名古屋グランパスのMF小川佳純(28)が19日、アーセナル目当てに詰め掛ける海外サッカーファンをグランパスの集客につなげるプレーを誓った。22日に豊田スタジアムで行うアーセナルとの親善試合は、この日までに追加販売された見切り席も含めて4万3000席のチケットが完売。観客数のスタジアム記録を更新する可能性もあり、グランパスの選手たちは絶好のアピールチャンスと燃えている。
超満員の豊田スタジアムが、重要な“プレゼンテーション”の場となる。豊田スタジアムの動員記録は、昨年2月のW杯3次予選日本対ウズベキスタンでの4万2720人。グランパスの試合に限ると、2001年10月6日、ストイコビッチ監督の現役引退試合となったレッドスター・ベオグラード戦の4万2185人。今回は新記録の可能性が高まっている。この状況にGK楢崎は「残念です。Jリーグではそんなに入らないのに」と表情を曇らせた。
グランパスの今季豊田での主催5試合の平均は1万6689人。Jリーグでも大入り満員になるのが理想だが、今回は観客増への起爆剤になりえる一戦だ。前選手会長でファン獲得に尽力してきた小川は「グランパスもけっこうやるじゃん、というものを見せられたら。海外サッカーの人気が増えてきているけど、逆にJリーグを好きになってくれる要素はあるということ。どうにかして海外志向のサッカーファンに訴えたい」と力を込めた。
アーセナルは世界的スーパースターは少なくても、精力的に各国の若手を発掘することで質の高いサッカーを継続してきた。根強いファンを持つプレミアの名門から学ぶべき要素は多い。楢崎は「1試合だけいいプレーしても意味はない。常にお客さんに入ってもらえるようなプレーを続けていくこと」と訴えた。ベンゲルVSピクシーの師弟対決は話題性抜群だが、この盛り上がりを一過性で終わらせては、あまりにもったいない。 (宮崎厚志)
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