憲法と、
岐路に立つ憲法。その60年余を見つめ直します
【政治】村山氏が安倍首相批判 「談話見直し」に強い危機感
過去の植民地支配と侵略に「痛烈な反省とおわび」を表明した「村山談話」を出した村山富市元首相が、参院選で社民党候補の応援弁士として、安倍晋三首相への批判を強めている。首相が一時、村山談話の見直しを示唆したことに危機感を募らせて選挙戦の表舞台に乗り出した。 「彼の真意は『戦後レジーム(体制)』からの脱却。『村山談話』を継承する心はないと思う」。十六日の富山市の記者会見。ことし八十九歳を迎えた村山氏はまくしたてた。 首相は通常国会の参院予算委員会で、戦後五十年の節目に出された一九九五年の村山談話について「そのまま継承しているというわけではない」と発言。その後、軌道修正を図ったが、中国や韓国などで歴史認識への警戒感を呼び起こした。 全体の選挙情勢は、自民党など改憲を目指す勢力の拡大が確実な見通し。村山氏が支援している社民党候補などの苦戦が伝えられており、選挙応援を買って出た。 村山氏は、富山県高岡市の個人演説会でも首相の歴史認識をめぐる発言に不快感を表明した。さらに「自民党は隠しているが、数を取ったら必ず憲法を改正する。平和憲法を守るために最後までご協力いただきたい」と危機感をあらわにした。 一方、村山談話とともに歴史認識問題で話題となる、慰安婦募集の強制性と旧日本軍の関与を認めた「河野談話」。九三年に宮沢内閣の官房長官として談話をまとめた河野洋平元衆院議長は十三日に、高知市で自民党候補の応援に駆けつけたが、歴史認識に関する問題には最後まで触れずじまいだった。 演説後に記者団から首相の歴史認識をめぐる発言への見解を問われ「安倍さんが自分で言っている通りではないか」と指摘するにとどめた。 PR情報
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