三たび取り上げます。これ、ホントにすばらしい作品です。以前書いた記事はこちら。
「我慢強い人」「弱音を吐かない人」は、人間関係を豊かにできない
大切にしている価値観が増えれば増えるほど、他者を許せなくなる
夫婦喧嘩が「いい子」をつくる
大変納得のいく指摘。
両親が不仲であると、子どもは「自分が悪い子だから、お父さんとお母さんは仲が悪いんだ。いい子になろう」と考えます。
子どもは常に親が気に入る態度を取ろうとして、大人の振る舞いをするのです。家が暗い雰囲気なので、無理して明るくしようとするかもしれません。
子どもながらに「大人として」懸命の努力をするのです。その姿を見て「小さいのに偉いね」と褒めてしまうと、後々に必ず大きな問題が起きます。昨日までまじめだったのに、突然非行に走るケースも珍しくありません。
短い文章ですが、なんと真理を突いているのでしょう。これ、自分の実体験からいってもすごくよく分かります。子どもが「演技」するようになるんですよね。ぼくはかなり演技性が強いパーソナリティですが、その背後には、幼少期の両親の不仲が影響しているような気がします。
「ありのままの自分」を認めてもらえなかった「いい子」は、自分の素直な気持ちを表現することを、憚るようになります。常に周囲の目を気にしながら、他者をケアする存在になっていく。一見すると「手がかからず、しかも面倒見のいい子」ですが、彼・彼女は自分を偽りつづけているので、どこかで暴発します。
一言で言うと、問題行動を起こす人は「ありのままの自分」ではいけないというメッセージをたくさんもらった人ということになります。指示・命令に従えたら「いい子」で、従わなかったらダメな子。
(中略)「条件付きの愛」で育った子どもは、条件に応えられないときの自分を「ダメな人間」と思ってしまいます。問題行動の原点は「条件付きの愛」のなかで子どもが育ってきたことにあるのです。
著者は何よりもまず、夫婦が仲良くしていることが大切だと語ります。それなくしては、子どもが家庭の不仲を「自己責任」として引き取ってしまうからです。
とはいえ、夫婦たるもの、摩擦はあるものです。これがどこまで有効かはわかりませんが、どうしてもケンカをする場合は、子どもの目につかないところで行う、または「あなたのせいじゃないんだよ」と伝える、といったことが効果的だと思われます。
何かいい夫婦喧嘩テクニックがあれば、ぜひコメント欄で教えてくださいませ。