2010.7.30(その3)

森田実の言わねばならぬ【691】

平和・自立・調和の日本をつくるために[691]
《新・森田実の政治日誌》[森田実の地方を行く]香川県観音寺市へのセンチメンタルジャーニー〔8月1日夜7時、観音寺市民会館で行われる「浜田けいぞう励ます会」で「地方の役割と香川県知事選の意義」について講演するために香川県へ行きます〕

「故郷は、いわば、神が特別の恩寵を以て自分の為に建てられた自然の大殿堂である」(石川啄木)




 私の郷里は静岡県の伊東市であるが、家内の郷里は香川県の三豊市(以上の地名は三豊郡高瀬町)である。世帯をもって50年以上も一緒に生きてくると、二つの故郷ができる。香川県の西讃の地は私にとって第二の故郷である。はじめて観音寺市を訪ねたのは1960年(昭和35年)2月であるから、50年半経つ。それから観音寺市を数十回訪ねている。観音寺市には多くの知人、友人がいる。最も親しい友人は白川兄弟である。兄の白川文造氏は学生時代からの親友。最近引退したが、フジテレビ、BSフジで活躍したテレビマンである(BSフジの元社長)。弟の白川司郎氏は著名な実業家で今も第一線で活躍している。きわめて有能な人物である。白川兄弟の父親が私たち夫婦の仲人であり、大恩人である。白川兄弟は従って大恩人の子息である。兄の文造氏は学生時代からの友人、弟の司郎氏と初めて会ったのは50年以上前、当時、観音寺商工会議所副会頭だった仲人の白川さんを訪問した時だったから、50年以上の親交にある。この白川司郎氏の大親友(同級生)が、現観音寺市長の白川晴司氏である。私は白川晴司市長とも40年以上の付き合いである。
 香川県知事選は今年の8月末に行われる。この知事選に超党派で擁立したのが、観音寺市生まれで観音寺第一高等学校出身の浜田恵造さんである。浜田さんは東大法学部卒業後大蔵省に入省、主計局主査、国債課長、東海財務局長、東京税関長などを勤めた人で、人間的にも仕事師としても大変評価の高い人である。浜田さんの先輩や同僚の話では、信念の人であり、奉仕の人であり、つねに国民のことを考えて誠心誠意仕事をしてきた立派な人である。香川県は新しい知事候補に大変にすばらしい人を擁立したと私は感心していた。香川県民が浜田けいぞうさんを新知事に選出すれば、香川県は大いに発展するのではないかと私は期待している。こんな私の気持ちが、以心伝心で伝わったためだろうか。8月1日に観音寺市で「地方の役割と香川県知事選の意義」というテーマで講演を求められた。私は喜んで引き受けた。
 香川県は多くのすぐれた人材を輩出している。浜田氏はこの中でも出色の逸材といわれている。かつて大平正芳首相・蔵相(香川県出身)に仕えたことのある浜田さんの先輩は、「大変大平さんに似ている」と語っている。
 今回の観音寺市訪問は私にとっては、久々の第二の郷里訪問である。センチメンタルジャーニーになるかもしれない。
 去る7月11日の参院選の結果、中央政界は新しい局面に入っている。私はこの言葉はあまり好きではないが、「ねじれ国会」になっている。「ねじれ」をうまく生かすことができれば、日本の議会制民主主義は成長することができる。いいチャンスであると思うが、世の中、そんなに甘いものでないかもしれない。中央政界で政争のための政争が繰り返されるおそれなしとしない。
 その時、国民社会を支える新しい柱が必要である。中央政治が乱れたら地方自治体が社会を安定させる役割を果たさなければならない。県と市町村、首長と議員が、地域社会と国民生活を守るために、いままで以上の力を発揮する必要が出てくる。
 香川県知事選は、長野県知事選につづく7.11参院選後の二つ目の大型地方選である。香川県民が長野県民とともに新しい時代の日本の先導役を果たすことになる。この歴史的選挙に参加できることは一言論人として冥利に尽きることである。声をかけてくれた白川文造・司郎兄弟と白川観音寺市長に感謝したい。