陰謀の黒幕はいない—「韓流ドラマ」はなぜ多い?

2013/07/18


相変わらず為末さんのツイートが刺さります。


陰謀の黒幕はいない

陰謀論というのは、ぼくが関わるメディアの世界でも頻繁に見聞きします。NHKは在日に支配されてる!とか。

が、詳しく中身を見ていますと、そうした「陰謀」は存在せず、むしろ、一人ひとりのプレーヤーは最善を尽くした結果、陰謀に見えてしまう状態が立ち現れる、という方が一般的です。


「韓流ドラマ」はなぜ多い?

たとえば「韓国ドラマがテレビで放映されまくる」という現象も、あれは単純に「安く放映できるから」という理由が背後にあるそうで。陰謀というか、むしろ経営上の合理的な判断の結果なわけです。

韓流ドラマが多すぎる、という声がネット上では大きかったものの、ここには経済合理性がある。昼の時間に情報番組を1本作るよりも、激安価格で作れるのだ。

(中略)「韓流ドラマってCSだと1本1万円ってのもあるんです。韓国側もとにかく露出をさせたいから、価格については譲歩します。局側からすれば、ここまで安く時間を埋められるから願ったり叶ったり。視聴率もそこそこは取れるし」(CS関係者)


昨日「前科44犯の障害者。マスメディアが隠蔽する「触法障害者」問題を知っていますか」という記事を書きました。

これもまた、黒幕がいて問題が報道されないというよりは、「微罪は報じない」というマスメディアの「構造的な問題」が背景にあります。記者の人々は悪気のかけらもない、しかし、問題が結果的に隠蔽されてしまう。悪者はいないんです。


「自分が社会から信頼されずして本当の情報は得られない」

為末さんはさらに突っ込んで、陰謀論者を切っていきます。

「自分が社会から信頼されずして本当の情報は得られない」。なんと真理を突いた言葉なのでしょう。

直接の信頼関係のなかから情報を得ることができない人たちは、いくらネットに「本当の情報」が溢れるようになっても、「いや、それは嘘だ!真実は他にある!」と主張します。たとえば上で説明した韓流ドラマの話ひとつ取っても、陰謀論者たちは「いや、やはり在日が支配しているんだ!」と追求の手を止めることはないでしょう。これもまた、構造的な問題です。

陰謀論者が「陰謀の不在」に気づくためには、自身の社会的地位を高め、意思決定者の人々と対等な信頼関係を築く必要があります。自分が上昇して初めて、そこには陰謀が存在しなかったことに気づけるのです。あぁ、残酷な話。


そんなわけで、ぼくは基本的に「陰謀」の存在は信じていません。ほとんどの場合、誰もが良心に従って行動した結果、たまたま陰謀と思えるような状態が浮き上がっているだけです。そう考えているので、陰謀云々といった主張はあまり関心が持てません。


関連本はこちらを紹介。陰謀論を歴史的に紐解き解説している一冊とのこと。ポチ。

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