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アワビ稚貝出荷減少続く/県内
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県栽培漁業振興協会が階上町の県栽培漁業センターで育て、県内漁協に出荷するアワビ稚貝が本年度、成育の初期段階で大量に斃死(へいし)し、出荷予定は約50万個と県内各漁協の出荷希望計約80万個を大きく下回っていることが18日、分かった。出荷作業は同日から本格化したが、稚貝斃死の原因は特定されておらず、関係者は頭を悩ませている。
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同センターは2011年3月の東日本大震災の津波で電動取水ポンプが使用不能になり、保有していた稚貝を県内の他施設に一時避難させるなど対応した。施設整備を進め、本年度出荷分は万全の準備を整えていた。
放流用稚貝は春に採卵し、約1年間かけて育てて出荷する。本年度の出荷のため昨春採卵した稚貝は、2カ月ほどで斃死するものが特に多かったという。
同協会のアワビ稚貝出荷数は2008年度に100万5700個だったが以降は減少を続け、11年度は震災の影響もあり約80万個だった。12年度は63万5800個まで減り、本年度出荷予定の約50万個は08年度実績の半分と、近年になく少ない。
同協会の松橋聡栽培部長によると、同センターは築約30年と古く、細菌が斃死の原因になっている可能性も否定できないという。このため、本年度分の出荷が終わる10月中旬以降、施設の殺菌消毒を行う計画だ。
18日は、昨年3〜7月に採卵し殻長が3センチ弱に成長したエゾアワビの稚貝5万7千個を東通村に出荷した。出荷は5月中旬から始まり、これまでに本県日本海側の3漁協に計2万6千個を出荷。今月は外ケ浜、泊の各漁協への出荷も予定している。松橋部長は「稚貝の販売収入が大きく落ち込むが、今後は従来通りの出荷ができるよう努力したい」と話していた。
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