【北京=山田周平】国際通貨基金(IMF)は17日、中国経済に関する年次審査報告書を発表した。当面の課題は銀行を介さない金融取引である「影の銀行(シャドーバンキング)」など「金融安定を脅かすリスクの封じ込めにある」と指摘。金利規制の緩和で資金の流れを健全にしたり、傘下に投資会社を抱える地方政府の財政を透明化したりするよう提言した。
報告書は2013年の中国の実質国内総生産(GDP)伸び率を7.8%と予測。旺盛な内需が欧州景気の悪化など外部環境の弱さを補うと分析した。物価上昇率が3%前後に抑えられる見込みであることを含めて「歓迎する」と表明した。
金融リスクを避けるため「与信の伸びや非伝統的な形の貸し出しを管理」する必要があると強調。金融市場の自由化が資金の流れの健全化や住民の所得向上に役立ち、リスクの回避につながると提言した。
金融分野では、不良債権や経営が悪化した金融機関を処理する透明な仕組みを整えるよう提言。中国の金融当局が預金保険制度を計画していることを歓迎し、金融商品を買う消費者がモラルハザードを起こさないよう促すことも求めた。
財政では、「融資平台」と呼ぶ投資会社で影の銀行から資金を集めている地方政府を問題視。一方で、景気減速が鮮明になった現在も、習近平指導部が公共投資などによる景気刺激に動かないことを「財政上のリスクを減らす」と評価した。
人民元相場については「やや過小評価されている」と表現した。より市場原理に基づいた為替相場に移ることが、国内外の収支バランスの均衡につながると勧告した。
また、サービス産業の振興、環境対策の強化など、習指導部が目指す「経済構造の改革は重要だ」と一層の推進を求めた。一連の改革を進めることが「バランスのとれた成長や所得格差の解決などにつながり、中国が世界の成長に大きく貢献する」と訴えた。
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