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豪ラッド政権、炭素税廃止発表 排出量取引制度へ来夏移行

2013/7/16 20:43
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 【シドニー=高橋香織】オーストラリアのラッド政権は16日、炭素税を廃止すると発表した。2014年7月から温暖化ガスの排出量取引制度に移行する。秋にも予定される総選挙を前に不人気政策を撤廃し、支持率の押し上げを狙う。

 ギラード前政権が12年7月に導入した炭素税は、温暖化ガスを大量に排出する企業に1トンあたり24.15豪ドル(約2200円)の支払いを課している。来年7月からは1トンあたり25.4豪ドルに引き上げる予定だった。

 価格が市場で決まる排出量取引制度に移行すれば、1トンあたり6ドルに下落すると見込まれている。企業の負担は大幅に軽減される。一般家庭では電気・ガス料金を中心に14年度に380豪ドルの軽減になるとしている。

 排出量取引制度への移行は、予定を1年前倒しした。歳入は14年度からの4年間で38億豪ドル減る見通し。ラッド首相は企業の社有車への課税強化や公務員削減などで穴埋めする考えを示した。

 炭素税をめぐる政策論議は豪州にとり、政権基盤を左右する大きな要素だ。ギラード前首相は10年8月の総選挙前に「導入しない」と公言しながら、緑の党との連携を強化する政治的な戦略をとった。

 財政黒字化の達成に向け、豪州経済の屋台骨である資源・エネルギー産業への安易な増税に走ったとの批判も多い。炭素税と同じ時期に、石炭と鉄鉱石に課税する鉱物資源利用税(MRRT)も導入した。しかし、12年度の財政黒字化は達成できず、支持率の低下を招いた。

 ラッド首相が07年12月に首相に就任後、初仕事として取り組んだのも温暖化ガス対策だった。環境対策で存在感を示す狙いから、京都議定書に批准したものの、排出量取引制度の導入を巡って党内の求心力を失い、ギラード氏に首相の座を追われた。

 緑の党は炭素税を廃止した与党・労働党に対し、批判を強めている。与党の支持率は50%まで回復し、野党と拮抗している。野党圧勝とみられていた総選挙の行方は首相交代を受け、不透明になっている。労働党が勝利したとして、緑の党との連携なしに安定政権を築けるかは未知数だ。

 野党・保守連合は総選挙の争点に、炭素税撤廃を掲げていた。アボット自由党党首は同日、与党は政策を変えすぎ「信頼できない」と批判した。

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ギラード、ラッド、オーストラリア、ラッド政権、温暖化ガス

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