韓国の観光ホテルを利用する外国人観光客は、来年から宿泊費の10%割引を受けられるようになる。また、観光地での違法行為を取り締まる「観光警察隊」が10月に新設される。韓国政府は17日、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領主宰で初の「観光振興拡大会議」を開き、こうした内容の「観光不便解消のための制度改善および戦略観光産業育成策」を発表した。
■宿泊費の消費税還付で日本人の呼び戻し狙う
それによると、政府は租税特例制限法を改正し、来年初めから外国人観光客に限り、観光ホテル宿泊費に課税される10%の付加価値税(消費税に相当)を申請に応じて空港や港などで還付する。最近のウォン高・円安や韓日関係の冷え込みなどで急減している日本人観光客を呼び戻すことが主な狙いだ。年初から5月までの対日観光収支赤字は15億9640万ドル(約1590億円)で、前年同期に比べ11倍に膨らんだ。
韓国政府は過去にも、1977-91年、94年、2001-04年、07-09年と4回にわたり外国人観光客のホテル宿泊費に消費税を課税しない措置を取ってきたが、事後申請による還付制度の導入は今回が初めてとなる。来年1年間、試験的に運営した上で延長するかどうかを決定する。文化体育観光部(省に相当)は、還付制度の施行により税収は年間500億ウォン(約45億円)ほど減少するが、観光収入の増加に伴う経済効果は3000億ウォン(約267億円)に達すると見込んでいる。
■中国人のマルチビザ発給対象を大幅拡大
また、下半期から中国人のマルチビザ発給対象が大幅に拡大される。新たに対象となるのは中国人マルチビザ所持者の配偶者と子ども、北京・上海居住者、中国政府が選んだ名門112大学の大学生などで、計3000万人ほどと見込まれる。近ごろ世界の観光市場の「お得意さま」に浮上している中国人観光客を呼び込むための措置だ。中国の海外旅行客数は昨年に17%増加し、旅行支出は実に40%増の1020億ドル(約10兆1600億円)に達した。
さらに、新興市場として浮上している東南アジア諸国の観光客に対するビザ発給要件も大幅に緩和される。韓国を1回以上訪問し、不法滞在の前歴がない人に滞在期間30日のマルチビザを発給し、所得基準も年1万ドル(約100万円)から8000ドル(約80万円)に引き下げる。
政府は併せて、10月からソウル地方警察庁を皮切りに、釜山、仁川などを管轄する地方警察庁に観光警察隊を設置する計画だ。ソウルは100人規模になる見通し。観光警察隊は外国人観光客の多いソウルの明洞、仁寺洞、東大門市場、梨泰院などで、ぼったくりやコールバン(ワゴンタクシー)の違法運行、無資格ガイドなどを集中的に取り締まる。
■韓国クルーズ船での外国人カジノ営業を許可
韓国国籍のクルーズ船での外国人専用カジノ営業も許可される。政府は営業を許可するクルーズ船の規模や経営状態、韓国人の出入り防止策などを検討した上で具体策を講じる方針だ。また、外国人のクルーズ船乗務員や観光客の不便を軽減するため、一度ビザの発給を受けた外国人乗務員に対し、一定期間に限り何度も韓国に出入りできるようマルチ就業ビザを発給するほか、クルーズ船で入国した外国人観光客の入国審査を船上で行い、入港後の審査を省略することを決めた。