広島女性遺棄:少女、傷んだ遺体見て自首決意
毎日新聞 2013年07月19日 02時35分(最終更新 07月19日 03時00分)
広島県呉市の灰ケ峰(はいがみね)(標高737メートル)の山中で若い女性の遺体が見つかった死体遺棄事件で、広島市東区の少女(16)が自首したのは、遺棄後しばらくたった遺体を見て、その傷みぶりに精神的なショックを受けたためだったことが18日、捜査関係者への取材で分かった。遺体は13日に発見されたが、死後2〜4週間、経過しており、県警捜査本部は現在、DNA型鑑定で身元の特定を急いでいる。
少女は12日午後1時10分ごろ、母親に付き添われて県警広島東署に自首した。「友達を殺して灰ケ峰に捨てた」と話したため、県警が捜索。13日夕に遺体が見つかり、少女は14日未明、死体遺棄容疑で逮捕された。
少女は6月下旬、新たに逮捕された6人と共謀し、灰ケ峰の山中に女性の遺体を遺棄したとされている。この女性は少女と広島市の高等専修学校で同級生だった女子生徒(16)とみられている。
捜査関係者によると、少女は遺棄後、しばらく日がたってから現場に行き、「遺体を見てその傷みの激しさにとても動揺した」という趣旨の話をしているという。遺体を目撃して以降、精神的に不安定になり、自首することを決めたという。
捜査本部によると、遺体は発見時、損傷が著しく、人物が特定できるような状況ではなかったという。
同事件を巡っては未成年者ら6人が17日、新たに逮捕された。少女も当初「1人でやった」と供述していたが、「みんなで暴行した」と供述を変えたことが明らかになっている。
動機を巡っては、少女が、メッセージなどのやり取りができる無料通信アプリ「LINE(ライン)」で、「(女子生徒に)悪口を書かれて腹が立った」と供述していることや少女と女子生徒が同じ接客業で働き、仕事で金銭上のトラブルを抱えていたことも判明。利益の分配などを巡って、女子生徒ともめていたといい、捜査本部は実態調査を進めている。【黄在龍、石川裕士、中里顕】