米入試訴訟:少数人種優遇、違憲か 最高裁、差し戻し
毎日新聞 2013年06月25日 12時19分
【ワシントン及川正也】学生の多様性を確保するため「人種」を入学選抜基準に採用している米テキサス大学の入試制度は違憲として訴えていた積極的差別是正措置(アファーマティブ・アクション)訴訟で、米連邦最高裁は24日、下級審が「厳格な審査」をしていないとして、大学側の主張を支持した連邦控訴裁への差し戻しを命じた。これにより、大学の入試制度が違憲となる可能性が出てきた。
2008年に同大を不合格になった白人女性のフィッシャーさんが、選ばれなかったのは同大の選抜制度により「不法に差別された」ためとして提訴。1審に続き11年の2審判決でも敗訴し、上告していた。最高裁は「控訴裁は実際に入試制度がどう運用されているか厳密な検討なしに大学側の主張を認めた」とし、原判決を無効とした。
同措置は黒人など人種的少数派を優遇するため1960年代に導入された制度。ミシガン大法科大学院が訴えられた同様の訴訟で連邦最高裁は03年、総合的な判断材料の一つとして人種を考慮するのは「合憲」としていた。