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2013年07月19日12:45
注文は復唱してください!
僕は最近、ほとほと呆れかえるような、驚きを通り越して拍手してしまうような事件に遭遇しました。僕は会社の同僚のオッサンと長い昼食をとります。食事をして、コーヒーブレイクをし、野球や相撲の話などをします。一応、昼食は1時間という目安があるのですが、そこそこ長めです。12時32分に出発する場合は、戻りの予定時間を13時40分と区切りのいいところまで繰り上げし、メシ屋をその時間に出る。戻ってくると13時50分…といった具合です。
そんなコーヒーブレイクを繰り返すうち、こちらの動きもどんどんこなれていきます。流れるようなコンビネーション。連動した動き。ホールの店員に対して1対2で対応する数的有利。あ・うんの呼吸で本日の気温や湿度を感知し、アイスコーヒーなのかホットコーヒーなのかを相談なしで決める。それは熟成されたウィングとサイドバックの関係のよう。
その日、僕の相方はこう言いました。「アイスコーヒー2つ」と。相談は一切ありません。メニューすら見ていません。店に突入。勝手に着席。店員がメニューを持ってやってくるなり、メニューを受け取りもせず「アイスコーヒー2つ」と攻撃を繰り出したのです。そして僕はその動きに連動し「それで」と被せたのです。「それで」と。
そしてやってきたアイスコーヒー2つ………×2。
ははー、なるほど。そうきたか。確かに相方は「アイスコーヒー2つ」と言った。僕は「それで」と被せた。店員は「アイスコーヒー2つ」「ワタクシもそれで」と解釈した。確かに相方が「アイスコーヒーとケーキ」と言い、僕が「それで」と被せた場合、両者にドリンクとケーキが運ばれるのが普通でしょう。まさか、「彼はアイスコーヒー、僕は水飲みながらケーキ食べます」なんて分け方をするとは思いませんからね。
って、2つも飲むわけないだろ!
アレか、ガブ飲みか!
確かにアイスコーヒーの大盛りとか大ジョッキとかない店だしな!
グランデサイズを頼む代わりに2個頼むヤツもいるかもな!
って、いねぇよ!
ていうか、4つ運んでるときに気づくだろ!
アヤしいときは復唱してくれ!
僕はこのときある人の言葉を思い出しました。稀代の名将・落合博満氏。落合氏が部下に指導をするコツとしてこんなことを言っていました。指導で大事なのは言葉だ。思いを正しく伝えることだ。正しく伝えるには、言い終わったあとに「お前、俺が言ったことを言ってみろ」と相手に言わせるのだ。そうすれば、最後まで話をちゃんと聞くし、理解しようと努める。もし間違った解釈をしていたら、その場で訂正することができる、と。
さすが落合氏。目からウロコが落ちた気がします。僕もこれからは店員に注文を復唱してもらうようにします。もしくは自分が復唱します。アイスコーヒーをガブ飲みするため、昼飯の時間がいつもより20分さらに延長された日の後悔を想いながら…。
ということで、落合氏がビジネスマン向けに語った指導のコツなどを、10日と17日にNHK・Eテレで放送された「GOOD JOB!会社の星」からチェックしていきましょう。
◆仮に三冠王の実績がなかったとしてもこの人は名監督だったはず!
ご近所に住む落合家。僕は出社前に毎朝落合家詣でをします。福嗣クンの住む白壁に茶色のベランダ、オチアイ企画の看板を堂々と掲げた小ぶりな家を通過し、同じ区画の反対側の角にある本宅前へ。白亜の豪邸の前で「いってまいります」と会釈をします。イヤイヤ会社に行く自分を少しでも奮い立たせるために…。
スタジオに登場した落合氏と、それを待ち受ける悩める19名の若手管理職のみなさん。僕と同年代かあるいは年下か。彼らは管理職なのか。そして僕は管理される側なのか。別に他人を管理したいとも、管理できるとも思わないけれど、僕はこういう人たちに管理される側で一生を終えるのか。「絶対に従わないぞ!」という気持ちがムラムラとわいてきます。
そんな彼らの、要するに一言でまとめると「部下が使えねー」というくだらない悩みを落合氏はどう解決するのか。部下側に言わせると「俺の給料を上げるのがお前の仕事だろ。上司使えねー」と思っている中で解決などできるのだろうか。落合氏の解決法で、僕はねじ伏せられるのだろうか。落合VS僕。稀代の名将と稀代のダメ社員の対決がテレビを通じて始まったのです!何かあれば、本宅に文句を言いにいく準備を整えた状態で!
↓落合氏は若手管理職のくだらない悩みを次々に斬って捨てた!
ちゃんと見守る、ということがすべての基本にあるんだ!
その「見る」チカラをまず自分が磨かなければいけない!

ここで落合氏はクイズを出します。三人の右打者が打撃練習をしているとき、一番ライト側の選手、真ん中の選手、レフト側の選手、誰が最初に練習を止めるかという問題です。落合氏の答えは「ライト、真ん中、レフトの順」。自分の視界にライバルがいると競争心が起きて、絶対に先にはやめないという気持ちになるのだと言います。そして最初のひとりが練習をやめると、あとは「3球から5球でやめてしまう」と。
なるほど、なるほど、僕の上司や同僚にも僕を見守ってもらい、何かあったら責任をとってもらい、イイ感じだったら給料をあげてほしい。そして、僕が帰ったらすぐに帰ってほしい。いつまでも残っていられたら、アレ僕だけ早上がりで大丈夫かな、って気になりますからね。
↓そして落合氏は人材の育成術についても語った!
やりたくないことをやらない部下って、僕だな!
よーし、5年後、10年後の自分に期待しよう!

見守る、任せる、見守る、教える、見守る。その繰り返し。見守る回数の多さと粘り強さ。決して落合氏は三冠王をふりかざし、上からおしつけるようなやり方はしていません。その金看板で選手を黙らせることもできる立場でありながら。実績ではなく、経験を伝えること。これならプレイヤーとしては無能な上司でも、むしろプレイヤーとしは無能な上司のほうが、よきマネージャーになる可能性もありそうです。失敗や苦労の経験をより多く持っているはずですからね。まさに「名選手、名監督にあらず」。
と、落合氏の指導術を学んだ僕ですが、残念ながら僕はまったくやられた気がしませんでした。落合氏のもとでも、僕の才能は開花しないと痛感しました。僕の長所は「ゴロゴロすること」「テレビを見ること」「グダグダすること」など。これを活かせる上司は、残念ながらいまだに見つかりません。むしろ僕は「ゴロゴロしながら金をもらう方法」を部下として学ぶべきだったかもしれません。落合さん、せっかくの熱弁でしたが、僕にはその指導術は活かせそうにもありません。上司としても、部下としても。どこかに「ゴロゴロして暮らす方法」を知っていて、その経験を教えてくれる人はいませんかね…。

そうか、僕の課題は本宅ではなく福嗣クン家に聞きにいけばいいんだ!
僕は最近、ほとほと呆れかえるような、驚きを通り越して拍手してしまうような事件に遭遇しました。僕は会社の同僚のオッサンと長い昼食をとります。食事をして、コーヒーブレイクをし、野球や相撲の話などをします。一応、昼食は1時間という目安があるのですが、そこそこ長めです。12時32分に出発する場合は、戻りの予定時間を13時40分と区切りのいいところまで繰り上げし、メシ屋をその時間に出る。戻ってくると13時50分…といった具合です。
そんなコーヒーブレイクを繰り返すうち、こちらの動きもどんどんこなれていきます。流れるようなコンビネーション。連動した動き。ホールの店員に対して1対2で対応する数的有利。あ・うんの呼吸で本日の気温や湿度を感知し、アイスコーヒーなのかホットコーヒーなのかを相談なしで決める。それは熟成されたウィングとサイドバックの関係のよう。
その日、僕の相方はこう言いました。「アイスコーヒー2つ」と。相談は一切ありません。メニューすら見ていません。店に突入。勝手に着席。店員がメニューを持ってやってくるなり、メニューを受け取りもせず「アイスコーヒー2つ」と攻撃を繰り出したのです。そして僕はその動きに連動し「それで」と被せたのです。「それで」と。
そしてやってきたアイスコーヒー2つ………×2。
ははー、なるほど。そうきたか。確かに相方は「アイスコーヒー2つ」と言った。僕は「それで」と被せた。店員は「アイスコーヒー2つ」「ワタクシもそれで」と解釈した。確かに相方が「アイスコーヒーとケーキ」と言い、僕が「それで」と被せた場合、両者にドリンクとケーキが運ばれるのが普通でしょう。まさか、「彼はアイスコーヒー、僕は水飲みながらケーキ食べます」なんて分け方をするとは思いませんからね。
って、2つも飲むわけないだろ!
アレか、ガブ飲みか!
確かにアイスコーヒーの大盛りとか大ジョッキとかない店だしな!
グランデサイズを頼む代わりに2個頼むヤツもいるかもな!
って、いねぇよ!
ていうか、4つ運んでるときに気づくだろ!
アヤしいときは復唱してくれ!
僕はこのときある人の言葉を思い出しました。稀代の名将・落合博満氏。落合氏が部下に指導をするコツとしてこんなことを言っていました。指導で大事なのは言葉だ。思いを正しく伝えることだ。正しく伝えるには、言い終わったあとに「お前、俺が言ったことを言ってみろ」と相手に言わせるのだ。そうすれば、最後まで話をちゃんと聞くし、理解しようと努める。もし間違った解釈をしていたら、その場で訂正することができる、と。
さすが落合氏。目からウロコが落ちた気がします。僕もこれからは店員に注文を復唱してもらうようにします。もしくは自分が復唱します。アイスコーヒーをガブ飲みするため、昼飯の時間がいつもより20分さらに延長された日の後悔を想いながら…。
ということで、落合氏がビジネスマン向けに語った指導のコツなどを、10日と17日にNHK・Eテレで放送された「GOOD JOB!会社の星」からチェックしていきましょう。
◆仮に三冠王の実績がなかったとしてもこの人は名監督だったはず!
ご近所に住む落合家。僕は出社前に毎朝落合家詣でをします。福嗣クンの住む白壁に茶色のベランダ、オチアイ企画の看板を堂々と掲げた小ぶりな家を通過し、同じ区画の反対側の角にある本宅前へ。白亜の豪邸の前で「いってまいります」と会釈をします。イヤイヤ会社に行く自分を少しでも奮い立たせるために…。
スタジオに登場した落合氏と、それを待ち受ける悩める19名の若手管理職のみなさん。僕と同年代かあるいは年下か。彼らは管理職なのか。そして僕は管理される側なのか。別に他人を管理したいとも、管理できるとも思わないけれど、僕はこういう人たちに管理される側で一生を終えるのか。「絶対に従わないぞ!」という気持ちがムラムラとわいてきます。
そんな彼らの、要するに一言でまとめると「部下が使えねー」というくだらない悩みを落合氏はどう解決するのか。部下側に言わせると「俺の給料を上げるのがお前の仕事だろ。上司使えねー」と思っている中で解決などできるのだろうか。落合氏の解決法で、僕はねじ伏せられるのだろうか。落合VS僕。稀代の名将と稀代のダメ社員の対決がテレビを通じて始まったのです!何かあれば、本宅に文句を言いにいく準備を整えた状態で!
↓落合氏は若手管理職のくだらない悩みを次々に斬って捨てた!
●悩み1:「部下のやる気を高めるにはどうしたらいいですか?」
落合氏の解決法:「部下にすべてを任せ、責任はオレがとる」
中日ドラゴンズ監督時代、投手起用の全権を託されたいた森繁和コーチ。森氏は落合氏からの全権委任にプレッシャーを感じつつも、自分の考えを出せることに喜びを感じていたとのこと。しかし、ただ任されるだけではなかったと森氏は言います。日本シリーズの重要な一戦で、投手交代が裏目に出たとき、落合氏は報道陣に「選手を送り出すのは監督。ベンチが悪いと負けるんだ」と語ったのです。森氏は「リーダーはそういう人じゃなければいけない」と意気に感じたとのこと。
落合氏:「だって専門外だもん。知らないことには一切首を突っ込まない」
落合氏:「打者としてピッチャーを見ることはできるけれども、ピッチャーの心理までは経験がないからわからない」
落合氏:「俺がピッチャー上がりだったら、まるっきり逆にバッターのことは任せたんだろうと思う」
落合氏:「7人の監督に仕えたけれども、野球を教わったのは山内一弘さんと稲尾和久さんだけ。あとの5人からは教わってない」
●悩み2:「コーチに任せて、的外れなことを教えていたらどうするんですか?」
落合氏の解決法:「コーチに野球を教える」
落合氏:「俺はその部門のコーチ集めてミーティングさせる。そして一本化させる」
落合氏:「でないと4人なりのコーチがいて、今日はAってヤツがしゃべった。Bがいったらお前それ違うぞってなって、CがいったらAとBが否定される、Dがいったらまるっきり違うことを言う」
落合氏:「ひとりの選手が4通りのことを指導されたとき、俺は何やりゃいいんだ?ってなる。これが一番マズイパターン」
落合氏:「任せる以上は、そこの部署をちゃんと教育しなきゃいけないもん」
落合氏:「コーチに野球を教えなきゃいけない。そうしないと選手が迷う」
●悩み3:「能力の違う部下を、モチベーションを保ちながら平等に育てるには?」
落合氏の解決法:「それぞれのよさを見つけて、引き出す」
落合氏:「俺、平等って言葉好きじゃないんだ。平等であるはずがない」
落合氏:「ふたりいるんでしょ、持ってるものが違うんでしょ。お互いに同じことを言ったってそれはわからないでしょ」
落合氏:「この人が持ってるよさは何か、教える側が勉強してね。走るのが早いヤツに、もっと早く走れって、それがお前の最高の能力だよって言われれば、これさえあればゲームに出られるってなったら伸ばそうとするでしょ」
落合氏:「足の遅いヤツに早くなれって言ったって無理だろ」
落合氏:「その人のよさをどうやって引き出すか、自分が見て考えればいいんじゃない?」
●悩み4:「部下の褒め方は?」
落合氏の解決法:「褒めるより給料を上げろ。次の仕事を与えろ」
落合氏:「できないヤツは褒めるな」
落合氏:「俺は選手を絶対褒めなかったもん。小学生とかだったら褒めてやるというのは必要と思う。でもいっぱしのオトナでしょ。お金もらってるんでしょ。その仕事をやって」
落合氏:「できたんだったら、褒めるより、これができたから次こっちやろうってほうが、俺はそこをクリアしたんだと思わすほうが得策じゃない?」
落合氏:「頭撫でられるくらいだったら、給料くれよってならない?」
●悩み5:「ゆとり世代のやる気の高め方は?」
落合氏の解決法:「上から説教をおしつけるな。自分の経験を伝えろ」
落合氏:「おしつけるってことじゃなくて、いろんな人からものを吸収して、こういう考えもあるんだよって(自分の経験を伝えよう)」
落合氏:「個性は大事なんですよ。その人の個性がなくなったら、俺はどうしたらいいんだろうって、病気になると思う」
落合氏:「それを尊重して言ってくれるんだから、1回は(上司の言うことを)耳に入れなさいよ、考えてみなさいよ、と」
落合氏:「それで取り入れられるんだったら、取り入れろ。いらないものだったらやめなさい。そういう教育をしていったほうがいいと思う」
落合氏:「みなさんも会社入ってすぐ偉くなったわけじゃないでしょ。下積みがあったでしょ。怒られたり。でも、今さらアンタの自慢話聞いてどうするんだよというのが今の若者でしょ。話をするのに上から目線でバカにするなよ、というのが下の連中じゃないの」
落合氏:「イヤなことはどうやって噛み砕いて、そう思われないように若い人に伝えていくか、考えりゃいいんじゃないの?最高の経験をしてきてるんだから、それを活かさない手はないと思う」
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ここで落合氏はクイズを出します。三人の右打者が打撃練習をしているとき、一番ライト側の選手、真ん中の選手、レフト側の選手、誰が最初に練習を止めるかという問題です。落合氏の答えは「ライト、真ん中、レフトの順」。自分の視界にライバルがいると競争心が起きて、絶対に先にはやめないという気持ちになるのだと言います。そして最初のひとりが練習をやめると、あとは「3球から5球でやめてしまう」と。
なるほど、なるほど、僕の上司や同僚にも僕を見守ってもらい、何かあったら責任をとってもらい、イイ感じだったら給料をあげてほしい。そして、僕が帰ったらすぐに帰ってほしい。いつまでも残っていられたら、アレ僕だけ早上がりで大丈夫かな、って気になりますからね。
↓そして落合氏は人材の育成術についても語った!
●悩み6:「失敗しそうな部下に教えるべきか、見守るべきか?」
落合氏の解決法:「聞きにくるまで教えるな、見守れ」
落合氏:「俺だったら教えない」
落合氏:「何ともならないから助けてくれというまで放っておく時間も必要だと思う」
落合氏:「人に助けを求めるってことは、すべてそれを受け入れようとしているわけじゃない?自分の中でコッチもある、コッチもあるって思っているときに、お前それ違うよと、そうじゃなくてこうやったほうがいいよって言って成功しても、次に『何かあったらこの人が助けてくれるから俺ら考えなくていいんだ』となるだけ。これが一番マズイと思う」
落合氏:「時間かかってもね。助けを求めるまで」
落合氏:「その代わり、ずっとその子を観察してなきゃダメよ。何か変わったことが見えてくるはずだから。その人が聞きにきたとき、あのとき俺だったらこうしたなっていうのをわかっていること」
落合氏:「聞きにきたとき、答えを出さないのが一番いいんだろうと思う。答えを出しちゃうとイエスマンになっちゃうから。あくまでも任された人間が、人の助けを借りても最後までやり遂げて、終わらせるのが大事なんじゃないかな」
●悩み7:「一発アウトになる失敗の直前でも見守るべき?」
落合氏の解決法:「会社が潰れないなら、見守れ」
落合氏:「俺は見とかなきゃいけないと思う」
落合氏:「ただし、それで会社が潰れるような事態になるなら、ひとりのために会社は潰せないよね。それは先に手を打たなきゃいけないと思う」
落合氏:「見ておくだけの時間と財力と、コイツは失敗しても将来会社の屋台骨を背負って立つ人間だからこの失敗を味あわせなければいけないなという(気持ち)、それを上の人間がどう考えるかじゃない」
落合氏:「俺だったら切っちゃうよ。できないのは」
落合氏:「一番難しいのは使う側が、この仕事だったらこの人に任せる、こっちだったらこの人だよというものを、どうやって見つけていくかということじゃないの」
●悩み8:「部下の成長をうながすには?」
落合氏の解決法:「トッププレイヤーを安心させるな。伸ばせ」
中日ドラゴンズ監督時代、すでに当時日本を代表するキャッチャーだった谷繁さんに対して、懲罰的な交代をさせたことがあったとのこと。試合を諦めてしまうような見切りの早さを嫌ってのものでした。その意図は本人に伝えることはなかったそうですが、谷繁さんはそれをキッカケに自分で考え、課題に気づき、克服したとのこと。
落合氏:「どうやったって谷繁を上手く使わないと勝てない、っていうのは大前提にあるんだよ」
落合氏:「でも、安心して野球をやられるとコイツの成長が止まるから、ターゲットにした」
落合氏:「この人でもこんなこと言われるのかと思えば、これだけ評価を受けてるあの谷繁さんでも一人前扱いしてもらえないのか、代わりが育ってきたら使うのか、と思われれば頑張ったらゲームで使ってもらえるんじゃないかと(思うだろう)。そういうものをチームに植えつけただけ」
落合氏:「見せしめじゃない」
落合氏:「若いヤツに期待するのは無理。活性化させるには、一番仕事しているヤツを再教育するのが手っ取り早い」
●悩み9:「やりたくないことをやらない部下の育成法は?」
落合氏の解決法:「今は無理だ。将来に期待して教えろ」
落合氏:「教えてもわからん。やらないと思う」
落合氏:「自分で興味を持っているヤツは言わなくてもやるんだもん」
落合氏:「今言ったからすぐ部下はやってくれるんだろうと思ったら大間違い」
落合氏:「俺、プロに入って、山内さん(山内一弘監督)に、もう理解できないからほっといてくれって言ったんだよ」
落合氏:「やろうとすればするほどワケがわかんなくなった」
落合氏:「自分がやりたいようにやって、ダメならダメでいいと思った」
落合氏:「それが2年、3年、年が経つにつれて、山内さんから教わったことを全部やってるよなと思い始めた」
落合氏:「今はできないんだけど、年とともに経験とともに自分の中で全部取り入れて、そういう風にやっていた」
落合氏:「教育ってこういうことなんだ、人を教えるってこういうことなんだ。今教えてすぐじゃなくても、自分がいなくなった5年後、10年後でもいいじゃないか」
落合氏:「そういう気持ちで若い人に接してやればいい」
●悩み10:「即戦力を作り、早く成果を出すコツは?」
落合氏の解決法:「強化選手を選んで育てろ」
落合氏:「自分で選ばなきゃダメ、メンバーを」
落合氏:「10人くらいいても、すぐに必要な人材いるよね。そいつを選んで、強化選手として教える。自分の知っていることを全部教える」
落合氏:「俺が起業するなら、自分にできない能力を持つ人間を集める。できることなら自分でやればいい。できないことは連れて来るしかない」
落合氏:「知ったかぶりでやったら周りが迷惑する」
●悩み11:「ムカついたときの感情のコントロール法は?」
落合氏の解決法:「落ち着ける場所を作れ」
落合氏:「俺は短気。人に見せる顔と監督室やロッカーで見せる顔は全然違うよ」
落合氏:「コーチ連中なんかボロクソ言われてるよ、俺に。選手には言わない。コーチに任せてるワケだから」
落合氏:「感情をコントロールするには、自分が精神を落ちつけられる場所を1ヶ所作ればいい。この場所に行ったら、誰にも邪魔されず、いろいろなことを考えられる場所を作ればコントロールできると思う」
●悩み12:「年上の部下の怒り方は?」
落合氏の解決法:「いいから怒れ」
落合氏:「怒ればいいじゃない。年上だろうが年下だろうが関係ないと思う」
落合氏:「部下が年上?あなたに抜かれたんじゃない。怒られてもしょうがないと思ってるよ」
落合氏:「怒られるほうが納得して怒られているのかどうか(が大事)。感情で怒らないように」
やりたくないことをやらない部下って、僕だな!
よーし、5年後、10年後の自分に期待しよう!
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見守る、任せる、見守る、教える、見守る。その繰り返し。見守る回数の多さと粘り強さ。決して落合氏は三冠王をふりかざし、上からおしつけるようなやり方はしていません。その金看板で選手を黙らせることもできる立場でありながら。実績ではなく、経験を伝えること。これならプレイヤーとしては無能な上司でも、むしろプレイヤーとしは無能な上司のほうが、よきマネージャーになる可能性もありそうです。失敗や苦労の経験をより多く持っているはずですからね。まさに「名選手、名監督にあらず」。
と、落合氏の指導術を学んだ僕ですが、残念ながら僕はまったくやられた気がしませんでした。落合氏のもとでも、僕の才能は開花しないと痛感しました。僕の長所は「ゴロゴロすること」「テレビを見ること」「グダグダすること」など。これを活かせる上司は、残念ながらいまだに見つかりません。むしろ僕は「ゴロゴロしながら金をもらう方法」を部下として学ぶべきだったかもしれません。落合さん、せっかくの熱弁でしたが、僕にはその指導術は活かせそうにもありません。上司としても、部下としても。どこかに「ゴロゴロして暮らす方法」を知っていて、その経験を教えてくれる人はいませんかね…。
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フクシくんならば