今日の国内市況(7月16日):株式、債券、為替市場
(ブルームバーグ):きょうの国内市場の株式、債券、為替相場は以下の通り。
●日本株は続伸、米・中懸念薄れ輸出や金融、紙パ高い-現物無事統合
東京株式相場は続伸。米国企業の決算が総じて良好で、中国の経済成長率も予想以上に落ち込まず、世界的な景気の先行きに対する懸念が後退した。精密機器や機械など輸出関連、保険やその他金融など金融株が買われ、パルプ・紙や海運株も高い。
TOPIXの終値は前週末比8.55ポイント(0.7%)高の1210.54、日経平均株価は92円87銭(0.6%)高の1万4599円12銭。3連休明けのこの日から、大阪証券取引所の現物市場が東京証券取引所に統合されたが、混乱なく初日の取引を終えた。
大和住銀投信投資顧問株式運用部の岩間星二ファンドマネジャーは、「米国経済は堅調で、中国も長い期間をかけてソフトランディングに向かうだろう」と指摘。ただ、参院選後の安倍政権の政策方針を見極めたいとの思いが強く、当面は上値の重い相場が続くとしたほか、国内企業の業績はばらつきが見込まれ、「自動車を除いてはセクター内でも勝ち負けが分かれるまだら模様の相場になる」と話していた。
●債券は反落、株高や5年債入札不安-先物売買高は7カ月ぶり低水準
債券相場は反落。株式相場が続伸したことに加えて、あす実施の5年債入札を不安視する見方が出て、売りがやや優勢の展開となった。
東京先物市場で中心限月の9月物は、前営業日の12日終値比6銭高の143円22銭で開始し、直後に143円25銭と日中取引で6月10日以来の高値を付けた。しかし、その後は下げに転じ、午後に入ると143円08銭まで下落した。結局は5銭安の143円11銭で引けた。
9月物の日中売買高は1兆2278億円となり、中心限月ベースで昨年12月25日以来の低水準となった。
●ドル円は99円後半、あすのFRB議長証言待ち-対豪ドルでドル下落
東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=99円台後半を中心に推移した。対オーストラリア・ドルでのドル売りに押される場面も見られたが、注目のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言をあすに控えて、ドルの下値は限られた。
午後3時50分現在のドル・円は99円85銭前後。朝方に100円07銭を付けたが、対豪ドルでドル売りが強まると99円65銭までじり安となり、その後は99円台後半で小動きとなった。前日の海外市場では100円48銭までドル高・円安が進んだ後、米小売売上高が市場予想を下回り、米長期金利が低下したことから、99円台後半まで上げ幅を縮めていた。
スタンダードチャータードのチーフ投資ストラテジスト、スティーブ・ブライス氏(シンガポール在勤)は、ブルームバーグ・テレビジョンのインタビューで、「長期的には、ある時点で米金融当局が量的緩和の縮小に動くとみている」と指摘。一方、日本では金融緩和が続くことから、「今後6-12カ月で見れば、ドル・円は少なくとも105円から110円に行くはずだ」と語った。
更新日時: 2013/07/16 16:07 JST