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【大相撲】

白鵬が12連勝も右腰肉離れ

2013年7月19日 紙面から

◇名古屋場所<12日目>

(18日・愛知県体育館)

琴奨菊(左)を上手投げで下した白鵬(吉留常人撮影)

写真

 単独トップの横綱白鵬(28)=宮城野=が左上手投げで大関琴奨菊を下し、12戦全勝とした。2敗が平幕の碧山だけとなり、13日目に碧山が敗れた上で白鵬が勝つと、白鵬の3連覇と単独史上3位となる26度目の優勝が決まる。2敗だった琴欧洲は稀勢の里との大関対決で浴びせ倒され、ともに9勝3敗。平幕魁聖も3敗目を喫した。横綱日馬富士は大関鶴竜を寄り切り、ようやく勝ち越した。鶴竜は琴奨菊とともに7勝5敗。十両は単独首位の遠藤が1敗を守った。

 右腰に手をやった白鵬の表情が、みるみるとゆがんでいく。琴奨菊を左上手から豪快に投げ捨てた。その直後だった。白鵬は顔をしかめ、痛みをこらえるように何度も何度も唇を噛みしめた。

 連勝は42にまで伸ばした。13日目に2敗の碧山が高安に敗れ、結びで琴欧洲に勝てば26度目の優勝が決まる。「マジック2」までたどり着きながら襲われた突然のアクシデント。息苦しいのか土俵を下りても両手を膝に当て肩を上下させた。結びの一番を見守る土俵下でも背筋を伸ばして座っていられなかった。

 痛みを表に出さない横綱が、ここまで苦しむ姿を見たことがない。支度部屋では「ちょっと電気が走った。(どのあたりか)分かりません」とだけ答え、そのまま口を閉ざして帰りの車に乗り込んだ。

 横綱に昇進した2007年名古屋場所から36場所。一日も休まず土俵を務めてきた。横綱の責任を「千秋楽まで取り切ること。毎日、違ったお客さんが来る」と言い続けてきた。

 取組後に名古屋市内の病院で「右脇腹の打撲で軽い肉離れ」と診断され、治療を受けた横綱だが、13日目の土俵に上がる決意に変わりはない。食事もしっかり食べたという。師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は「立ち合いで左からかち上げられて、まともに当たったときに痛めた。立ち合いの時は気づかなかったが、投げを打った後に急に痛みがきたようだ。肉離れに近い状態。骨には異常がなかった。ご飯食べて冷やすくらい。休場はない」と語った。部屋に戻ってきた横綱も、「骨に異常はないから大丈夫」と前向きに語った。

 残り3日間には琴欧洲と稀勢の里、そして復調してきた日馬富士が千秋楽に控えている。それでも、ほぼ手中に収めていた優勝。苦難は何度も乗り越えてきた。逃すわけにはいかない。(岸本隆)

 

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