【ＢＯＸ】興毅「俺だけ見てろや！」世界戦リングアナ蝶野！

防衛戦でリングアナウンサーを務める蝶野の「アイアム・チョーノ！」のポーズを見せる亀田

　◆プロボクシング世界戦　▽ＷＢＡ世界バンタム級タイトルマッチ　王者・亀田興毅―同級３位・ジョン・マーク・アポリナリオ（２３日、東京ビッグサイト）　亀田３兄弟の長男・興毅が、真夏の世界戦ラッシュで一家の話題独占を宣言した。１８日、東京・後楽園ホールで予備検診が行われた。検診後、世界戦の特別ゲストに“黒のカリスマ”ことプロレスラー・蝶野正洋（４９）をリングアナウンサーとして招へいすると発表。格闘界の元祖夏男・蝶野の「闘魂コール」で景気づけ。世界初の３兄弟世界王者へ、先陣を切る興毅は「俺だけ見てろや！」とボクシング界に宣戦布告した。

　真夏の乱戦に向けて怪気炎だ。亀田家の長男は「アイム、コ～キ～っ！　俺だけ見てろや！」と、蝶野の決め文句と派手なポーズを作った。

　２３日の興毅のＶ７防衛戦を手始めに、夏のボクシング界は未曽有の乱戦へと突入する。９月中旬頃とされるＷＢＡライトフライ・井岡、同ミニマム・宮崎のダブル世界戦まで未発表を含め、１か月半の間に１３試合もの世界戦が国内外で行われる。

　まれに見る“激戦区”にあって、亀田家は３兄弟全員の世界戦を投入。世界初の３兄弟世界王者を実現させ話題独占を狙う興毅は「派手な方がいい」とＶ７防衛戦に“黒のカリスマ”蝶野に参戦を直訴。新日本プロレス時代に８月のトーナメントで何度も優勝し、暑い夏場に異様な力を発揮。「プロレス界の元祖夏男」と呼ばれる闘魂コールで景気づけする構えだ。

　興毅は「俺も闘犬。気持ちが出るスカッとする試合して８月の和毅、９月の大毅につなげたい」と発奮。蝶野からは「最近のチャンピオンは不完全燃焼な試合をしてヤキモキしている。勝ち負けは大事だ。しかし、最も大事なのは戦う姿勢だ。ボクシング・ファンがしびれるような亀田の闘魂を見せてほしい」とメッセージが送られた。

　４月のＶ６防衛戦は２―１の薄氷の判定勝ち。「闘魂」の欠ける試合内容を興毅は自ら「クソ」と酷評し「こんな試合しかできんのなら辞めた方がいい。次は進退をかける」とまで決意した時期もあった。

　挑戦者のアポリナリオと別々に行った検診では、１分間の脈拍数がマラソン選手並みの「４３」など数値は好調だ。興毅は「亀田、強いなという試合をしたい」と意気込んだ。王座陥落なら３兄弟同時世界王者の夢がついえる。多発する世界戦でファンも厳しい目で試合を見比べるはず。実力も伴う真のカリスマを目指し、真夏のサバイバルに挑む。