中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

日馬 なりふり構わず脱出 琴欧洲の傷ついた左腕とったり

2013年7月18日 紙面から

琴欧洲(左)をとったりで下し、4日ぶりの勝ち星を挙げた日馬富士(田中久雄撮影)

写真

◇名古屋場所<11日目>

(17日・愛知県体育館)

 不振の横綱日馬富士(29)=伊勢ケ浜=がとったりで大関琴欧洲を下し、4連敗を免れて7勝目を挙げた。横綱白鵬(28)=宮城野=は大関鶴竜を逆転の小手投げで退けて11戦全勝とし、連勝を41に伸ばした。1差で追っていた琴欧洲と平幕の魁聖がともに敗れたため、碧山を含めた後続に星2つの差をつける独走態勢に入った。

 なりふり構わず勝ちにこだわった。日馬富士は立ち合い、当たって瞬時に右へ変化。前のめりになった琴欧洲の痛めている左腕を手繰って転がし、薄氷を踏む思いで連敗を3で止めた。

 「何が何でもきょうは勝つ、と。流れを変えなきゃと思っていた」

 1敗で白鵬を追撃する琴欧洲との一番。力勝負を期待したファンにとっては決まり手が、「とったり」ではやや拍子抜け。しかし今場所、金星を2つも献上している横綱に、形にこだわる余裕はなかった。4日ぶりの白星に「相手を崩そうと思った」と狙い通りの動きだったことを明かし、「耐えて、忍んで、また努力して。いい勉強になります」と前を向いた。

 この日、負ければ再び途中休場説が湧き上がるところだった。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「休場なんかしないよ。1、2週間で何か変わるような問題じゃない」ときっぱり否定し、「四股踏んで、土俵入りして。足が上がらないというなら別だが、簡単に休んでいいものではない」とあらためて綱の責任感を訴えた。

 前日の取組後は毎日、通っている名古屋市内の接骨院で治療を受けてから、なじみの焼き肉店でモンゴルの支援者らと懇談した。「験直しする年齢じゃない」と日馬富士だが、3場所連続で優勝争いに加われず、心身ともに疲れはピーク。そんな中、ただ一つ、自分の存在感をこれから示す方法は、この日連勝を41に伸ばした白鵬を止めること。

 「それしかないですよね」。この1勝でちょっぴり元気を取り戻した日馬富士は、千秋楽の結びの一番で汚名返上をかける決意だ。 (竹尾和久)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ