチでも『球がうなっていた』と言ってもらえたので」。納得の投球に表情が緩む。2回のブランコには「武器であるスプリットを投げないのも、と思った」。捕手の伊藤のサインに首を振り、狙い通り三振に仕留めた。

 高校時代を過ごした北海道での球宴。母校の駒大苫小牧は南北海道大会を勝ち進んでいる。田中は前日、関係者を通じて激励。この日の試合前には「後輩たちは土曜に準決勝がある。僕も頑張っている姿を見せたい」と意気込んでいた。

 ただ、なぜか球宴では結果が出ていなかった。高卒新人で出場した07年は「肩身の狭い思いをしていた」という。先発した第2戦では、2イニングで当時の球宴ワーストとなる6失点。その後の4度の出場もいまひとつ。球宴での完全投球は、今回が初めてだった。

 自信がないのか、前日には弱気発言を連発していた。「どう無事に終わろうか、としか考えていない」とまで口にした。フタを開けてみれば、完ぺきな投球内容。「そういう状態が、逆に良かったんじゃないですか」と笑った。

 パの首位を走る大黒柱として、そして球界を代表するエースとして、存在感を見せつけた。「北海道は育ててもらった地だし、応援してもらった地でもある。歓声をいただけて、うれしかった」。悠然とマウンドを降りる。その背中には、絶対エースの風格が漂っていた。 (井上学)

 

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