ところがあるとき、彼はうつ病になり、『一緒に死んでくれ』と懇願してくるようになった。それで一気に熱が冷め離婚。うすうす、こいつはヘンだと分かっていたんですが、一瞬でも彼に陶酔した自分を肯定したくて、無理していました」
個性が強い彼女たちだが、意外と家庭志向の人も少なくないという。慶應大文学部卒の少子化ジャーナリスト・白河桃子氏が言う。
「たまたま頭がよくて、偏差値の高い大学に行って、仕事もできてしまうだけで、実は専業主婦願望の人も多いんです。でもそれは、なかなか叶わない。自分より高学歴な男性は少ないし、自分が高収入だと、それを上回る男性もなかなか見つからないからです」
さまざまな苦難を乗り越え、首尾よく結婚しても、知性が仇になりうまくいかないケースも多い。
「某中堅私大を出た夫がバカすぎて耐えられず離婚しました。たとえば、夫が『シェールガス』という言葉を知らなかった時には、本気で失望しました。こんな世間知らずな人といたら、私までバカになってしまうと身の危険さえ感じました」(一橋大法学部卒・33歳)
早稲田大学政経学部出身の野本真理子さん(30歳・仮名)もまた、学歴による障害にぶち当たった専業主婦だ。野本さんは、大手広告会社内定を狙ったものの就活に失敗し、小さな専門商社に入社。理想とかけ離れた地味な日々に鬱屈していたが、子どもができたため退社し、家庭に入ることを決意した。
「主婦の仕事は広い視野と総合判断が必要とされるゼネラルマネージャー職です。家計の財務管理や家族の動線把握とスケジューリング、効率的な家事の時間配分の算出など、家庭という狭いながらも多種多様な側面を持つ世界を、絶妙なさじ加減で差配する面白さがあります。小さな商社でくすぶっているより、絶対自分の能力や学力を活かせると思いました。
でも、どうしても我慢できないのが、夫の実家との付き合いです。江戸時代から続く古い農家で、姑は、私が大学で経済を勉強していたというだけで、『女らしくない』『家事なんてやったことがないんだろう』と決めつけ、『嫁の仕事は黙って男を支えることだ』と、私の意見をまったく聞いてくれません。なにをやるにも、『そういうしきたりだから』という前提条件がある。これが一番忌まわしかった。根拠が破綻した理屈を延々押し付けられるのは、もう限界。意味がない! 私、雅子さまの気持ち、すっごくわかります。夫のことは好きですが、離婚も考えて別居しました。今は、視野を広げるため大学に通い直しています。でも、再就職のアテはなく、将来は不安ですね」
勉強ができることは、生きていく上で一つの武器となる。しかし、それは女性にとっては諸刃の剣になることを、彼女たちの告白は物語っている。
「週刊現代」2013年7月20日号より
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