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研究史上最大のウイルス発見=遺伝子2500個、チリ沖で新種―細菌並み・仏大学

時事通信 7月19日(金)10時17分配信

 南米チリ中部の浅い海底の堆積物からアメーバ類に寄生するウイルスを採取し、全遺伝情報(ゲノム)を解読したところ、DNAが約250万塩基対、たんぱく質を作る遺伝子が約2550個もあることが分かった。
 フランスのエクス・マルセイユ大などのチームが新属新種に分類して「パンドラウイルス・サリヌス」と命名。研究史上最大の巨大ウイルスとして19日付の米科学誌サイエンスに発表した。
 ウイルスは自ら増殖できず、細胞の形を成していないので生物ではないとの見方もある。しかし、このウイルスは長さが1000分の1ミリ、幅が1万分の5ミリと小さめの細菌並みで、光学顕微鏡で観察できる大きさ。ウイルスの既成概念に当てはまらず、微生物の分類の見直しにつながるかもしれないという。
 巨大ウイルス探しは、2003年に発表された「ミミウイルス」の発見から盛んとなった。当初は細菌に間違えられたミミウイルスは、直径が1万分の7ミリで遺伝子が約1000個あった。
 エクス・マルセイユ大チームが11年に発表した「メガウイルス・キレンシス」はDNAが126万塩基対、遺伝子が1120個で、これまで最大とされてきたが、パンドラウイルスは大幅に上回った。 
 今回発表された論文では、オーストラリア・メルボルン近郊の池からも新たな巨大ウイルスが見つかったことが報告され、「パンドラウイルス・デュルキス」と名付けられた。大きさはサリヌスと同程度で、DNAは約190万塩基対、遺伝子は約1500個だった。遺伝子の9割超が未知のタイプで、働きが分からないものが多いという。

最終更新:7月19日(金)11時49分

時事通信

 
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