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【プロ野球】

大谷 球宴二刀流157キロデビュー 13球すべてストレート 1イニングゼロ封

2013年7月20日 紙面から

◇マツダオールスターゲーム2013 第1戦 全セ1−1全パ

全パ−全セ 5回表を無失点に抑えた3番手・日本ハムの大谷(潟沼義樹撮影)

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 どこまでもビッグなルーキーだ。19日、プロ野球マツダオールスターゲーム2013第1戦(札幌ドーム)で日本ハムの大谷翔平投手(19)が5回に登板し、プロ最速タイの157キロを出して、地元の大観衆を沸かせた。その後、左翼を守り強肩も披露。2打数無安打だったが、大舞台でも万能ぶりが輝いた。試合は1−1で9回引き分けだった。

 スターひしめく夢舞台でも、夢の二刀流ルーキーが完全な主役だった。日本ハム・大谷が投げて、守って、打ってのフル回転。栗山監督が「マンガのような球宴に」と話していた通り、いや、マンガより出来過ぎなくらいの夢物語に、大観衆が酔いしれた。「緊張したけどすごく楽しかったし、すごく勉強になった」。大谷自身も初の球宴を楽しみきった。

 ワンマンショーの幕開けは投手。5回、3番手としてマウンドに上がると、1球目から152キロ。ボルテージは上がり続け、DeNA・中村への2球目、157キロの表示に場内の興奮は最高潮。だが、その後は156キロをマークしても、どよめきが起こらなくなった。観客が慣らされたからだ。全13球、すべて150キロ台のストレート勝負。くしくも高校生最速160キロをマークした岩手大会準決勝からちょうど1年。「久しぶりにすごく力を入れて投げた」と、これぞ球宴、というあっぱれな直球勝負だった。

 次の見せ場は、プロでは初めて守った左翼手として。6回から守備に就くと、左飛の際に、二塁走者・西岡がハーフウエーまで飛び出していたのを見逃さなかった。「雄星さんの後ろを守るなんて、思ってもいなかった。なんとかしたかった」と、ノーステップで二塁へ返球。レーザービームは、ワンバウンドでストライク。ギリギリでアウトにはできなかったが、非凡な強肩を見せつけた。

 投・守で魅せた後は、打で笑いも取った。6回裏に打席に立つと、投手はベテランのDeNA・三浦。意表を突く山なりの超スローカーブで、投ゴロに打ち取られはしたものの、体勢を崩されながらもバットに当てる器用さも示した。打った瞬間苦笑いしたが「全く頭になくてびっくりした。テレビでしか見たことない、あの球が来たことに感動。こういう機会をいただけたことがうれしかった」と、一流選手ばかりの対戦を堪能した。

 花巻東高への進学を決めるきっかけになった西武・菊池と、3回からブルペンで並んで肩をつくり、リレーした。菊池が高校3年夏の甲子園で活躍した姿を見て、志望校を自宅から通える近所の高校から花巻東に変えた。夢の始まりと言える存在と、初めて同じチームでプレーした。一つずつ夢をかなえながら、二刀流の完成という大きな夢に向かって突き進んでいく。 (竹村和佳子)

 

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