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憲法を聞く (1)民主 前川清成 党憲法調査会事務局長

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 参院選で大きな論点となっている憲法問題。しかし、各党の主張を聞いても、よく分からない部分が多い。改憲の是非やその理由、どこを変え、どこを守ろうとしているのか。各党の担当者や幹部に聞いた。

 −民主党の憲法への姿勢はあいまいだ。護憲なのか改憲なのか。

 「国家権力を制限する立憲主義を守るのが護憲というなら護憲派だ。だが、憲法を一字一句触ってはいけないというのが護憲なら護憲派ではない。二〇〇五年にまとめた憲法提言には『不断の見直し』と書いてある」

 −いま憲法を見直す必要があるのか。

 「憲法が施行されて七十年近くが経過し、見直すタイミングだと思うが、安倍晋三首相や日本維新の会の橋下徹共同代表がナショナリズムをあおる政局を見ると、今は冷静な議論ができない」

 −できるようになったら、まず何を変えるつもりなのか。

 「党内の議論は優先順位をつけるほど成熟していない。自民党は一条から一〇三条まで全部変えるというが、これは憲法改正ではない。革命だ。われわれは現行憲法は大事にする。その上で見直す」

 −戦争放棄を定めた九条はどうするのか。

 「九条があるのに世界有数の軍隊を保持し、国家権力を制限する規範としての憲法の意味がなくなっている。では自衛隊をなくせ、とも言えない。現実政治の中で九条の理念をどう具体化していくか、議論を深めたい」

 −九六条を変えて改憲の発議要件を緩和するのは賛成か反対か。

 「憲法を変える中身が決まってないのに、三分の二の賛成を得るのは大変だから過半数に緩和するというのはずるい。その意味で先行改正には反対とまとめた。だが、絶対改正しては駄目だというところまでは議論していない」 (聞き手・生島章弘)



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