【激闘 参院選】7・21参院選で、2府4県の6選挙区を抱える近畿では、圧勝が予想される自民党以外の下位争いが焦点となっている。全国的にも注目されるのが、不振が伝えられる日本維新の会の近畿での戦いぶりだ。「発祥の地・大阪」を中心とした近畿で起死回生のきっかけをつかめるのか。選挙プランナーの三浦博史氏が最新情勢を分析した。
維新が近畿で候補を擁立したのは、京都(改選数2)、大阪(同4)、兵庫(同2)の3選挙区。このうち、大阪では党総務会長を務める東徹氏が当選圏内に入り、兵庫の清水貴之氏も2位争いを優位に進めている。
問題は京都だ。
「みんなの党の木下陽子氏が出馬したことで、第3極票を奪い合う維新の山内成介氏は苦戦が続いている」と三浦氏は分析する。近畿は比例代表でも維新の“金城湯池”として期待されたが、ここでも伸び悩んでいる。
「公示直前と比べれば自民党の支持率は落ちている。ただ、自民党から逃げた票は『棄権』に回り、維新など野党が受け皿になっていない」
三浦氏はこう維新に厳しい結果を予測する。
一方、5選挙区で候補を出した民主党は、1人区の滋賀、奈良で苦戦を強いられ、複数区の大阪、兵庫でも劣勢だ。
「近畿全滅」も現実味を帯びる中、希望の光となりそうなのが京都の北神圭朗氏だ。地元の前原誠司元外相が張り付いて全面支援している。三浦氏の分析では、共産党の倉林明子氏との2位争いで、北神氏に反共産票が集まりつつあるという。
民主党が長年議席を死守してきた大阪では、梅村聡氏が4位争いで共産党の辰巳孝太郎氏に追い抜かれた。
三浦氏は「維新から流れた票が自民党に向かっている」と解説。民主党は維新の橋下徹共同代表の慰安婦発言による維新失速を追い風にできず、組織票を持つ共産党が有利になっているようだ。