犬のフン放置で1000円徴収、巡回スタート
TBS系(JNN) 7月19日(金)20時11分配信
「犬のフンを路上に放置したら1000円払ってもらいます」・・・大阪府泉佐野市で制定された「犬のフン禁止条例」。本格的なパトロールが今週から始まりました。年間460万円をかけたこの取り組み、効果は上がるのでしょうか。「迷惑してますよ、うちの家の前とかでも放置されてるのありますので」
「歩いてたらフンだらけ。くさいし、衛生面に悪いしね」(街の人)
大阪・泉佐野市。世界の玄関口・関西国際空港のあるこの街で今問題になっているのが、犬のフン。そこで、市はある取り組みを始めました。午前7時、「条例違反」と書かれた黄色い紙を作るスタッフ。名づけて「放置フンGメン」。週に3日、1日2回に分けて市内を巡回し、イエローカードを放置されたフンの脇に置きます。飼い主に条例違反を認識させ、自発的な撤去を促す試み。
「これはまた2週間後に回収に来ます」(放置フンGメン)
今年の2月から始めた「イエローカード作戦」。提示して2週間ほど放置し、フンが回収されなければスタッフが処分します。彼らの人件費など対策にかかる予算は年間460万円。全額、税金でまかなわれています。この取り組みについて、犬の飼い主は・・・
「いいんじゃないですか。自分は絶対、そういうこと(放置)は気がとがめてようしません」
「税金が使われていくのは残念ちゃあ残念やけど」(犬の飼い主)
なぜ、泉佐野市は熱心にフンの対策に取り組むのか・・・千代松市長は・・・
「橋を渡れば関西国際空港。多くの外国人が本市に訪れますし、苦情が非常に多く行政に寄せられていたので、それに対してきっちりと対応するという方針の中でやらせていただいている」(泉佐野市 千代松大耕市長)
環境省によると、犬のフンに対する罰則を規定している自治体は86か所。しかし、過料を条例で定めていても、徴収のために見回りなどをしている例はほとんどないというのが実態です。そこで、泉佐野市は全国に先駆け、新たな策を講じました。それは・・・16日、市内を巡回し、放置されているフンを見て回る2人の男性。
「そういう人もいるので、(フンを)放置したまま。1000円の過料を(徴収する)」(巡回の男性)
2人は大阪府警のOB。市の条例に基づき、フンを放置する悪質な飼い主から過料1000円を徴収する「環境巡視員」です。この日は実施初日ということで、特に苦情が多いという市内14か所を重点的に巡回。
「新しいの」
「朝方のやね」
「あれも絶対そうやな」(環境巡視員)
フンを発見することはできましたが、飼い主と遭遇することなく終了・・・。彼らの巡回時間は、平日の午前8時から午後2時まで。夏場、この時間に散歩する人は少なく、課題も浮き彫りとなりました。そして19日・・・
Q.(フンは)減ってますか?
「うん、減ってるよ。これだけ探してないもん。(前が)20個あったから、今、10個あるかないか」(放置フンGメン)
2週間前、同じ場所で巡回した時と比べ、およそ半分以下にまで減っていました。市はこの活動を続ける予定で、より厳しい罰則を設け、さらなる効果を期待しています。
「10月1日から過料を5000円に引き上げる。イエローカード作戦をスタートしてからかなり回収の数が減少している。『飼い犬税』の検討も年内に見極めたい」(泉佐野市 千代松大耕市長)
(19日17:40)
最終更新:7月20日(土)1時21分