七回二死から登板した加藤は高橋から三振を奪い、巨人への流れを断ち切った【拡大】
前日16日も同じ七回だった。2点リードの七回一死二、三塁で加藤が矢野に同点打を許し、続く安藤も1/3回を1安打3四球4失点と崩れ、加藤は球団史上初の1球敗戦投手となった。一挙8失点からのリベンジを託した和田監督の期待に応えた。指揮官が最敬礼だ。
「きのう加藤、安藤がつかまったが『もう1回』という気持ちで送り出した。よく抑えてくれた」とし、中西投手コーチも「(前半戦で)特に後ろの3人(加藤、安藤、福原)がよく頑張ってくれた」
プロ13年目。4球団を渡り歩く苦労人・加藤にはこだわりがある。リリーフカーから降りるとマウンド上までの全力疾走。中継ぎとしてポジションが固まった横浜(現DeNA)時代に決めた。「試合に勢いをつけたいんです」。野球のおもしろさと怖さを痛感した伝統の一戦でもあった。
首脳陣は球宴期間に高宮、藤原らさらなるワンポイント候補をチーム内から検討する方針を固めた。しかし、守護神・福原へつなぐ前に、この両巨塔がいる。加藤と安藤。酸いも甘いも味わったコンビが虎投をまとめる。 (阿部 祐亮)
(紙面から)