ソウル中央地検は18日、国内外で秘密資金6200億ウォン(約554億円)をつくる過程で2078億ウォン(約186億円)を脱税、横領するなどしたとして、食品を主力とするCJグループの李在賢(イ・ジェヒョン)会長(53)を逮捕、起訴したと発表した。
捜査関係者は「李会長は納税義務を無視し、海外に多額の秘密資金を置き、個人的な用途に充てていた。財閥オーナーによる海外での脱税犯罪を究明した初めての捜査だった」と指摘した。李会長は朴槿恵(パク・クンヘ)政権発足後に逮捕された初の大企業オーナーとなった。
CJグループは「捜査結果を謙虚に受け入れ、裁判に誠実に臨みたい。国民に心配をかけたことを重ねておわびする」とコメントした。
李会長は、他人名義の口座で株取引を行い、譲渡所得税など546億ウォン(約49億円)を脱税したほか、CJグループの国内外の資産963億ウォン(約86億円)を横領。さらに、東京にあるビル2棟を購入し、会社に569億ウォン(約51億円)の損害を与えた背任罪も適用された。このほか、副社長をはじめ、CJグループの現職と元の役員3人も在宅起訴され、中国に滞在している同社の元財務責任者も指名手配された。先月逮捕、起訴されている別の副社長を含め、計6人が起訴、指名手配された。
検察によると、李会長は1998年からこれまで韓国国内で3600億ウォン(約322億円)、海外に2600億ウォン(約232億円)の秘密資金をつくった。捜査関係者は「国内の秘密資金は先代から引き継いだ部分もあるが、大半は会社資金を着服したもので、海外の秘密資金も海外法人の資金を横領したものであることが判明した」と説明した。ただ、公訴時効(10年)が過ぎた秘密資金については、起訴対象から除外された。
国内での秘密資金づくりには他人名義の口座960口が使われた。李会長は2003年から07年にかけ、他人名義でCJグループ企業の株式を売買し、1182億ウォン(約106億円)の利益を得ながら、譲渡所得税238億ウォン(約21億円)を納めなかった。1998年から2005年にかけては、福利厚生費、会議費、交際費を支払ったように見せかけ、会社の資金603億ウォン(約54億円)を横領し、生活費、クレジットカードの決済費用、美術品やワインの購入など個人的な用途に充てていた。