誤爆するのは<誰>が不在だから
なぜ、ドヤ顔コピーは誤爆するのか? 理由はとても分かりやすい。
理由その1 そもそも自慢は嫌われる
冒頭でも述べたが、人で想像すると分かりやすい。たとえば、飲み会で武勇伝や過去の成功譚をしゃべくりまくる上司やおじさん。相手の気持ちなどおかまいなしに自慢する。はじめは聞く方は仕方なしに聞いてくれるが、だんだん苦痛になってくる。あるでしょう? 知人ならまだ我慢もするが、宣伝のメッセージは一発で嫌いになるものだ。
理由その2 言うべき相手を間違っている
自慢はただ、優越感を感じたいだけである。聞いてくれるなら相手は誰でもいい。相手の得になるから、相手が喜ぶからという他者に対する思いやりが欠けている。いかに優れたことでも、マッチングしない訴求ポイントもまたノイズのようなもの。メルマガの内容をパーソナライズしたらレスポンスが良くなったというケースをよく耳にするが、メッセージが効く時はマッチングが上手くいったときである。
自分が言いたいこと、相手が知りたいこと ギャップはあらかじめ埋めておく
では、ドヤ顔コピーにならないためには何をすべきか。
対策その1 相手が決まらないうちはゼロベースで
訴求ポイントの優先順位は、訴求したい相手が決まってから考える。もちろん<業界初>や<世界最軽量>といったナンバーワンの訴求ポイントは重要だ。たしかに、マーケティングの良書『マーケティング22の法則』の<1番手の法則>は知覚を得るという点では効果的な戦術ではある。
しかし、満足度や売れ行きナンバーワンのようなお客さん側の評価ならまだしも、機能面でのナンバーワン訴求は本当に受け手の心をくすぐるものなのか。よく考えてみよう。自慢したい気持ちをぐっとこらえながら。
対策その2 相手から逆算して選ぶ
サッカー元日本代表監督のイビチャ・オシムさんは言う。「シュートから逆算してパスを回すべき」、そのイメージを持てと。賢人オシムの表現を借りるなら、訴求ポイントは<訴求したい相手から逆算して考えろ>ということになる。
つまり<何を言うか>は、その相手がもっとも必要とするだろうことを選ぶ。もちろん想像に頼る部分も大きいが、言いたいことと知りたいことのギャップを埋めることができる。
対策その3 相手への想像を深めよう
自慢したいことを並べてメッセージが成立するなら、コピーライティングという技術は必要ない。たんなるデータや事実を価値へ転換するのはコピーの大きな仕事のひとつだ。その基本は忘れてはいけない。その特徴が、どのような人のどのような問題を解決するのか、どのような快適体験をもたらすのかをよく想像しよう。
バーンと<世界最軽量>とうたうよりも、重さ何グラムというよりも、その軽さがどの程度なのか、たとえば<ボールペン1本くらいの重さ>などと分かりやすく伝えてあげることも大切だ。そして、それがどのようなメリットをもたらすのか、価値のイメージをくっきり示してあげよう。相手の想像力を喚起することだ。それにはあなた自身がよく想像しなければいけない。
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