米国サンフランシスコ国際空港で発生したアシアナ航空機事故で、韓国国土交通部(省に相当)は13日、事故原因を調査している米国国家運輸安全委員会(NTSB)のハースマン委員長に「事故調査は国際基準に基づき客観的かつ公正に進めなければならない」とする抗議の書簡を送ったと発表した。書簡は同部のチョ・テファン航空鉄道事故調査委員長名義で、事故調査に関する情報を韓国政府に定期的に提供することも要請した。
韓国では、NTSBが連日会見し、操縦室の音声記録装置のデータや操縦士の証言内容など断片的な調査結果を次々と公表したことや、現地での会見の1時間前にA4用紙3分の1ほどの簡単な資料しか送ってこないことに不満の声が出ていた。
国土交通部の関係者は「最終的な結論が出る前にNTSBが一部の事実を選択的に公開し、事故原因は操縦士のミスだという印象を植え付けようとしている。11日(現地時間)に1次調査を終えたが、今後も調査内容を公開する可能性があるとみて書簡を送った」と話している。
一方、事故機の操縦士4人は13日午前6時半ごろ(日本時間)、ボーイング747-400型貨物機で韓国に極秘帰国した。NTSBが11日(現地時間)、事故調査に影響を与える発言をしないこと、NTSBの呼び出しがあればすぐに出頭することなどを条件に操縦士の帰国を認めたことから、アシアナ航空が最も早く出発する貨物便で帰国させたという。
操縦士たちが乗った747-400型貨物機には、2階操縦室の後ろに座席が六つ設置されている。乗務員がいないため、操縦士は自分で弁当をオーブンで温めて食べる。機長たちは普段は旅客機のファーストクラスに乗り、スケジュールが合わない場合に限り貨物便を利用している。
アシアナ航空によると、事故機の操縦士たちは仁川国際空港の貨物庁舎を経由して入国した後、健康診断のためすぐに病院に向かったという。国土交通部の関係者は「操縦士たちは長時間の調査や処罰への恐れなどから精神的に非常に不安定な状態だ。操縦士たちが入国時にマスコミの取材にさらされないよう、アシアナ航空が早朝に到着する貨物便で帰国させたと聞いている」と話した。また「健康診断が終わる16日以降、操縦士たちが航空法上の飛行手順を順守していたかどうかなどを追加で調べる計画だ」と説明した。