慰安婦:「慰安所はと殺場のようだった」

李玉善さんが訪米、慰安婦としての体験語る

慰安婦:「慰安所はと殺場のようだった」

 「15歳のとき、近所を歩いていたら日本軍に無理やり連行された。それから3年間いた場所は、人が住む所ではなく『と殺場』だった」

 米国ニュージャージー州バーゲン郡庁舎の会議室で15日午前(現地時間)、元慰安婦の李玉善(イ・オクソン)さん(86)が70年ほど前のつらい経験を打ち明けた。李さんは「筆舌に尽くし難い苦痛を被った。家族と連絡を取ることができず、毎日強制的に日本軍人の相手をさせられた。自殺さえできなかった」と振り返った。

 慰安所から逃げ出して捕まり、連れ戻されたこともあったという。日本軍の憲兵は「二度と逃げられないようにしてやる」と言って軍刀を李さんの腕や足に打ち下ろした。李さんが袖をまくると、右腕に4-5センチの刀痕が2本くっきりと現れた。

 証言を聞いていたキャサリン・ドノバン郡長たちの目に涙がにじんだ。ドノバン郡長は証言を終えた李さんに花束を手渡し、肩を抱いた。

 李さんは在米韓国人の利益団体「市民参与センター」の招きで訪米。この日、ドノバン郡長の案内で、バーゲン郡の裁判所前に建立された慰安婦犠牲者を追悼する「慰安婦の碑」を訪れた。李さんは花を供えた後、しばらく無言で碑石を見詰めていた。碑石の銅板には英語で「第2次世界大戦の際、日本帝国主義の軍隊により性的奴隷にさせられた韓国と中国、台湾、フィリピン、オランダ、インドネシア出身の数十万人の女性と少女たちを追悼する」と記されている。

 この慰安婦の碑は昨年10月に来韓したドノバン郡長が元慰安婦たちと面会し、建立を約束したもので、今年3月に設置された。同裁判所の前には米国の奴隷制度の犠牲になった黒人、ナチスに虐殺されたユダヤ人、英国の収奪に苦しめられたアイルランド人など全世界の人権被害者を悼む碑石が置かれている。

 ドノバン郡長は庁舎で李さんを迎え入れながら「韓国での約束を守れてうれしい。李さんを案内できて光栄だ」と語った。李さんは「日本からの謝罪がないことがずっと無念だったが、米国でこんな風に私たちを記憶してくれて感謝する。恨みがずいぶん晴れた」と答えた。李さんは同日午後、ニュージャージー州パリセイズパーク市にある米国で最初に設置された慰安婦の碑も訪問した。

ニューヨーク=張祥鎮(チャン・サンジン)特派員
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