みさぎ和『シリんちゅ』
崩退治からスタートしてお話の規模がどんどん広がっていくにも少年漫画的に王道ですが、友恵ちゃんに事実を伝えることで出発点も取り戻したのも素敵です。あと、私服姿のの救護班長殿、ベリーキュート!おまけ漫画の甘えっぷりもいいですね。
さて本日は、みさぎ和先生の初単行本『シリんちゅ』(クロエ出版)の遅延気味へたレビューです。単行本タイトルの漢字表記はきっと“尻人”に違いありませんな!
それはともかく、肉感溢れるエロボディがたっぷり汁塗れとなる濃厚ファックが詰まった1冊となっています。
描き下ろし作品を除いて、1話・作当りのページ数は18~24P(平均22P弱)と標準的なボリュームで推移。このボリュームは大半がエロに向けられている印象で、抜きツールとしての意識が高い構成と言えるでしょう。
【エロのお膳立てを重視する標準的なシナリオ構築】
近年、コミック真激のカラーを変化させつつある山崎かな先生やハルサワ先生などの、濃いエロと話の叙情感を組み合わせるタイプとはまた異なる新人作家さんであり、どちらかと言えば遮二無二とエロへと突っ走るタイプ。
可愛らしい妹ちゃんとの甘エロ系な短編「真夜中のお尻遊戯」やオタク趣味の青年をなんとか構成しようと幼馴染の女の子が奮闘する短編「二次元彼女」といった明るいタイプから、偲ぶ恋故に少女が悪漢に付け込まれていた上記の連作「徒花」やメイドカフェのメイドさんが罠にハマって売春婦へと堕ちていく短編「けつめいど」などの様にダークな作品までが混在しています。
いずれの作風においても、エロシチュのお膳立てをすることに専念した感があり、登場人物のキャラ立てやシナリオの面白みがあまり目立たないのは確かですが、逆に言えばエロを邪魔しない作劇とも言え、抜きツールの補助としては有効に機能。
ただ、作劇面においてエロさだけで駆け抜けているだけでなく、ややラフな構成とは言え、シナリオワークにおける感情の繊細さが出ていた連作「徒花」の存在は、今後の作劇力の成長を期待させる要素。
基本的にはハッピーエンドが主体であり、読書感は気持ち良いと言えますし、微笑ましいものからギャフンオチまで、ラストにちょっとした小気味良さがあるのも嬉しい点。
【年齢や設定が多様な美少女・美女ヒロイン陣】
人数的に最も多いのはハイティーン級の美少女さんですが、下はローティーンと思しきロリっ子から上は20代後半程度のお姉様でと年齢層は幅広め。
また、キャラクター設定の多様さも魅力であり、幼馴染や妹さん、憧れのお姉ちゃんといったタイプから、メイド喫茶のウェイトレスさん、女性教師に看護婦さん、バイオレンスなエロ漫画編集者さんなどといったヒロインがより取り見取りで登場しています。
性格面でも多彩さがあり、大人しいながらも愛情故の真の強さを持つ美少女や、エロエロお姉さんタイプ、純粋なロリっ子タイプなどこれまた様々ですが、上述した様にシナリオラインにキャラ立てを十分行う余裕が欠けているため、それぞれのキャラ属性の魅力が引きたてられていたかには疑問の余地もあります。
初単行本である故に絵柄の変遷が伺え、アニメ/エロゲー色が比較的明瞭でデフォルメが効いていた初期の絵柄から、より画としての美麗さを重視するスタイルに変化しており、それに伴って描線の強弱や画面の濃淡にも変遷が認められます。と言っても、絵柄の質は初期から十分に高めであるため、そこまで減点材料ではないでしょう。
余談に近いですが、オタク青年や中年男性などの男性キャラに関して醜さを強調して描くことが多く、キュートなヒロイン造形との対比が明瞭ですが、苦手な方も多いでしょうからこれまた留意されたし。
【過激なエロ演出を詰めこんだ汁だくセックス】
上述した様に、抜きツールとしての構築を固めており、欲望の勢いのままで突入するエロシーンは多回戦仕様が徹底されたパワフルファックを長尺で楽しむことが可能。
キャラクターの多彩さの恩恵もあり、お姉様キャラとロリっ子との3Pセックスや乱交エロ、ショタボーイな弟君が女装して凛々しいお姉ちゃんにダイレクトアタック等々、エロシチュも比較的豊富に用意されています。
尻コキやフェラ等で十分な盛り上げを図ってから抽送パートに移行しており、抽送感の深さを演出する透過図や、結合部をドアップで見せ付ける構図などを大量に投入する画面作りによって、肉壺にズボズボと出し入れを繰り替えす様を一定のえげつなさを以て激走させています。
ページ構成的にもとにかくコマを詰め込んだ感があり、飽和感のある演出として評価できる面もあるのですが、全体的に演出の強度に依存し過ぎている感もあり、演出や画面構成にもう少し整理整頓が為されるべきと個人的には感じます。
フィニッシュシーンは、結合部から噴水の如く愛液と精液の混濁液が噴出する様子とすっかり呆け切ったヒロインのアクメ顔を1Pフルでお届けというパワフルな抜き所であり、複数ラウンド制の濡れ場の〆として真に好適な作りとなっています。
TI/クロエ系のネオ劇画系におけるエロの濃厚さやパワフル感をしっかり継承している作家さんという感があり、まだ演出・作画面で荒さは残りますが、勢いの良さを感じさせるのは楽しみな点です。
個人的には、可愛い妹ちゃんのぷにぷにヒップを大満喫な短編「真夜中のお尻遊戯」と、綺麗なお姉ちゃんとショタ弟の絡みが実にエロ可愛い短編「ねじって!姉魂」に愚息がお世話になりました。
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