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運転再開目指す原発審査初会合
7月16日 12時14分

運転再開目指す原発審査初会合
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運転再開を目指す原子力発電所の安全対策を国の原子力規制委員会が審査する会合が初めて開かれ、電力会社4社が5つの原発の対策を説明したのに対し、規制委員会側から、事故時の対応拠点の性能や地震や津波の想定など、今後の審査で注目するポイントについて指摘が出ました。

原発の新規制基準が施行され、電力会社4社が原子力規制委員会に6原発の安全審査の申請をしていますが、16日は、申請が遅れた佐賀県にある玄海原発を除く5原発10基を対象に、審査の会合が初めて開かれました。
午前中の九州電力や北海道電力に続き、午後からは四国電力と関西電力が、地震や津波それに火山の想定や重大事故の安全対策を説明したのに対し、規制委員会側から、今後の審査で注目するポイントについて指摘が出ました。
このうち九州電力が鹿児島県の川内原発について、事故時の対応拠点となる「緊急時対策所」を、当面は仮の施設を使うと説明したところ、規制委員会側から「事故を想定した指揮命令系統や作業員の収容能力を確認していきたい」という考えが示されました。
また、北海道の泊原発を巡っては、「火山灰が最大で40センチ積もると想定しているが、積雪と重なる場合も含めて妥当かどうか確認したい」という指摘が出されました。
このほか、関西電力が大飯原発の津波の評価を巡って新基準の施行前と同じ想定を提出したことについて、規制委員会側が、福井県が試算した津波の想定を考慮していないとして、関西電力の姿勢を問いただしました。
次回の会合は、今月23日に開かれる予定で、規制委員会は、今後、原発ごとに審査のポイントを絞っていく方針です。
16日の安全審査では、5つの原発について安全対策の進捗(しんちょく)状況や立地条件に応じて、今後の審査のポイントが指摘されました。

泊原発

北海道にある泊原発の1号機から3号機については、北海道電力が、最も新しい3号機を優先的に審査するよう求めたうえで、重大事故の対応拠点となる「緊急時対策所」は、ことし10月までに1号機の建屋内に当面の代用となる施設を整備する方針を説明しました。
これに対して、原子力規制委員会側は、代用の施設の使用は、1号機と2号機が停止していることが前提であることを確認しました。
また、火山の噴火による影響評価では、雪の多い地域であることから、火山灰に加えて積雪がある場合も想定して重要な設備への影響を考えるよう求めました。

伊方原発

愛媛県にある伊方原発3号機については、四国電力がおととしの原発事故以前から自主的に行っている地下構造の調査について説明し、今後、地盤を3次元で把握できているかどうかなどを詳しく審査していくことになりました。

川内原発

また、鹿児島県にある川内原発の1号機と2号機については、近くにある活火山の桜島や阿蘇山などで、過去に大規模な噴火で出来たカルデラが確認されていて、九州電力は「現時点で大規模な噴火の予兆はなく、原発が廃炉になるまでに大規模な噴火が起こる可能性も極めて低い」と説明しました。
これに対して、規制委員会側は、火山対策について重点的に審査する方針を示しました。
また、「緊急時対策所」については、平成27年度の完成を目指す一方で、ことし9月までに仮の施設を建設する方針を示したことから、地震や放射線への対策やスペースが十分かどうか審査をすることになりました。

大飯・高浜原発

関西電力は、敷地の高さが9メートル70センチある大飯原発の津波の評価について、福井県がより高い津波を想定したことを受けて、新基準の施行前の規制委員会の検討で見直しを求められましたが、結局、従来の想定となる2メートル85センチとする評価を変えていません。
これについて、規制委員会の島崎邦彦委員が「これまでの議論は『無理な仮定に基づく試算に過ぎない』と考えているのか」と問いただすと、関西電力は、「調査したデータに基づいてもう一度説明したい」と述べました。

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