李会長は海外での秘密資金づくりを目的として、英領バージン諸島に「トップリッジ」「ロングチャーム」など19社のペーパーカンパニーを設立した。李会長は05年から09年にかけ、外資系銀行の香港支店などにペーパーカンパニー名義の口座を開設するなど、外国人を偽装した株式取引で1087億ウォン(約97億円)の差益を得たが、譲渡所得税215億ウォン(約19億円)を支払わなかった。
検察は株価操作や海外での資産隠しについて、捜査を継続する方針だ。また、李会長の秘密資金1000億ウォン以上がソミ・ギャラリーのホン・ソンウォン代表を経由した海外美術品の購入に使われたことも確認。ホン代表の捜査を進める部署に捜査資料を引き継いだ。
ただ、李会長は李明博(イ・ミョンバク)前大統領の実兄、李相得(イ・サンドゥク)元国会議員(セヌリ党)や千信一(チョン・シンイル)世中ナモ旅行会長ら李明博政権の実力者に税務調査に手心を加えるよう働き掛けたとする疑惑については、「捜査に着手するだけの手掛かりがなかった」とした。
今月1日から適用された大法院(最高裁に相当)量刑委員会の量刑基準によると、李会長の起訴事実が全て有罪となった場合、最短で懲役5年、最長で懲役15年8月の判決を受ける可能性がある。
量刑基準の強化に伴い、脱税額が200億ウォン(約18億円)を超えた場合、最低で懲役5年の刑が適用される上、横領や背任の罪を加えると、判決はさらに重いものになるとみられる。