政治クローズアップ
【参院選2013】揺れる雇用 働き方どうする
暮らしに身近な雇用問題。今回の選挙では、私たちの働き方を大きく左右する制度も議論されています。雇用をめぐる争点と各党の政策を紹介。
各党の公約を比較
自民党
- 雇用と所得の拡大
●成熟分野から成長分野への失業なき円滑な労働移動を進めるため、就労支援策を充実させます。今後5年間で、失業期間6カ月以上の人を2割減少させ、一般労働者の転職入職率を9%(2011年:7.4%)にすることを目指します。
●2020年までに、20歳から64歳までの就業率を80%(現在75%)にすることを目標とします。
●本社機能・研究開発拠点・データセンター等の地方移転、地方への新規企業立地促進に、一層の支援を図ります。
●「テレワーク」「農商工連携」「キャリア教育」等の推進により、高齢者も若者も、女性も男性も、障害を抱える方も、ライフステージごとの生活スタイルに応じて働ける地域雇用の場を創出します。
●同一価値労働・同一賃金を前提に、パートタイム労働者の均等・均衡待遇の実現に必要な法整備等を行い、非正規労働者の処遇を改善します。
民主党
-
●今の政府がめざす「解雇の金銭解決制度」の導入、「限定正社員」の名を借りた見かけ正社員づくり、「ホワイトカラーエグゼンプション」、「労働者派遣法の緩和」など労働規制緩和を認めず、雇用の安定をはかります。
●正規・非正規を問わず、すべての労働者の均等・均衡処遇、能力開発の機会を確保します。中小企業支援を行い、最低賃金を引き上げていきます。
●若年者雇用については、学校における職業教育や進路指導、職業相談など就労支援をさらに拡充します。いわゆる「ブラック企業」問題については、求人票に離職率を明記させることをめざします。障がい者雇用を広げ、難病患者や高齢者が体力に応じて働ける環境をつくります。
日本維新の会
- より付加価値の高い産業に労働力が円滑に移動できる労働市場を形成する。~同一労働同一条件の徹底、解雇規制の緩和を実施する一方、職業訓練支援、育児後の女性の再就職支援を重点的に強化する。
公明党
- (1)物価上昇を上回る所得を確保
(2)世帯収入の増加で、人口減少社会の反転の第一歩に
(3)若者の良質な雇用の創出と安定
(4)構造変化への柔軟な対応と労働者の雇用・生活の安定と両立
(5)希望に応じた多様で柔軟な働き方の環境を整備
(6)雇用拡大企業、賃金拡充企業への支援を拡大
みんなの党
- 若年層の就業機会創出と産業構造の転換促進
整理解雇における金銭解決のルール化など解雇規制の緩和を進めます。その一方で、雇用調整助成金を廃止し、その財源を再就職支援とセイフティーネットに活用します。同一価値労働・同一待遇の徹底、派遣法の見直しなどで多様な就労機会を創出します。
女性が働きやすく、男性も育児に参加
多様な働き方の選択肢として、短時間労働の正規雇用制度や育休中にITを活用した在宅ワークの推進など、仕事と介護・子育てを両立できる環境を整備。女性の就業率を高め、M字カーブを解消します。
生活の党
- 一部に限られている給与アップを非正規労働者も含むあらゆる労働者に及ぼし、働く人の可処分所得を増やし、暮らしの根底を支える「雇用」の不安を払拭し、地域経済を活性化する。
1.雇用のセーフティーネットの確立
●非正規労働者の正規労働者化を促し、実質終身雇用のための環境を整備する。特に若者の正規労働者化は、緊急課題として措置を講ずる。
●同じ職場で同じ仕事をしている人の待遇を均等・均衡にして仕事と生活の調和を進める。ワークシェアリングを促進する。労働を希望する元気高齢者の雇用を推進する。
2. 解雇規制緩和の阻止
●働く人を守るため労働者を使い捨てにし、解雇しやすくする労働規制の緩和を阻止する。
共産党
- (1)賃上げと安定した雇用の拡大で「デフレ不況」打開を
(2)安倍内閣による労働法制の規制緩和を許しません
(3)退職強要をやめさせ、解雇規制法をつくります
(4)異常な長時間労働を是正し、「サービス残業」を根絶します
(5)労働者派遣法を抜本的に改正し、派遣労働者保護法をつくります
(6)有期雇用を制限して正社員化と均等待遇をすすめるとともに、「個人請負」などの脱法的契約を許しません
(7)男女がともに、人間らしく生き、働ける均等な労働条件を確立します
(8)最低賃金の抜本的引き上げなど、政治の責任で賃金の大幅底上げを実現します
(9)失業者の生活と職業訓練を保障し、安定した仕事、公的仕事への道を開きます
(10)国と地方の労働行政を強化します
社民党
- 1.労働者保護ルールの改悪を許しません
2.非正規労働の拡大に歯止めをかけ、正規労働へ雇用の転換を進めます
3.最低賃金を引き上げて生活できる賃金水準を確保します
4.長時間労働、不払い残業、過労死をなくします
5.解雇の制限ルールを徹底します
6.職業訓練と生活支援費を支給する「求職者支援制度」を拡充します
7.雇用における男女平等を実現します
8.若者への職業教育訓練や、就労支援を強化します
9.高齢者雇用を推進します
10.「官製ワーキングプア」をなくします
11.協同労働の協同組合法を制定します
みどりの風
- 若者の雇用の拡大と公正
次の世代が力を発揮できる日本をつくる。若者の多様な活躍の場を確保、一人ひとりが将来設計できる、努力しがいのある雇用環境をつくります。
●若者の安定した年収確保(初任給アップ)
●新規雇用の拡大
●働き方の多様化支援
●地方への就労誘導策、田舎暮らし支援
●充実した就労体験を実現するギャップ・イヤーの制度化
●やる気のある人のための 職業研修の拡充・機会確保
雇用対策
本当に汗をかいている人が報われる雇用制度の実現。中小企業や自営業の魅力アップ。多彩な才能にあった多様な就労を実現します。
●均等待遇、適正賃金の実現(同一労働、同一賃金)
●パートタイム労働者の正規雇用化の推進
●勤務時間や休暇の充実などゆとりの雇用の実現
●「協同労働の協同組合」の法制化
●自営業者の能力開発基盤の整備と起業支援
●フリーランス専門家の適正な収入と労働条件の改善(中間マージン規制)
●女性の潜在能力活用のための総合的対策
● 地方の職場、雇用創出
解雇規制の緩和