憲法を聞く(6)共産 笠井亮党憲法部会長
−なぜ護憲を掲げているのか。
「日本国憲法は、平和主義を定めた九条をはじめ、世界に誇れる最も先進的な憲法だ。全ての条項を厳格に守って生かしていく必要がある。自民党などから改憲の動きが強まっているが、憲法を変えないことによって不都合や障害が出たという指摘が、国会に届いているわけではない。九条や、改憲の発議要件を定めた九六条を変えることに反対だというのが大きな世論だ」
−六月の東京都議選では議席を大きく伸ばした。
「憲法への関心が高まり、共産党の主張に理解が得られたのが理由だ。党支持層だけでなく、若い無党派からの支持も少なくなかった。参院選でも憲法の訴えに力点を置いている」
−改憲・加憲勢力は環境権などの新しい人権や、緊急事態条項の規定が必要だと言っているが。
「いずれも現行憲法に基づく法改正で具体化できる。特に、自民党改憲草案の緊急事態条項は人権の抑制につながる危険性がある。大規模災害に対応するためだという理由も、国民の支持を得るための口実にすぎない」
−改憲勢力にどう対抗していくのか。
「国民の間では九六条を守りたいという声が多数だ。国民投票で通さない状況をつくれば、改憲勢力は否決を恐れ、たとえ衆参両院で三分の二の議席があっても、簡単に発議はできない。改憲を許さない世論を広げていきたい」
(聞き手・上野実輝彦)