7月18日の米国マーケットサマリー:株は最高値を更新、円は下落
7月18日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3113 1.3125 ドル/円 100.42 99.59 ユーロ/円 131.67 130.69 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 15,548.54 +78.02 +.5% S&P500種 1,689.37 +8.46 +.5% ナスダック総合指数 3,611.28 +1.28 +.0% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .31% +.01 米国債10年物 2.53% +.05 米国債30年物 3.63% +.06 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,285.50 +6.70 +.52% 原油先物 (ドル/バレル) 108.05 +1.57 +1.47%◎NY外国為替市場
18日のニューヨーク外国為替市場ではドルが主要通貨の大半に対して上昇した。米新規失業保険申請件数やフィラデルフィア地区の製造業景況指数が予想よりも良好だったことから、米金融当局が緩和策を縮小するとの見方が強まった。
円は対ドルで続落。今週行われる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で日本銀行の緩和策が支持されるとみられている。ユーロは対ドルで下げ幅を縮小した。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのチーフ為替ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「市場はドルに対してまだ強気だ」と述べた上で、「しかし緩和策縮小のタイミングをめぐっては、より大きな疑問が織り込まれるだろう。米金融政策の見通しは引き続き調整の余地がありそうだ」と続けた。
ニューヨーク時間午後3時42分現在、ドルは対円で0.9%上昇して1ドル=100円44銭。対ユーロでは0.1%高の1ユーロ=1.3109ドル。ユーロは対円では0.8%上昇して1ユーロ=131円70銭。
◎米国株式市場米株式 相場は続伸。主な株価指数は最高値を更新した。モルガン・スタンレーやユナイテッドヘルス・グループの決算が予想を上回ったことに加え、新規失業保険申請件数の減少が買いを誘った。米議会では、連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が前日に続き証言した。
モルガン・スタンレーは大幅高。株式トレーディング収入が利益を押し上げた。ユナイテッドヘルスも大きく上げた。加入者数が増加し、利益が予想を上回った。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比0.5%高の1689.37で終了。5月22日に付けた日中取引での最高値1687.18も上回った。ダウ工業株30種平均は78.02ドル(0.5%)上げて15548.54ドルと最高値を更新した。
コニファー・セキュリティーズの株式取引ディレクター、リック・フィア氏は「バーナンキ議長がやろうとしていることの基本的なコンセプトは市場に浸透しつつあり、それは良いことだ」と指摘。「緩和縮小が近づいており、景気は改善しているが、なお金利はしばらく低水準にとどまると市場は考えている。失業保険統計の内容は予想より良かった。企業決算はまずまずだ。全般的に見て、ここで強気にならないのは困難だ」と語った。
◎米国債市場米国債相場は今週初の下落。新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、フィラデルフィア連銀製造業景況指数は予想を上回ったことで、景気改善により当局の資産購入縮小が可能になるとの見方が広がった。
米財務省が実施した10年物インフレ連動債(TIPS)入札では、最高落札利回りがほぼ2年ぶりにプラスとなった。この入札後も米国債相場は軟調に推移した。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は前日、資産購入について「事前に方針が決まっているわけでは決してない」と言明。経済情勢に応じて縮小ペースが速まることも、拡大することもあり得ると指摘した。これを手掛かりに10年債利回 りは同日、2週間ぶり低水準を付けた。議長はこの日は、9月の縮小開始をめぐり「判断を下すのは時期尚早」だと述べた。
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの資産運用担当者、ジェームズ・キャロン氏は「大半の人が考えていたよりもゆっくりではあるが、現在は回復段階にある」と指摘。「全体的なメッセージはなお、ある時点で緩和策を一部引き揚げると当局が考えているということだ。よってハト派的なコメントを受けても、相場は上昇が難しくなっている」と続けた。
ニューヨーク時間午後2時19分現在、10年債利回り は前日比4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.53%。前日は2.46%と、3日以来の低水準を付ける場面があった。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格はこの日11/32下げて93 7/32。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は反発。現物需要が増えている兆しを手掛かりに、買いが優勢となった。過去4日間では3日目の上昇。
田中貴金属工業は4-6月(第2四半期)の金地金の販売量が前期比で3倍に増加したと発表した。価格の大幅な下落を受けて、個人投資家の買いが殺到した。バークレイズは15日のリポートで、中国や日本などで需要堅調の兆しがあると指摘した。金は6月28日に2年10カ月ぶり安値をつけて以降、9%戻している。
シティグループの商品先物スペシャリスト、スターリング・スミス氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「現物買いが金相場を引き続き支えている」と指摘。「テクニカルな買いも見られる」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比0.5%高の1オンス=1285.50ドルで終了した。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は続伸。米新規失業保険申請件数の減少と株価の上昇で景気への楽観が強まり、原油先物はほぼ1年4カ月ぶりの高値で引けた。
米労働省によると、先週分の米新規失業保険申請件数は5月上旬以来の水準に減少した。米株式市場では予想を上回る企業決算を背景に、S&P500種 株価指数が取引中の過去最高値を更新した。
BRGブローカレッジ(ニューヨーク)のジェフ・グロスマン社長は「景気は良好のようだ」と述べ、「原油相場は株式と足並みをそろえて上昇しつつある。買い意欲は非常に強く、収まる気配がない」と続けた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日比1.56ドル(1.47%)高の1バレル=108.04ドルで終了。終値としては2012年3月19日以来の高値。7月に入ってからは12%値上がりしている。
更新日時: 2013/07/19 05:51 JST