これも、ネット選挙解禁の“副作用”か? 人気グループ「EXILE」が、親交のある自民党比例代表候補の伊藤ようすけ氏(49)を応援したとして、NHKから選挙期間中の出演見合わせを通達された問題が波紋を広げている。ネット選挙のボーダーラインがこの一件で明らかにはなったが、EXILEの所属事務所は、このNHKの判断に対して納得してはいないようだ。
発端は伊藤氏が8日付のブログに掲載したUSA(36)とのツーショット写真だった。USAが「がんばって下さい」と書いたメッセージボードを手に持っていたことが、特定の候補者への選挙応援に当たると判断された。
これにより12日、19日放送予定だったUSA出演の「Eダンスアカデミー」(Eテレ)は、参院選後に延期。同様にEXILEの“妹分”ユニット「E―girls」のメンバー4人も同氏のホームページで選挙応援していたとして、18日放送の「青山ワンセグ開発」(Eテレ)は、内容を一部差し替えられることになった。
今回のNHKの判断に伊藤氏は「納得できるものではありません」と大反論している。
「公平性という便利な言葉を盾に、選挙運動したアーティストをメディアから締め出す行為はとても残念な判断だと考えます」とつづり、こういった風潮が若者の政治への無関心に影響しているのでは、と見解を述べている。なお、伊藤氏は音楽ユニット「東京プリン」で活躍し、リーダーのHIRO(44)やUSAとは古くからの付き合い。EXILEのほか、浜崎あゆみ(34)も同氏への応援コメントを寄せている。
NHKがアウトと判定したことに伊藤氏以上に猛反発したのが、EXILEの所属事務所と所属レコード会社だ。
関係者によると「報道番組ならまだしも、子供向けの教養番組ですからね。言われなければ誰もEXILEが応援していることなんて気付かなかった。こういうニュースが流れることで、グループに政治色もついてしまった。NHKと相当やり合ったそうです」。
今回の参院選ではネットでの選挙運動が解禁され、伊藤氏は遊説などは行わず、ツイッターやブログを中心に活動を展開。そこにEXILEらが登場したことで、NHK的には「街頭演説に立ったのと同じ」と解釈したようだ。
NHKのジャッジを受けて他局はどうするのか、その対応も気になる。
「レギュラー番組を持つTBSはEXILEとの関係を重視し、通常通り放送する。他のメディアももめたくないので完全スルーでしょう」と話すのはあるテレビ関係者。
また、一部の芸能関係者は「今回の件で線引きがわかったが、EXILEとしては割を食ってしまったね」と話すように、EXILEは、ネット選挙解禁元年の格好のサンプルとなってしまった形だ。
この一件についてネット上では「番組の中で応援したわけじゃないのに…」といった同情の声から、「あんまり芸能人に介入されたら怖いことが起きそう」と判断妥当ではとの声もあり、反応は様々。今後のネット選挙のあり方に一石投じる事例になったことだけは間違いない。
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