西岡は五回に右翼線二塁打。前日左ひざに受けた自打球の影響を感じさせなかった【拡大】
まずは2点を追う二回一死満塁の好機だ。好投手・杉内に簡単に2球で追い込まれたが、焦らない。カウント2-2まで粘り、5球目。低めのチェンジアップに食らいつき、中堅に運んだ。犠飛で1点差とし、最低限の仕事を果たした。
三回二死走者なしでは守りで本領発揮。長野の中堅に抜けそうな痛烈なゴロを逆シングルキャッチだ。体を反転させながら、ジャンピングスローを決めた。2点ビハインドの五回一死走者なしの3打席目は外角の直球に逆らわずに右翼線へ。万全とはいえない足で二塁に到達した。日本通算998安打として、節目の1000安打にあと「2」に迫った。
「試合に出れる状況になって、トレーナーの応急処置がよかった。トレーナーに感謝です」
本人は裏方スタッフに感謝の意を表し、多くを語らない。だが、関係者によれば、前夜の試合後は一晩中、患部のアイシングに努めていたという。西岡のポリシーは「努力というのは普段どういう生活をしているか。人に見せる必要はない」-。評価されるのは結果のみ。そのための陰の努力は怠らない。
「いいプレーをしても、負けたら一緒。あしたやりかえすしかない」
前半戦はあと2戦。手負いのリードオフマンの目はG倒に向け、再びぎらついていた。 (小松 真也)
(紙面から)