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【大リーグ】

リベラが最後の球宴でMVP 抑え投手初&史上最年長受賞の快挙

2013年7月18日 紙面から

 【ニューヨーク穐村賢】リベラ有終−。第84回オールスター戦(球宴)は16日(日本時間17日)、当地のメッツ本拠地シティフィールドで行われ、今季限りでの現役引退を表明しているヤンキースの守護神、マリアノ・リベラ投手(43)は3−0の8回に9番手で登板、1イニングを三者凡退に抑え、球宴出場13回目にして初のMVPに輝いた。抑え投手の受賞は史上初。試合はア・リーグが小刻みに加点し、10投手による完封リレーもあって3−0でナ・リーグに快勝した。これで今年のワールドシリーズはア・リーグ優勝チーム本拠地での開幕となった。

 「リベラのための」とも称された球宴。主役の登場に8回は厳かなムードに包まれた。

 リベラ登板がアナウンスされる。だが、ア・リーグの選手は誰一人として守備位置に就こうとしない。ベンチ前に一列に整列すると、ある選手は帽子を取って左胸に当てる表敬ポーズ。ナ・リーグ(ナ軍)のベンチ前も同じ光景。観客とともに静かに“ラストダンス”の幕開けを待った。

 やがて本拠地ヤンキースタジアム以外ではかかることのないテーマ曲「エンター・サンドマン」が鳴り響く。重厚なリズムに合わせ、43歳の生きる伝説がブルペンから姿を見せると、球場内のボルテージは最高潮となる。観客総立ちによる拍手喝采はしばらく鳴りやむことがなかった。

 前代未聞の演出で観客の視線を独り占めしたリベラは「最高だよ。ファンや選手たちが一緒になって迎えてくれた。泣きそうになったよ。何ごとにも代えがたい経験だ。このシーンを忘れることはない」と興奮気味にまくし立てた。

 投球は圧巻だった。先頭セグラからゴメスまでの全16球が代名詞の宝刀・カットボール。この回を三者凡退に抑え、マウンドを降りた右腕に再び大歓声と拍手が降り注ぐ。ベンチに戻ると、チームメートが最敬礼でお出迎え。リベラもそのお礼とばかりに、メンバー一人一人を抱擁した。

 想定外の8回登板には理由があった。点差はわずか3点。この回にナ軍に逆転を許せば、9回裏のマウンドが消えてなくなる。手練れで知られるリーランド監督ならではの粋な計らいで、リベラも「9回に投げたい気持ちもあった。でも完璧なプランだった。ファンのために投げる機会をくれた彼に感謝だね」とその采配をたたえた。

 抑え投手で初&史上最年長でMVPに輝いた右腕は「ありがとう、ニューヨーク。言葉で表すことはできないよ。ファンの応援のおかげでいい投球ができた」。黒人選手の草分け的存在といわれる故ジャッキー・ロビンソン氏の背番号「42」が1997年に全球団共通の永久欠番となって以降、「42」を背負うのは同年以前から同背番号だったリベラだけ。“ラスト42”と呼ばれる最強クローザーの最後の球宴は、大団円で幕を閉じた。

 

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