UPDATE 1-G20、OECDの企業課税ルール抜本的見直し案を支持
(内容を追加しました)
[ロンドン/モスクワ 19日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)は19日、経済協力開発機構(OECD)が作成した多国籍企業の課税回避を阻止することを目的とする課税ルールの抜本的見直し案を支持した。
G20が発表したOECDの行動計画は、既存システムは、特にインターネットを使った取引を行う企業への課税においては機能していないと指摘している。
企業の課税逃れは、国家財政悪化、一般市民の怒りもあって各国で問題視されるようになり、課税ルール見直しへの国際的な取り組みに発展した。
OECD租税委員会のディレクター、Pascal Saint-Amans氏は、企業の積極的な課税回避に対する政府の苛立ちが、ルールを見直す「100年に一度」の機会を生んだと指摘。
モスクワのG20財務相・中央銀行総裁会議に併せて行われた記者会見で、フランスのモスコビシ経済・財政相は、「これは大きな飛躍だ」と述べた。オズボーン英財務相は、「各人と各企業は払うべき税金を払う必要がある。これこそが公平な競争社会で事業を行う唯一の方法だ」と述べた。
現行の課税制度では、企業内契約が利益が発生した国から税率が低いあるいは免除されている国へ利益を明らかに移転するようなものでも、それを尊重している。OECDによると、新たなルールでは経済的実態がより重要となる。
Saint-Amans氏は、「各政府はもはや聖域などは気にせず、単なる契約上の取り決めに縛られてはいけないと表明するところまできている。単なる契約上の取り決めで利益を配置することは不可能なはずだ」と記者団に述べた。
同氏は、行動計画は、タックスヘブン(租税回避地)とみなされているスイス、アイルランド、オランダを含むOECD全加盟国の支持を得ていると述べた。
OECDは国際的に適用可能な具体的措置を今後2年で策定する必要がある。
行動計画は、ハイテク、医薬品、消費者関連の企業が活用する課税回避策を挙げ、その中には主要な事業を行っている国に租税の対象となる「恒久的施設」を作らない手法が含まれている。
また、租税回避地に設立した会社をグループの資金、特許など保有する会社とする手法を批判している。
Saint-Amans氏は、二重課税防止を目的に国家間で締結される条約も調査していると明らかにし、既存条約の修正手順が「二重非課税」防止につながる可能性があると述べた。
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