映画『サイレントヒル:リベレーション3D』

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INTRODUCTION:イントロダクション

『バイオハザード』スタッフが贈る最新の3D技術で“サイレントヒル”の世界を体感せよ !

累計840万本という爆発的大ヒットを記録した、KONAMIのホラーアドベンチャーゲーム「サイレントヒル」。中毒者を続出させたその世界が遂に3Dで完全映画化を果たす。

本作をただの映画とは別次元のレベルに高めているのが、閉鎖された街「サイレントヒル」の深い霧が覆う神秘的で美しい情景と、そこに潜む“何か”の完璧なまでに独創的で精密なフォルム。さらには、観る者を引きつけてやまないミステリー仕立ての謎と秘密に満ちたストーリー。幼い頃の記憶を失った美少女へザーを主人公に、彼女のベールに包まれた生い立ちとサイレントヒルの封印された真実を描き出す。『バイオハザード』シリーズの製作陣が、その最先端の3D技術を駆使し、あたかも“サイレントヒル”の街にいるかのような興奮体験を観る者に味わわせる。

決してひとりで迷い込んではいけない。しかし、ひとたび足を踏み入れたら絶対に逃げられない。この夏、果てしなき戦慄の街が、あなたの訪問を今か今かと待ちわびている。

STORY:ストーリー

ようこそ、“サイレントヒル”へ。あなたももう逃げられない―。

18歳の誕生日を迎えようとしているヘザーの人生は、他の同世代の女の子たちとはまったく違っていた。幼い頃の記憶がない彼女は、父親ハリーに守られるようにして各地を転々と移り住み、夜ごとサイレントヒルという謎の街で“何か”に追われる悪夢にうなされているのだ。

そんなある日、父親が不可解な失踪を遂げ、自宅の壁には「サイレントヒルに来い」という血文字が残されていた。やがて現実世界からスリップするように、ヘザーが不気味な深い霧と静寂に包まれたサイレントヒルに足を踏み入れると、突然鳴り響いたサイレンを合図に街は闇にのみ込まれ、この世のものとは思えない“何か”が姿を現す。

それでも勇気を奮い起こし、父親を探し出すため迷宮の奥深くへと身を投じたヘザーは、想像を絶する自らの出生の秘密、そしてサイレントヒルの呪われた真実を探りあてていくのだった……。

CAST:キャスト

アデレイド・クレメンス(ヘザー・メイソン/アレッサ役)

アデレイド・クレメンス(ヘザー・メイソン/アレッサ役)

1989年、オーストラリア・ブリスベン生まれ。同国のTV界で女優としてのキャリアをスタートさせ、2007年に人気TVシリーズ「Love My Way」にハーパー役で出演し、2008年度グラハム・ケネディ賞最優秀新人賞にノミネートされた。その後もエミー賞に輝いたミニ・シリーズ「パシフィック」(10)などのTV作品に出演する一方、ヒュー・ジャックマン主演の『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(09)、岩井俊二監督のダーク・ファンタジー『ヴァンパイア』(11)、北村龍平監督のホラー映画『NONOE LIVES ノー・ワン・リヴズ』(12)といった映画に出演。また最近では、イギリスBBC放送のミニ・シリーズ「パレーズ・エンド」(12)でベネディクト・カンバーバッチ、レベッカ・ホールと共演しており、バズ・ラーマン監督、レオナルド・ディカプリオ、キャリー・マリガン主演の『華麗なるギャツビー』(13)にも出演している。

キット・ハリントン(ヴィンセント・クーパー役)

キット・ハリントン(ヴィンセント・クーパー役)

1986年、イギリス・ウスター生まれ。ロンドン大学のカレッジであるセントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマでドラマや演劇を学んだ。同校における舞台作品には「三人姉妹」「地獄のオルフェウス」「恋の骨折り損」などがある。また2008年の卒業前から、賞を受賞して大ヒットした英国国立劇場作品「軍馬ジョーイ」で主役のアルバート・ナラコットを演じた。のちにこの舞台はニュー・ロンドン・シアターで上演され、2009年まで主演を務めた。その後、ロンドンのロイヤル・コートシアターで上演されたローラ・ウェイド作の「POSH」にも出演している。そしてアメリカのHBOが放送し、大反響を呼んだ2011年のTVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」でジョン・スノウ役を演じ、ショーン・ビーンと共演。今後の映画出演作には、セルゲイ・ボドロフ監督の冒険ファンタジー『The Seventh Son』(13)などがある。

キャリー=アン・モス(クローディア・ウルフ役)

キャリー=アン・モス(クローディア・ウルフ役)

1967年、カナダ・バンクーバー生まれ。アメリカ演劇芸術アカデミーで演技を学ぶ。20歳の時にヨーロッパに渡ってモデルの仕事をこなすが、アメリカのTVシリーズに出演したことをきっかけに女優に転身した。何本かの映画、TV作品に出演したのち、革新的なSFアクション『マトリックス』(99)のトリニティ役に抜擢されたことで一躍ブレイク。クリストファー・ノーラン監督作品『メメント』(00)では、インディペンデント・スピリット賞の助演女優賞を獲得した。そのほか主な出演作には『レッド・プラネット』(00)、『ショコラ』(00)、『マトリックス リローデッド』(03)、『マトリックス レボリューションズ』(03)、『サスペクト・ゼロ』(04)、『ゾンビーノ』(06)、『パラダイス・ロスト』(06・未)、『スノーケーキを君に』(06・未)、『ディスタービア』(07)、『4デイズ』(10)などがある。

ショーン・ビーン(ハリー・メイソン役)

ショーン・ビーン(ハリー・メイソン役)

1959年、イギリス・シェフィールド生まれ。王立演劇学校で訓練を受けたのち、『カラヴァッジオ』(86)、『ストーミー・マンディ』(88)、『パトリオット・ゲーム』(92)などに出演。1993年からイギリスの人気TVシリーズ「炎の英雄シャープ」の主演を務め、多くの視聴者を魅了した。その後の映画作品では『007/ゴールデンアイ』(95)の悪役や『ロード・オブ・ザ・リング』(01)のボロミア役で広く知られ、最近では2011年のTVシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」の主人公エダード・スターク役で好評を博している。そのほかの主な映画出演作は『トロイ』(04)、『ナショナル・トレジャー』(04)、『アイランド』(05)、『スタンドアップ』(05)、『フライトプラン』(05)、『サイレントヒル』(06)、『ヒッチャー』(07)、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』(10)、『白雪姫と鏡の女王』(12)など。

マーティン・ドノヴァン(ダグラス・カートランド役)

マーティン・ドノヴァン(ダグラス・カートランド役)

1957年、カリフォルニア州リシーダ生まれ。ハル・ハートリー監督との長年のコラボレーションで知られ、『トラスト・ミー』(90)、『シンプルメン』(92)、『愛・アマチュア』(94)などに出演。その後は『ある貴婦人の肖像』(96)で全米批評家協会賞の助演男優賞に輝いたほか、『オネーギンの恋文』(99)、『インソムニア』(02)、『16歳の合衆国』(02)、『ザ・センチネル/陰謀の星条旗』(06)、『デス・ロード 染血』(07・未)、『エクトプラズム 怨霊の棲む家』(09)、『4デイズ』(10)などに出演した。また「Weeds ~ママの秘密(シーズン2)」(06)でメアリー・ルイーズ・パーカーの恋人役を演じるなど、数多くのTV作品にも出演している。

デボラ・カーラ・アンガー(ダリア・ギレスピー役)

デボラ・カーラ・アンガー(ダリア・ギレスピー役)

1964年、カナダ・バンクーバー生まれ。オーストラリアの国立演劇学院に入学が認められた初のカナダ人となり、『アンボンで何が裁かれたか』(90)などでキャリアを築き始める。デヴィッド・クローネンバーグ監督の『クラッシュ』(96)の妖艶なヒロイン役で脚光を浴び、その後は幅広いジャンルの映画に出演している。そのほかの主な出演作は『孤独の絆』(96)、『ゲーム』(97)、『ペイバック』(99)、『ザ・ハリケーン』(99)、『太陽の雫』(99)、『微笑みに出逢う街角』(02)、『1.0 【ワン・ポイント・オー】』(04)、『サイレントヒル』(06)、『88ミニッツ』(07)、『星の旅人たち』(10)、『コンフィデンスマン/ある詐欺師の男』(12)など。

ロベルト・カンパネラ(レッド・ピラミッド役)

ロベルト・カンパネラ(レッド・ピラミッド役)

1968年、イタリア・ローマ生まれ。イタリア・コンテンポラリー・ダンス・スクールで訓練を受けた。1985年、イタリア・コンテンポラリー・ダンス・カンパニーに入り、その後、名高いアテルバレットに所属。1993年にはカナダ国立バレエ団に所属し、瞬く間にソリストの座にのぼりつめ、数多くの古典的および現代的な役に抜擢された。カナダ国立バレエ団の1995年度振付ワークショップで振付師としてデビュー。主にプロアルテダンツァで振付を行う一方、カナダ、ドイツ、韓国、日本など世界各国のバレエ団から招聘を受けるゲスト振付師として活躍している。『サイレントヒル』(06)ではクリーチャーのレッド・ピラミッドを独特の身のこなしで演じた。

マルコム・マクダウェル(レナード・ウルフ役)

マルコム・マクダウェル(レナード・ウルフ役)

1943年、イギリス・リーズ生まれ。ケン・ローチ監督の『夜空に星のあるように』(68)で映画デビュー。『if もしも…』(68)とスタンリー・キューブリック監督作品『時計じかけのオレンジ』(71)で脚光を浴び、『オー!ラッキーマン』(73)、『タイム・アフター・タイム』(79)、『カリギュラ』(80)、『キャット・ピープル』(81)、『ブルーサンダー』(83)、『ジェネレーションズ/STARTREK』(94)などでカリスマ性を発揮。その後も数多くのB級映画で悪役をこなす一方、『バレエ・カンパニー』(03)、『ハロウィン』(07)、『ドゥームズデイ』(08)、『ココ・シャネル』(08)、『アンチヴァイラル』(12)などに出演している。

ラダ・ミッチェル(ローズ・ダシルヴァ役)

ラダ・ミッチェル(ローズ・ダシルヴァ役)

1973年、オーストラリア・メルボルン生まれ。TV女優としてキャリアをスタートさせ、『ラヴ&カタストロフィ』(96)、『ハイ・アート』(98)などの独立系映画で注目される。その後は『メリンダとメリンダ』(04)や『サイレントヒル』(06)で主演を務めたほか、『マイ・ボディガード』(04)、『ネバーランド』(04)、『サロゲート』(09)といったハリウッド大作でも活躍している。そのほかの主な出演作は『ピッチブラック』(00)、『彼女の恋からわかること』(02)、『フォーン・ブース』(02)、『マンイーター』(07)、『ザ・エッグ ~ロマノフの秘宝を狙え~』(09)、『クレイジーズ』(10)、『エンド・オブ・ホワイトハウス』(13)など。

ピーター・アウターブリッジ(トラヴィス役)

ピーター・アウターブリッジ(トラヴィス役)

1966年、カナダ・トロント生まれ。ヴィクトリア大学で演劇を学んだのち、フリンジ劇団“ウェイ・オフ・ブロードウェイ”を仲間と共同で設立した。TVと映画の俳優に転身してからは40本以上の作品に出演している。主な映画出演作は『クール・ランニング』(93)、『キスト』(96)、『ランド・オブ・ザ・デッド』(05)、『ラッキーナンバー7』(06)、『ソウ6』(09)など。主演を務めたTVシリーズには2004年の「The Murdoch Mysteries」、2004年~2008年の「リ・ジェネシス バイオ犯罪捜査班」がある。本作でのトラヴィスという役は、2007年のPSP向けゲーム「サイレントヒル ゼロ」では、メインのキャラクターである。

STAFF:スタッフ

マイケル・J・バセット(脚本/監督)

マイケル・J・バセット(脚本/監督)

イギリス中部にあるシュロップシャーの田舎で、野生動物や自然に興味を抱きながら育つ。16歳の時に獣医になる夢を諦め、野生動物の映画監督のアシスタントを務めたことで撮影と映画製作について学んだ。その後、動物学を勉強するかたわら、TV番組の仕事に携わるようになり、ビデオカメラを購入して短編映画の製作を開始。そのとき手がけたサスペンス、ホラー、コメディ作品でいくつかの賞を受賞した。やがて映画製作に活動の焦点を絞って数本の脚本を執筆し、『デス・フロント』(02)で長編デビュー。この作品は戦争映画とホラーの要素をミックスした異色作で、ジェイミー・ベルが主演を務めた。監督2作目の『処刑島』(06・未)は、無人島を舞台にしたサバイバル・ホラー。続いてサミュエル・ハディダが製作を務めたダーク・ファンタジー『ソロモン・ケーン』(09・未)を発表した。2010年にはTVミニ・シリーズ「反撃のレスキュー・ミッション」の演出も手がけている。

サミュエル・ハディダ(製作)

1980年代初頭に父親デヴィッド、弟ヴィクターとともにフランスで独立系配給会社メトロポリタン・フィルムエクスポートを設立し、大成功を収める。製作を務めた最初の作品はトニー・スコット監督、クエンティン・タランティーノ脚本の『トゥルー・ロマンス』(93)。日本製ゲームの映画化『バイオハザード』シリーズ5作品(02、04、07、10、12)を世界中で大ヒットさせたことで知られ、同じく日本の同名ゲームに基づく『サイレントヒル』(06)でも好評を博した。そのほかに製作もしくは製作総指揮を務めた主な作品には『キリング・ゾーイ』(93)、『クライング・フリーマン』(96)、『ジェヴォーダンの獣』(01)、『スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする』(02)、『略奪者』(02)、『ルールズ・オブ・アトラクション』(02)、『ドミノ』(05)、『パフューム ある人殺しの物語』(06)、『Dr.パルナサスの鏡』(09)、『ソロモン・ケーン』(09・未)、『ブリッツ』(11)などがある。

マキシム・アレクサンドル(撮影)

5歳の時に家族とともにベルギーからイタリアに移り住み、助監督をしていた義父のもとでイタリア映画に親しむ。子役として何本かの映画に出演したのち、撮影に対する情熱に目覚めた。1980年代後期に、新たな移住先のパリでCMの撮影を手がける。初めて撮影監督を務めた長編映画は、アレクサンドル・アジャ監督のホラー映画『ハイテンション』(03)。この作品が国際的に認められたことでアジャ監督とともに渡米し、『ヒルズ・ハブ・アイズ』(06)、『ミラーズ』(08)の撮影を担当した。そのほかの主な作品には『ディフェンダー』(04・未)、『P2』(07)、『カタコンベ』(07)、『クレイジーズ』(10)、『マニアック』(12)などがある。

パトリック・タトポロス(クリーチャーデザイン)

パリの国立高等美術学校などで学んだのち、1989年から映画業界でのキャリアを踏み出した。10年以上にわたって想像力に満ちあふれた特殊効果のエキスパート、プロダクション・デザイナー、クリーチャー・デザイナーとして活躍し、現代の映画のクオリティとその方向性に影響を与え続けている。これまで携わった主な作品は『スターゲイト』(94)、『インデペンデンス・デイ』(96)、『GODZILLA ゴジラ』(98)、『アンダーワールド』(03)、『アイ,ロボット』(04)、『サイレントヒル』(06)、『アイ・アム・レジェンド』(07)、『ダイ・ハード4.0』(07)、『バイオハザードⅢ』(07)など。『アンダーワールド:ビギンズ』(09)では初めて監督を務めた。

ポール・ジョーンズ(特殊メイキャップ/クリーチャー効果)

1980年代半ばからイギリスのパインウッド・スタジオで画像アニメーションの仕事に携わる。『ヘルレイザー3』(92)では象徴的なキャラクター“ピンヘッド”のメイクのデザイン変更と塗布をひとりで担当した。この当時に特殊メイク、クリーチャーデザイン、アニマトロニクスなどの幅広い経験を積み、1990年代初めにカナダで自らの会社を設立。その後は『チャイルド・プレイ/チャッキーの花嫁』(98)、『バイオハザードⅡ アポカリプス』(04)、『サイレントヒル』(06)、『シューテム・アップ』(07)、『ソロモン・ケーン』(09・未)、『処刑人Ⅱ』(09)、『バイオハザードⅣ アフターライフ』(10)、『遊星からの物体X ファーストコンタクト』(11)などに効果を提供している。

ウェンディ・パートリッジ(衣装)

幼い頃から衣装のデザインに興味を持ち、1980年代初頭から数多くの映画、TV作品の衣装を手がけている。『Loyalties』(87)、『A TIME OF WAR タイム・オブ・ウォー 戦場の十字架』(08・未)で、カナダ・ジニー賞の衣装デザイン賞を受賞した。そのほか衣装を担当した主な作品には『ブレイド2』(02)、『アンダーワールド』(03)、『ヘルボーイ』(04)、『地獄の変異』(05)、『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』(05)、『サイレントヒル』(06)、『アンダーワールド:エボリューション』(06)、『ホワイトアウト』(09)、『レギオン』(10)、『トゥルー・リベンジ』(10・未)、『コナン・ザ・バーバリアン』(11)などがある。

山岡晃(音楽)

東京芸術大学で製品・インテリアデザインを学んだのち、フリーの作曲家として活動を始める。コナミ在籍中に同社のホラーアドベンチャーゲーム「サイレントヒル」シリーズの制作に関わったことで知られる。 あらゆるタイプのメディアに強い関心を持ち、TVゲーム業界やインタラクティブなエンターテイメント分野のアーティストたちと次々とタッグを組み、映画『サイレントヒル』(06)の音楽も担当し、2009年のTVドラマ「名探偵の掟」の音楽も手がけるなど様々な分野で活躍している。

PRODUCTION NOTES:プロダクション・ノート

卓越した美術や衣装でデザインされたサイレントヒルのダークな世界観

本作の世界観についてマイケル・J・バセット監督が語る。「ゲームの映像世界は深く洗練されていて、ヒエロニムス・ボス、フランシスコ・デ・ゴヤ、ウィリアム・ブレイクの歪んだ絵に描かれたダンテの地獄のビジョンを思い出させる。色、質感、光、感覚に関して、僕はそのカラーパレットがほしかった」。さらに監督は意外な裏話を打ち明ける。「僕たちの世界観を決定するうえで最も影響を受けた映画の1本が、エイドリアン・ライン監督の『ジェイコブス・ラダー』だった。後から知ったことだが、天国と地獄の中間に位置する生命の不気味さと関連したその映画は、コナミのゲーム・クリエイターたちにも最初に影響を与えていたんだ! でも僕たちは模倣にまったく興味がなかった。僕たち自身の環境を創り出したかったんだ」。

美術に関してサミュエル・ハディダが説明する。「とても難しかった。この映画ではサイレントヒルという場所がキャラクター同様に重要だ。そこには“闇”によって完全に破壊されたストリートや密閉された廊下、老朽化した部屋がたくさんあり、アミューズメントパークと教会もある。我々はセットすべてをイチから作った。それにサイレントヒルの世界の内側と外側の二重性も強調した。その多くを外観に緑や灰色を使い、内観に錆び茶色を使うことで、物語が紐解かれていくにしたがってどんどん暗くなるように表現した」。

そのセットは美術のアリシア・キーワンによって創り出された。アミューズメントパークはトロントのオンタリオ湖の湖畔に建てられた。バセット監督が説明する。「子供の頃、こういった場所に行くと、すべてがとても大きくて照明が輝き、不協和音が鳴り響くように感じられた。それは魔法のようでもあり、同時に恐ろしくもある。レイクサイドの回転木馬自体が、この奇妙な世界観から引き出されたものだ」。

ウェンディ・パートリッジは1作目の映画に続き、今回も衣装を担当した。彼女が“教団”の衣装コンセプトを説明する。「今回の衣装は、サイレントヒルの世界の無慈悲で、強烈に締めつけられ、型にはまった清教徒的な宗教観を網羅するものなの。高官の衣装は信者以上にそれを誇張させ、ハーネスをつけ、歪んだオーバーローブを着ていることで、完璧に固定されて見える。どこにも自由な動きがない。すべてが1950年代のレトロ感覚で身動きが取れないのよ」

卓越した美術や衣装でデザインされたサイレントヒルのダークな世界観

本作における3Dの活用法をバセットが説明する。「学校、家、そのほか小さい範囲で成り立つヘザーの世界は、ざらざらしていて薄っぺらく、気の滅入るような世界だ。彼女が悪夢と現実的ではない現実を探求し始めると、3Dは物語を実体験するツールとなる。ヘザーが真実に近づけば近づくほど、映画の立体感が増していく。このアプローチ法によって3Dを単なるギミックとしてではなく、物語性を高めるために用いるという3D本来の役割を明らかにすることができたんだ」。

撮影監督のマキシム・アレクサンドルが言葉を添える。「製作のサミュエル・ハディダとドン・カーモディのおかげで、僕たちは今でも開発が進められている試作品を含め、最先端の装置で作業することができた。例えば伝統的な3Dのルールから外れ、移動可能なステディカムを使用して撮影することができた。これによって僕たちが創り出したいものと技術的な制約の間に、必要なバランスを見出すことができたんだ。結果的に、通常の3D撮影にはない芸術的自由を得ることができた」。

サイレントヒルの世界に欠かせない暗闇は、攻略すべき最も難しい課題だった。製作のハディダが語る。「3Dテクノロジーは常に大量の光を必要とする。1作目の映画は2Dで撮影したが、暗闇を創り出すため非常に高解像度で撮影しなくてはならなかった。しかし『バイオハザードIV アフターライフ』と今回の映画の製作の間に、新しいカメラが開発された結果、より暗い映画を3Dで撮影することが可能になったんだ」。バセット監督はこれまで常に、光に対して力強いアプローチを取ってきた。バセットが説明する。「ストロボを用いたり、ライトに風を送ることで、光が絶え間なく動き、絶えず生きて見えるようになるんだ。僕たちは照明の美学にこだわった繊細な装置を用いて、映画全体の物語とキャラクターの展開を高める努力をした。それは挑戦だったが、撮影監督のマキシム・アレクサンドルがすばらしい仕事をしてくれたよ」。

MOVIES:ムービー

  • TRAILER-予告編
  • TEASER-特報

7月12日(金)TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー!

監督・脚本:マイケル・J・バセット/音楽:山岡晃/出演:アデレイド・クレメンス、ショーン・ビーン、ラダ・ミッチェル、マルコム・マクダウェル、キャリー=アン・モス/2012年/フランス・アメリカ・カナダ/英語/原題:Silent Hill : Revelation 3D/カラー/シネスコ/95分/提供:2013「サイレントヒル:リベレーション3D」フィルムパートナーズ/配給:プレシディオ

A Canada-France Co-Production © 2012 Silent Hill 2 DCP Inc. and Davis Production SH2, SARL.