谷本石川県知事(右)と会談する阿部知事=18日、金沢市 |
阿部守一知事は18日、2015年3月予定の北陸新幹線金沢延伸開業を見据え、石川県の谷本正憲知事と金沢市で会談した。終了後、両知事は記者会見し、阿部知事は、延伸後の路線の呼称に「長野」を残すよう求めていることについて「利用者への案内方法はJRに検討してもらう必要がある」と説明。東京駅での案内表示や時刻表の表記などで「長野」を残すよう、JR側に求めていく方針を示した。
一方、谷本知事は「(呼称は)おのずから収れんしていく。延伸効果の実の面をどう互いに生かしていくかに光を当てていくことが大事だ」と述べた。案内表示などに「長野」と表記することについては見解を示さなかった。
長野新幹線は1997年10月、正式名称「北陸新幹線」の一部として開業。JR東日本は一時、「長野行(ゆき)新幹線」との呼称を使い、その後、「長野新幹線」に統一した。
呼称をめぐっては、長野県内の沿線自治体や経済団体が「北陸長野新幹線」を念頭に「長野」を残すようJR東日本や国土交通省に要望。阿部知事も2月県会で「正式な路線名は北陸新幹線だが、愛称として『長野』の文字が残ることが望ましい」との考えを示している。一方、石川県など北陸側は、正式な路線名の北陸新幹線に統一するよう主張している。
金沢延伸後の名称の扱いについてJR東日本は、沿線地域の意見を聞きながら、上越妙高駅(新潟県)以西の営業主体のJR西日本とも協議した上で最終的に決めるとしている。
両知事の会談では、金沢延伸後は、現在JRを乗り継いで4時間前後かかる長野―金沢間が新幹線1本で1時間10程度に大幅短縮されることを踏まえ、首都圏や海外からの旅行者にアピールする広域観光商品づくりを事務レベルで具体的に進めることを確認した。